上 下
16 / 250
一章 転移した先は

閑話3 武術の特訓

しおりを挟む
俺とメイドが闘技場に着くと既に武器を持ったクラスメイトがいた。なぜ自分より先に武器を持っているのか不思議だったがそいつらは昨日の自由時間の時に闘技場で特訓をしていた奴らなので納得した。

とりあえず俺は、エクスカリバーの性能が気になるから軽く素振りを始めた。結果、素振りだけではなにもわからず、みんな武器を選んで出て来た。みんなが揃ったところで、金髪蒼眼でフルプレートを着込んだイケメンが前に出てきた。

「僕が君たち勇者の武術特訓係になったホーネス・アルパートです。これから皆さん、よろしくお願いします」

彼が僕たちの武術の先生みたいだ。女子からは黄色い悲鳴が上がってる。まぁイケメンだからね。

「では皆さん、最初に体力をつけるために走りましょう。場内をそうですねぇ……10周ぐらいですかね。では皆さん頑張ってください。あ、これしなかったら無一文で国外追放かギロチンですからね。では頑張ってください」

ホーネス先生はそう言って俺たちに無理やり走らせた。無一文で国外追放は流石に嫌だな。どこぞの無能とおんなじ死に道だし。ギロチンとか……まだ死にたくないよ。
最初は嫌々走っていたが、一周走ってもあまり疲れずこれがステータスの恩恵かぁと思いみんなで調子に乗っていた。
その結果。

「あれ。皆さん余裕そうですねぇ。ならこれ付けてやってみましょう。あ、これもしなかったら串刺しの刑か火炙りの刑ですから」

 俺たちがちょうど6周目を終えて疲れて来たなぁと思っていたところにホーネス先生からの追い打ちで10キロと書かれたリュックを渡された。
そのまま俺たちは気合でそれを持ち残り4周を走った。
その時のみんな心の中が今ならわかる気がする。
『ホーネスさんマジ鬼畜だろ(でしょ⁉︎』
みんな喧嘩を売って勝てないと分かってるからへんなことをしようと言う人は幸いなかったら。あの人のことだから連帯責任とか言ってなんかまた増えそうだし。

「はい。皆さんよく頑張りましたね。では次は、ペアで腹筋…100と、腕立て伏せ…100にバービージャンプ…50ぐらいかな。やらないと足か腕が飛ぶから頑張ってね~」

ホーネスさんの有無も言わさない言葉と視線にみんなは渋々言う通りにした。

「97……98……99…………100!!はぁはぁ」

「よく頑張りましたね。では次は木剣で素振りと軽い模擬戦をしてみましょうか」

ホーネスさんがそう言うとみんなは喜んではいたがほとんどが死んだ目をしていた。俺は木剣を手に持って素振りを始めた。

「では皆さん、ペア組んでください。これから模擬戦を始めます」

ホーネスさんに剣の振り方をレクチャーをしてもらいながら素振りをしているとホーネスさんがそう言った。
俺は友達の葛城かつらぎ 綱星こうせいとペアを組んで軽く模擬戦を始めた。結果は俺の勝ちで終わった。

「もう時間ですので、次は魔法の訓練になります。私は戻りますが皆さんはこのままでいてください。すぐに来ると思うので」

太陽が真上に登りかけた時にホーネスさんはそう言ってどこかへ行ってしまった。
俺たちは魔法の先生が来るまで他愛ない話をして待っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

このステータスプレート壊れてないですか?~壊れ数値の万能スキルで自由気ままな異世界生活~

夢幻の翼
ファンタジー
 典型的な社畜・ブラックバイトに翻弄される人生を送っていたラノベ好きの男が銀行強盗から女性行員を庇って撃たれた。  男は夢にまで見た異世界転生を果たしたが、ラノベのテンプレである神様からのお告げも貰えない状態に戸惑う。  それでも気を取り直して強く生きようと決めた矢先の事、国の方針により『ステータスプレート』を作成した際に数値異常となり改ざん容疑で捕縛され奴隷へ落とされる事になる。運の悪い男だったがチート能力により移送中に脱走し隣国へと逃れた。  一時は途方にくれた少年だったが神父に言われた『冒険者はステータスに関係なく出来る唯一の職業である』を胸に冒険者を目指す事にした。  持ち前の運の悪さもチート能力で回避し、自分の思う生き方を実現させる社畜転生者と自らも助けられ、少年に思いを寄せる美少女との恋愛、襲い来る盗賊の殲滅、新たな商売の開拓と現実では出来なかった夢を異世界で実現させる自由気ままな異世界生活が始まります。

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました

夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」  命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。  本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。  元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。  その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。  しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。 といった序盤ストーリーとなっております。 追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。 5月30日までは毎日2回更新を予定しています。 それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】 僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。 そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。 でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。 死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。 そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。

クラスメイトのなかで僕だけ異世界転移に耐えられずアンデッドになってしまったようです。

大前野 誠也
ファンタジー
ー  子供頃から体の弱かった主人公は、ある日突然クラスメイトたちと異世界に召喚されてしまう。  しかし主人公はその召喚の衝撃に耐えきれず絶命してしまった。  異世界人は世界を渡る時にスキルという力を授かるのだが、主人公のクラスメイトである灰田亜紀のスキルは死者をアンデッドに変えてしまうスキルだった。  そのスキルの力で主人公はアンデッドとして蘇ったのだが、灰田亜紀ともども追放されてしまう。  追放された森で2人がであったのは――

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

処理中です...