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一章 転移した先は

32話 合格(少し話が増えました)

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俺が家に帰って元の姿になったあと家の掃除や武器の整備やお菓子作りをしていたら、ミリーナが王国の馬車で帰ってきた。ここまでの道は俺が整備して魔物を一切近寄らせないようにしたから安全になっている。まぁちゃんと条件がいるが。

「お帰り、ミリーナ」
「ただいまアスト……さん」
「惜しい。まぁ慣れるようにね」
「はい」

そのあとは二人で俺の作ったお菓子を食べながらお茶をして過ごした。因みに、作ったのはショートケーキだ。

その日の職員会議。
「えーと。今日の報告を聞かせてもらおうか」
その人物の声に反応するようにインテリ先生が発言した。
「はい。今年の生徒は基本的にレベルが高く平均点がどれも70点台でした。特に、全教科満点でしたのが一人おられます」
「ほぅー。その子の名前は?」
「アラストールというものです」
インテリ先生がそういうと他にいた二人の先生がその名前に反応した。
「ん?二人も何か知ってるのかい」
「あ、はい。そのアラストールという坊主と模擬戦をして一瞬で負けました」
「なっ⁉︎」
「私も、彼の魔法を見た瞬間私の手に負えないと思いました」
「そ、そうか。で、どういった武器や魔法を使うんだ?」
「私と模擬戦をした時は短剣を使っていましたが始まったすぐに意識を刈り取られました。魔法は使ってなかったと思います」
「魔法は氷魔法と雷魔法を使用してレベル8の氷魔法とレベル7の雷魔法を無詠唱で使用してました」
「む、無詠唱だと……それに一瞬でそんなことが……ふふふ、今年の一年生は面白そうだ」
職員の話を聞き、一人笑みをこぼしながら外を眺める人物を不思議そうに見る職員たちがそこにはいた。

それから一週間。

学園の合否が決定したから俺たちは二人で見に行くことになった。

「おんなじクラスだといいな」
「おんなじクラスですよ。ずっと」
「どうしてだ?」
「そういう風にお父様にお願いしたので」

衝撃の事実を耳にした後俺たちは学園に到着した。いやまぁ、護衛も兼ねてるからおんなじクラスなのは当たり前だけどこれこそ職権乱用じゃないか?。

俺たちは二人で馬車を降り順位板のところまで歩いた。
途中でいろんなところから視線や黄色い声が聞こえてきたが全部無視してきた。

目標の順位板に着いてからその板をしたから下から順番に見ていく。

「なかなかないな」
「アスト、あれあれ」
「ん?」

ミリーナが指を指す方を見ると。
ーーーーーーーーーー
首席・アラストール・エリーニュス      700/500
次席・ミラン・デクマサ                       440/500
三席・コードル・アランデスタ             430/500
四席・ホックマ・デリス                        410/500
五席・ミリーナ・サンデル・グラント  400/500


ーーーーーーーーーー
とあった。俺の名字のエリーニュスは復讐の女神って意味だ。

「えっ⁉︎首席⁉︎」
「アストすごい!。首席ですよ」
「ありがとうミリーナ。ミリーナもすごいよ」
「あ、ありがとうアスト」

この数値は先生が全部決めているから先生を超えた俺は得点が規格外になったんだろうか。
周りから男子の嫉妬や妬みの視線を受けながら俺たちはお互いでお互いを褒め称えて帰路についた。
上から俺を眺めている人物を警戒しながら。

〇〇side。
「あの子か~。特段強そうに見えないけど……今度呼び出しでもしましょうか」
空の上にいる女性はそう言って学園側に戻っていった。

〇〇side。
「おい。すぐ下にいる女。いい実験台になりそうじゃねぇか。鍛えたらランクは大体SSぐらいだが今はAぐらいだな。俺らとコーグ足したらいけるだろ」
全身を覆うようなでかいクロフードを被った二人のうち一人が相手にそういった。
「そうですねぇ。ですが、もう一人いるあの男の子。あの子も強いですよ。魔力が全く漏れてません」
その男が言う通り、魔力を持つものはほんの少しだが魔力が体から漏れ出ているのだ。それを一切漏れださせていない者は相当の強者か魔力を持たない特殊体質かのどちらかしかいない。
「俺たちだけで勝てるか?」
「もしかしたら、魔王様と同格かと思われますねぇ」
「なっ⁉︎。急いで報告に戻るぞ!」
「分かりました」
男二人は話し合いを終わらせたあと姿を消した。
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