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三章 復讐の始まり
6話 アスト、帝国ギルドへ
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俺たちは勇者の死に様を最後まで見送った後、死んだことが証明できる物を回収して帝国ギルドの近くの路地裏に転移した。ここに来る前にミリーナには転移で家に帰ってもらっている。
今の俺の気分は今までの最高に近いぐらい清々しく、興奮していた。
俺は興奮気味のままギルドの扉を開けた。
扉を開けると、筋肉の塊みたいなベテランぽいおっさんから真新しい剣や装備を身につけた新米までいろんな人がいた。
俺は一応気配を消し、今日来た時にもいた受付の人のところへ行く。
「依頼が完了した。手続きを頼む」
「あ、アラストールさん。随分早いですね。あ、それとギルドマスターが呼んでるので素材と一緒に持っていきましょう」
「分かった」
俺はそう返して彼女について奥へと入っていった。
少し奥に行き階段を上がった右側にギルドマスターの部屋はあった。
「『コンコン』キュールです。アラストールさんがお帰りになられたのでご案内しました」
「分かったわ。入っていいわよ」
中からそう返事が返って来たので俺は中に入っていった。
そこには他の椅子とは違い少し高級そうな椅子に腰を下ろしているギルドマスターがいた。
「キュールは仕事に戻りなさい」
「分かりました。失礼します」
俺が中に入ったことを確認するとギルマスはキュールという彼女に部屋を退出させた。
「改めましたてアラストールくん。私は冒険者ギルドカルッカ担当のアリスです。以後お見知り置きを」
彼女は朝とはまるで別人みたいな喋り方で俺に接して来た。
「それで、俺を呼んだのはどうしてだ」
俺はすでに分かりきっていることを聞く。
「貴方ならもう勘付いているでしょうに」
「まぁな。大方、この取引を表立ったことにしたくないんだろうな」
俺がそう言うと彼女は少し笑った。
迷宮のアジ・ダハーカは勇気がいっていた通りすごく強敵だ。SSS級冒険者でも死を覚悟するほどに強力な魔物を俺が短時間で一人で狩ったとすると受付はあんなにあっけらかんとはしていないはず。つまりはこのクエストの情報は俺とコイツ、あとは片手で数えるぐらいいるかどうかだろうな。
「ほとんど当たりよ。この取引は極秘を要するわ」
「何か企んでるのか?」
「…………貴方には教えてあげましょうか」
彼女は思いつめたような顔を一度伏せてから顔を上げこちらを真っ直ぐに見た。
「……勇者を、殺す道具を作るためよ」
俺はその言葉を聞いた瞬間。コイツらに怒りが込み上がってきた。
「ど、どうしたの」
「いや、ちょっとな。」
俺がそう言うとギルマスが手を出してきた。
「勇者を殲滅する会。どう?貴方も入る?」
「俺はソロでやってる」
「ソロであの勇者に勝とうなんてしてるの?。それなら早めに諦めた方がいいわ。あいつらは最低でもSランクの力があるし常にグループで動いているから。SSSランクの貴方でもきついものがあるはずよ」
「何言ってんだ?俺をアジ・ダハーカのところに送ったんだから俺を勇者より格上だと認めたんだろ?。今の勇者が束になってやっと勝てるやつを俺は単独討伐して来たんだぞ」
「あの子たちの中に化け物がいるのよ。常に実力を隠してるみたいだけどその子なら単独でアジ・ダハーカも倒せるわ」
「あー、なんかそんな奴いたな」
「知ってるのね。ええ、だから私たちはその子に勝つための魔道具を作成してるとこなのよ」
「ふぅーん。まぁどうでもいい。俺に勝てるやつはそういないからな」
「自信満々ね。どこからその自身が来るのかしら」
「それはそうと、お前はどうやってそのやばい奴の力を見極めたんだ?」
「私は固有能力の究極鑑定を持ってるの。その力はどんなことでも知ることができるの」
「ならそのスキルを俺に使ってみな」
「ふーん。そこまで自信があるのね。いいわ。貴方のステータスを見てあげる」
彼女はそう言った後、少々長いかなと感じる詠唱を唱えた。
「…………森羅万象よりこの世に存する全ての心理を我に教えたまえ。究極鑑定」
彼女がそう言うと彼女の目が青色から紫色に変わっていた。
「これが私の力よ。ではでは、早速……ってあれ?ステータスが…見れない?」
俺は最初にギルマスを見たときに何かされそうな感じがしたから、概念操作を使い俺に使われる鑑定を絶対に無効できるようにしておいたのだ。
「これが俺の力だ。俺の力を知ることはこの世界のどんな奴にもできない」
「……規格外そのものね。そんな貴方が仲間になってくれるのは心強いわ」
「仲間になるとは言ってねぇぞ」
「…………えっ?」
俺がそう返すとギルマスは素っ頓狂な声を上げて俺を見つめて来た。
今の俺の気分は今までの最高に近いぐらい清々しく、興奮していた。
俺は興奮気味のままギルドの扉を開けた。
扉を開けると、筋肉の塊みたいなベテランぽいおっさんから真新しい剣や装備を身につけた新米までいろんな人がいた。
俺は一応気配を消し、今日来た時にもいた受付の人のところへ行く。
「依頼が完了した。手続きを頼む」
「あ、アラストールさん。随分早いですね。あ、それとギルドマスターが呼んでるので素材と一緒に持っていきましょう」
「分かった」
俺はそう返して彼女について奥へと入っていった。
少し奥に行き階段を上がった右側にギルドマスターの部屋はあった。
「『コンコン』キュールです。アラストールさんがお帰りになられたのでご案内しました」
「分かったわ。入っていいわよ」
中からそう返事が返って来たので俺は中に入っていった。
そこには他の椅子とは違い少し高級そうな椅子に腰を下ろしているギルドマスターがいた。
「キュールは仕事に戻りなさい」
「分かりました。失礼します」
俺が中に入ったことを確認するとギルマスはキュールという彼女に部屋を退出させた。
「改めましたてアラストールくん。私は冒険者ギルドカルッカ担当のアリスです。以後お見知り置きを」
彼女は朝とはまるで別人みたいな喋り方で俺に接して来た。
「それで、俺を呼んだのはどうしてだ」
俺はすでに分かりきっていることを聞く。
「貴方ならもう勘付いているでしょうに」
「まぁな。大方、この取引を表立ったことにしたくないんだろうな」
俺がそう言うと彼女は少し笑った。
迷宮のアジ・ダハーカは勇気がいっていた通りすごく強敵だ。SSS級冒険者でも死を覚悟するほどに強力な魔物を俺が短時間で一人で狩ったとすると受付はあんなにあっけらかんとはしていないはず。つまりはこのクエストの情報は俺とコイツ、あとは片手で数えるぐらいいるかどうかだろうな。
「ほとんど当たりよ。この取引は極秘を要するわ」
「何か企んでるのか?」
「…………貴方には教えてあげましょうか」
彼女は思いつめたような顔を一度伏せてから顔を上げこちらを真っ直ぐに見た。
「……勇者を、殺す道具を作るためよ」
俺はその言葉を聞いた瞬間。コイツらに怒りが込み上がってきた。
「ど、どうしたの」
「いや、ちょっとな。」
俺がそう言うとギルマスが手を出してきた。
「勇者を殲滅する会。どう?貴方も入る?」
「俺はソロでやってる」
「ソロであの勇者に勝とうなんてしてるの?。それなら早めに諦めた方がいいわ。あいつらは最低でもSランクの力があるし常にグループで動いているから。SSSランクの貴方でもきついものがあるはずよ」
「何言ってんだ?俺をアジ・ダハーカのところに送ったんだから俺を勇者より格上だと認めたんだろ?。今の勇者が束になってやっと勝てるやつを俺は単独討伐して来たんだぞ」
「あの子たちの中に化け物がいるのよ。常に実力を隠してるみたいだけどその子なら単独でアジ・ダハーカも倒せるわ」
「あー、なんかそんな奴いたな」
「知ってるのね。ええ、だから私たちはその子に勝つための魔道具を作成してるとこなのよ」
「ふぅーん。まぁどうでもいい。俺に勝てるやつはそういないからな」
「自信満々ね。どこからその自身が来るのかしら」
「それはそうと、お前はどうやってそのやばい奴の力を見極めたんだ?」
「私は固有能力の究極鑑定を持ってるの。その力はどんなことでも知ることができるの」
「ならそのスキルを俺に使ってみな」
「ふーん。そこまで自信があるのね。いいわ。貴方のステータスを見てあげる」
彼女はそう言った後、少々長いかなと感じる詠唱を唱えた。
「…………森羅万象よりこの世に存する全ての心理を我に教えたまえ。究極鑑定」
彼女がそう言うと彼女の目が青色から紫色に変わっていた。
「これが私の力よ。ではでは、早速……ってあれ?ステータスが…見れない?」
俺は最初にギルマスを見たときに何かされそうな感じがしたから、概念操作を使い俺に使われる鑑定を絶対に無効できるようにしておいたのだ。
「これが俺の力だ。俺の力を知ることはこの世界のどんな奴にもできない」
「……規格外そのものね。そんな貴方が仲間になってくれるのは心強いわ」
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「…………えっ?」
俺がそう返すとギルマスは素っ頓狂な声を上げて俺を見つめて来た。
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