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芯しん亭
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仲良くなったわけではないが、協力しないと仕事が終わらないから仲居さんたちは私を邪魔者扱いしなかった。しぶしぶ仕事も教えてくれる。配膳からお客様に頭を下げる位置、着物での立ち振る舞いまで。
部屋の掃除や布団式は二人一組で動くことが多い。確認を怠らないためである。いつもは麻美さんと一緒なのだが、今日は澪さん。
「澪さん、よろしくお願いします」
「はい」
麻美さんは話しながら仕事をする人だが澪さんは無言。鼻歌もなし。サクサクと仕事をこなす人だ。和室なので小さいほうきで掃くのだが、あっちからこっちへと無駄がない。
「澪さん、トイレの掃除終わりました」
「備品の確認もお願い」
「はい」
少し年上で、頼りになる澪さん。実際に姉がいるけど、長い髪を結った澪さんは近所の憧れのお姉さんという感じ。珠絵ちゃんはかわいい妹みたい。その珠絵ちゃんから、
「瑠莉さん、あなた気をつけたほうがいいわよ」
と忠告をされる。
「どういう意味?」
「そのうちわかるわ」
予言だろうか。
気にしようにも多忙ですぐに忘れてしまった。
あまりの忙しさに自分が修行中であることも忘れた。眠れるだけいい。私が忙しく働く芯しん亭は地獄の門前にあり亡くなった人のみ泊まれるお宿です。
部屋の掃除や布団式は二人一組で動くことが多い。確認を怠らないためである。いつもは麻美さんと一緒なのだが、今日は澪さん。
「澪さん、よろしくお願いします」
「はい」
麻美さんは話しながら仕事をする人だが澪さんは無言。鼻歌もなし。サクサクと仕事をこなす人だ。和室なので小さいほうきで掃くのだが、あっちからこっちへと無駄がない。
「澪さん、トイレの掃除終わりました」
「備品の確認もお願い」
「はい」
少し年上で、頼りになる澪さん。実際に姉がいるけど、長い髪を結った澪さんは近所の憧れのお姉さんという感じ。珠絵ちゃんはかわいい妹みたい。その珠絵ちゃんから、
「瑠莉さん、あなた気をつけたほうがいいわよ」
と忠告をされる。
「どういう意味?」
「そのうちわかるわ」
予言だろうか。
気にしようにも多忙ですぐに忘れてしまった。
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