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五章 一時の帰還

14話 地球の技術を盗む

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俺はその後、親父に別れを告げて日本に帰国した。
だが、ただで親父を許すことが出来なかった俺は呪術を使った。雫の痛みはこんなものじゃないがせめてもの報いだ。ただ、親父はすでにストレスの溜めすぎとここでも働いていたのか体にも傷があり心身ともに疲労していた。近々に倒れることが分かった俺だが、雫を売ったコイツを許すことが出来ず放置をした。例えどんな理由があっても家族を売りに出すようなクズを許すほど俺はお人好しじゃないからな。

そして、親父にも教えてもらったが念のため判別のスキルを使い母さんの墓の場所を見つけて線香を立てて向日葵を置いておいた。向日葵は全く季節が違ったがまぁそこはね。チートでぱぱっとやっておきましたよ。

気づいた時にはすでに日が沈み始めていたので急いで家に帰り橙里たちに飯を食わせてやった。ちなみに今日はうなぎの蒲焼きだ。
多分みんなうなぎを食べたことがあまりないだろうからな。俺が向こうに帰るまでにこいつらには色々と食わせてやりたくなったんだ。
全員がたらふく食べたあとデザートにハーゲンダッツを食わせてやった。多分これは初めてだろうな。いつもは安めのというかアイス自体をあんまり食ってないからな。
みんなが食べ終わった頃に、あることに今まで悩んでいた俺は1つの決断した。

「ちょっとみんなにお願いがある」
「ん?どしたのこうきお兄ちゃん」
「明日から俺たちは引っ越すことになった」
「どこに?」
「外国だ」
「えっ……マジ?」
「マジだ」

嘘でもないしな。今まで悩んでいたが俺はもう決めた。

「だから明日は学校の友達にお別れをしといてくれ。」
「……うん。分かった」
「そんな悲しそうな顔をするな。あっちでも新しい友達ができるさ」
「そうだぜ朱里。あっちでも友達100人作ろう!」
「うん!」

全員が寝静まった頃、俺はこれからのことを一人で考えていた。

元の世界に帰るのはいいが何も持っていかないと言うのはもったいない気がするな。ガイア様は確かこっちからあっちに帰るのに5つまでなら持って来られると言っていたし……4つは何を持っていくかはすでに決まってるが記憶もそれにカウントされるのだろうか?されないんだったらこれからの時間も有効に活用できるんだが……まぁやってみるだけやってみるか。
じゃあ最初の目標は地球にある技術を全部習得することだな。

「そうと決まれば善は急げだな。出でよ影魂シャドースピリッツ

俺は過去に呼んだことがある俺の影の分身たちを呼んだ。

影1「この人使いが荒い悪魔め」
「開口一番がそれかよ!」
影3「で?僕たちを呼んだのはまたどうして?」
「ちょっと頼みがあってな。とりあえずこの地球上にある全部の知識を取り込んで来てほしい。お前たちが記憶したものは全部俺のところに回ってくるからそんなに負担もかからないと思う」

俺は折角なので、あの憎き勇者から奪った能力を試してみようと思った。
どの勇者から奪ったのかは知らないが今回試すのはこれだ
ーーーーーーーーー
知識の倉庫
・脳が処理できない部分を自動でこの倉庫に移し、脳のオーバーヒートを抑える。このスキルを開けば必要な情報が脳に入ってくる。
・発動するその過程までを知識として記憶したものは全て行使できる。しかし、それらを行使するとき通常より倍の消費が必要である。
ーーーーーーーーー
最後のやつチートすぎてヤベェ。炎魔法を覚えてなくても火球を発動する過程までを知識として覚えていれば倍のMPで火球を習得してなくても使えるってことだからな。うん、チートだ。

「こんな能力があるから何も気にせずにどんどん知識を集めてくれ」
影4「なぁ。それを五人でするのか?」
影2「それは……キツイかなぁ」
影1「ブラック企業だ」
影5「ブラック企業は潰れるべき!」
「そんなこと言うなよ。じゃあ対価を用意するからさ。何か欲しいものはあるか?」
影全「……甘いものかな」
「……お前らって甘党か?」
影4「どっちかというと俺はミン党かな。場合によってミント系以外の甘いものも欲しくなるだけだ」
影5「俺は辛党だ場合によっては甘いものが食べたくなる」
影4、5「そして、今がその時だ!」
影3「はいはーい、カッコつけなくていいよー。それで何をくれるの?」
「うーんどんなが欲しいんだ?」
影1「この世界のことを俺たちはお前の記憶の中でしか知らねぇから情報集め終わった後でもいいか?」
「まぁそうだろうな。いいぞ、だがちゃんと甘いもの以外の知識も集めろよ」
影全「おう(は~い)!」

そう返事をして一瞬で消えた。

ーーーーーーーーー
作者より。
コメントより親父にもザマァをと案をいただいたのでほんの少しですが親父にも制裁を下しました。すぐに御陀仏になる予定ですが無意味ってことでもないので別にいいですよね。今度にでもそれについて閑話を出そうかと思ってます。
今後どんな行動をアストがとるのか……これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
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