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三章 復讐の始まり

3話 アスト、技術を磨く

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扉を開け放ち中に入ると、扉が勝手に閉まり壁の松明に火がついた。
そして、この部屋の主人が姿を現わす。

『グルァァァァァァァァ!!』

その雄叫びは周りの空気を振動させ明らかに俺へと敵意を向けていた。

「ふぅー。……やるぞ!」

俺は一度深呼吸をした後、ステータスに枷をつけステータスを全てこいつを下回るようにした。
理由は単純明解。

俺は明らかに技術が足りてない。

神界でも武神さんなんかに武術を教えてもらったが、まだ足りない。

あれは全て武神さんの技術を俺が真似ているに過ぎない。

それだけだと強敵にはそのくせを見抜かれ対処法を編み出されてしまう。

だから俺は、対処法がない技を作ればいいと、そう思ったのだ。

一切の規則性を持たず、まるで生きてるかの如く相手を翻弄する剣捌き。

これが俺が今目指す最高の技。これができれば俺よりステータスが上回っていようが技術で補うことができると思う。

この間の鬼神の時に痛感した。
相手が強いなら、技術で補えばいいと。
だが結局、俺はスキルに頼ってしまった。

だから、次は俺だけの力で、技術で、強敵に勝ちたい。


だから、俺は駆ける。


死線をくぐり抜けたその先の強さへ。


何にでも負けない。強さを得る為に。


俺の大切なもの全てを守る為に。


俺は強くなる。


ミリーナを守るために、友を守るために、そして、今は亡き妹の復讐を果たすために。


アジ・ダハーカの下ろした爪を、俺はギリギリで躱しその腕を伝って背中に回る。

そこから背中に一閃。

だが、表面に少し傷が入ったほどでほとんどダメージが入ってなかった。

俺は続けざまに剣を振ろうとするがアジ・ダハーカは体を揺らし俺を無理やり落とした。
奴はそこを狙って、俺に向かって口から黒色の火炎放射をして来た。

俺は結界魔法でその技を受けたが数秒でひびが入ってしまう。俺は何度も何度も結界を貼り直し攻撃が止むとまたアジ・ダハーカの元に走る。

何度も何度も斬るを繰り返しやがてアジ・ダハーカのアキレス腱に決定打が入ってアジ・ダハーカは足で立つことができなくなりそのまま崩れ落ちてしまった。

俺はさらに斬りつけ、横から飛んでくる爪や尻尾を躱し、さらに斬りつけた。それを何度か続けてやっとアジ・ダハーカの撃退に成功した。
たまに爪や尻尾の攻撃を受けて瀕死になったりしたが、勝つことができた。
全身ボロボロで威厳なんていうのもあれだが全くしまってない。
でも、わずかでも、成長できたと思う。

ドロップアイテムは爪に牙に鱗に目に角に魔石に内蔵と様々なものが倍で出てきた。

そして、遂にダンジョン内にクズどもの気配を感じ取った。
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