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桃山の戴冠式
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『先日の討伐相助かりました。10も歳上のあなた様を兄と思える日は来ないと思うておりましたが、我が軍の兵士が陣地の近い当方にお立ち寄りくださいと伝え際、「妻が待っている故」と帰ってしまわれたそうで、かわいらしいなと感じました。リンネット姉様と仲睦まじいご様子なによりでございます』
フレディからの手紙をコットがぶすっとした顔で目を通す。
「女みたいな文章だ」
「フレディは顔も母様に似ているわ。他が女ばかりのきょうだいだからしょうがないのよ。でもいろんなことに詳しいのよ。本も好きだし計算も速い」
しっかりしている部分もある。
「自慢の弟か?」
「ええ。というか、討伐なんて私、聞いてませんよ」
コットったら、そういう危険なことは私に話してくれないのだ。
紅山の北側に蒼山の領地と接しているところがあるからきっとあそこに行ったに違いない。そういえば先週、6日ほど留守にしたことがあった。
「賊を追い払っただけだ、そう怒るな。おいで、リンネット」
「今日はだめ」
とベッドに入って背を向ける。
「なぜだ?」
怒ってるわけじゃない。だめなものはだめなの。
それなのにコットがうしろから抱きしめて首筋を甘噛みする。
「だめ。やめて、コット」
「リンネット」
コットの手を制止したいのに、ずんずん秘部に近づいてくる。
「だめ、血がついちゃう」
指に血がついて、やっと自分の愚かさに気づいたらしい。
「すまない」
「手、洗ってらして」
「うん」
コットに羽交い絞めにされても、えいって跳ねのけられるくらい私が怪力になったらいいのだろうか。
「ごめんなさい。一緒に眠るのはいいか?」
とうんと甘い声で言うのはずるいですよ。
「あなたのベッドだもの、どうぞご自由に」
生理のときは眠いからもううとうと。
「リンネット、怒らないで。そなたを好きだなと思うと自分をどんどん嫌いになる」
「私は反対だわ。あなたを好きになるほど自分も好きになる。元々の自己肯定の問題かしらね。終わったら言うから。私は短いほうなのよ。エリー姉様なんて10日近くも…」
「リンネット、眠ってしまったのか? そなたの自慢の夫になりたい」
もうなってるわよ。力持ちだし。そう言ってあげたいけど眠さにはかなわない。
蒼山の父には宰相がいて、政治のことは右大臣と左大臣もいた。コットは全部やっている。すごいなって思ってるわ。確か桃山には閣僚なる頭のいい人たちが集まっているのよね。エリー姉様が嫁いだ霧山はわからないけれど、ベルダ姉様の金山には政府という機関があるらしい。
コットは偉いわ。
私は書物を読むのは嫌いじゃないけど、長い小説とか歴史は苦手。花の名前を一番知っているのはサイカ姉様だった。ベルダ姉様は走るのが速くて、エリー姉様は巨乳。私に特技なんてあるのかしら。
王妃だから掃除も洗濯もさせてくれない。蒼山のときはサシャが手伝わせてくれたのに、こっちでは料理くらい。
暇だから空を見上げながらコットのことばかり考えちゃう。私にもあった、得意なこと。コットを手なずけることだった。
だってコットは簡単なんだもの。私が笑っていれば機嫌がいい。
仕事で出かけているはずなのに単独で馬を走らせて帰ってくる。
「リンネットが見つめてくれるなんてお昼に戻って来たかいがあったな」
コットが体も大きいからコット用の馬も大きくて、王様なのに一人で帰ってきてしまったらしい。
「遠出だったの?」
「ああ、彦山まで。特産のハチミツだよ」
彦山は紅山より北の小国。珍しいものがたくさんある面白いお山だ。楽器をたくさん作っているのに他国には輸出したことがないからコットに間に入ってほしいようだった。
私以外にも信頼されているのね。
私は外で昼食の予定だったから、慌ててコットの分が用意される。
「ありがとう。もらったばかりだけどこのパンにつけていい?」
ハチミツは私が知っているものより色が濃い。
「もちろん」
「蒼山ではね、もらったものをその場で開けるのは不作法とされたわ」
「そうなのか? もっと早く言ってくれ。うちはすぐに開けたほうが相手方が喜ぶと思っているからベルダ様にもらったものを出してしまったぞ」
「ベルダ姉様は気にしないタイプよ」
ハチミツって一度垂らすとやめ時がわからない。
「妻のために夫が出先で買ってきたものだ。どうぞ、お食べなさい」
馬小屋のほうが騒がしいから今頃コットの護衛たちも戻ってきたのね。
「コットも食べるでしょう? うーん、色だけじゃなくて味も濃いわ」
コットも最近はキュリナに髪を切ってもらっている。ツンツン頭なのよね。嫌いじゃないけど、王様なのだからこうぐるんとカールしたり、フレディみたいにいかにも王子も悪くないわね。
私って、比較対象が家族しかいない。
コットの護衛たちが私に気づいて手を振ってくれる。私は振り返すけれどコットが顔を出すとみんなそそくさと逃げていった。
バーリーさんも昼食を邪魔してはまずいと思ったのか手紙だけ置いて去る。
「コット、そろそろ冬に向けてすることが多いのでは? 木の幹を囲ったり、食料を確保したり」
蒼山ではそうしていた。
コットは、
「ああ」
と空返事。
書簡に目を通して、
「リンネット、父上様に手紙を書いてくれぬか?」
と言った。
「私が?」
桃山で戴冠式があるらしい。
「だから道中一泊させていただきたい。蒼山を過ぎると桃山までは荒れ地だ。悪党も多いから野営をしたくない。招待状が来たので行かぬわけにもゆかぬ」
サイカ姉様との結婚のときは書簡だけだったのに。いろいろ付き合いがあるのね。王様って大変。
「もちろん、いいわよ」
コットのお役に立てるなんて初めてのこととじゃないかしら。父様よりもフレディのほうが気を使っていろいろ手を回してくれそうだけど、これはお山同士の正式なやりとりということよね。
『そういうわけなの。父様、よろしくお願いします』
「コット、書いたわ」
「うん、ありがとう。思ったのだが、リンネットも一緒に行くのはどうだろうか? リンネットは桃山に行かず、蒼山にいればよい」
コットが考えながら話す。
「いいのかしら? 私、これでも王妃よ。あなたがいないならちゃんと留守番をして紅山を守りたいわ」
「一度も里帰りをしていないのだ。リンネットも故郷が恋しいだろう? 周りの者には私から言っておこう」
コットはそれを気にしているようだ。
「本当にいいの? 本当に? まずはアンナに聞いてみるわ。アンナ、どう思う?」
遠くにいたアンナを呼び寄せて事情を話す。
「いいのではないでしょうか?」
嬉しい。
もしかしたらもう一生帰ることはないのではないかと思っていた。また途中で足が痛くなったらどうしよう。でも蒼山から紅山に来るときは大丈夫だったのだ。なによりもコットと出かけるのが嬉しい。
いざ、蒼山へ。
フレディからの手紙をコットがぶすっとした顔で目を通す。
「女みたいな文章だ」
「フレディは顔も母様に似ているわ。他が女ばかりのきょうだいだからしょうがないのよ。でもいろんなことに詳しいのよ。本も好きだし計算も速い」
しっかりしている部分もある。
「自慢の弟か?」
「ええ。というか、討伐なんて私、聞いてませんよ」
コットったら、そういう危険なことは私に話してくれないのだ。
紅山の北側に蒼山の領地と接しているところがあるからきっとあそこに行ったに違いない。そういえば先週、6日ほど留守にしたことがあった。
「賊を追い払っただけだ、そう怒るな。おいで、リンネット」
「今日はだめ」
とベッドに入って背を向ける。
「なぜだ?」
怒ってるわけじゃない。だめなものはだめなの。
それなのにコットがうしろから抱きしめて首筋を甘噛みする。
「だめ。やめて、コット」
「リンネット」
コットの手を制止したいのに、ずんずん秘部に近づいてくる。
「だめ、血がついちゃう」
指に血がついて、やっと自分の愚かさに気づいたらしい。
「すまない」
「手、洗ってらして」
「うん」
コットに羽交い絞めにされても、えいって跳ねのけられるくらい私が怪力になったらいいのだろうか。
「ごめんなさい。一緒に眠るのはいいか?」
とうんと甘い声で言うのはずるいですよ。
「あなたのベッドだもの、どうぞご自由に」
生理のときは眠いからもううとうと。
「リンネット、怒らないで。そなたを好きだなと思うと自分をどんどん嫌いになる」
「私は反対だわ。あなたを好きになるほど自分も好きになる。元々の自己肯定の問題かしらね。終わったら言うから。私は短いほうなのよ。エリー姉様なんて10日近くも…」
「リンネット、眠ってしまったのか? そなたの自慢の夫になりたい」
もうなってるわよ。力持ちだし。そう言ってあげたいけど眠さにはかなわない。
蒼山の父には宰相がいて、政治のことは右大臣と左大臣もいた。コットは全部やっている。すごいなって思ってるわ。確か桃山には閣僚なる頭のいい人たちが集まっているのよね。エリー姉様が嫁いだ霧山はわからないけれど、ベルダ姉様の金山には政府という機関があるらしい。
コットは偉いわ。
私は書物を読むのは嫌いじゃないけど、長い小説とか歴史は苦手。花の名前を一番知っているのはサイカ姉様だった。ベルダ姉様は走るのが速くて、エリー姉様は巨乳。私に特技なんてあるのかしら。
王妃だから掃除も洗濯もさせてくれない。蒼山のときはサシャが手伝わせてくれたのに、こっちでは料理くらい。
暇だから空を見上げながらコットのことばかり考えちゃう。私にもあった、得意なこと。コットを手なずけることだった。
だってコットは簡単なんだもの。私が笑っていれば機嫌がいい。
仕事で出かけているはずなのに単独で馬を走らせて帰ってくる。
「リンネットが見つめてくれるなんてお昼に戻って来たかいがあったな」
コットが体も大きいからコット用の馬も大きくて、王様なのに一人で帰ってきてしまったらしい。
「遠出だったの?」
「ああ、彦山まで。特産のハチミツだよ」
彦山は紅山より北の小国。珍しいものがたくさんある面白いお山だ。楽器をたくさん作っているのに他国には輸出したことがないからコットに間に入ってほしいようだった。
私以外にも信頼されているのね。
私は外で昼食の予定だったから、慌ててコットの分が用意される。
「ありがとう。もらったばかりだけどこのパンにつけていい?」
ハチミツは私が知っているものより色が濃い。
「もちろん」
「蒼山ではね、もらったものをその場で開けるのは不作法とされたわ」
「そうなのか? もっと早く言ってくれ。うちはすぐに開けたほうが相手方が喜ぶと思っているからベルダ様にもらったものを出してしまったぞ」
「ベルダ姉様は気にしないタイプよ」
ハチミツって一度垂らすとやめ時がわからない。
「妻のために夫が出先で買ってきたものだ。どうぞ、お食べなさい」
馬小屋のほうが騒がしいから今頃コットの護衛たちも戻ってきたのね。
「コットも食べるでしょう? うーん、色だけじゃなくて味も濃いわ」
コットも最近はキュリナに髪を切ってもらっている。ツンツン頭なのよね。嫌いじゃないけど、王様なのだからこうぐるんとカールしたり、フレディみたいにいかにも王子も悪くないわね。
私って、比較対象が家族しかいない。
コットの護衛たちが私に気づいて手を振ってくれる。私は振り返すけれどコットが顔を出すとみんなそそくさと逃げていった。
バーリーさんも昼食を邪魔してはまずいと思ったのか手紙だけ置いて去る。
「コット、そろそろ冬に向けてすることが多いのでは? 木の幹を囲ったり、食料を確保したり」
蒼山ではそうしていた。
コットは、
「ああ」
と空返事。
書簡に目を通して、
「リンネット、父上様に手紙を書いてくれぬか?」
と言った。
「私が?」
桃山で戴冠式があるらしい。
「だから道中一泊させていただきたい。蒼山を過ぎると桃山までは荒れ地だ。悪党も多いから野営をしたくない。招待状が来たので行かぬわけにもゆかぬ」
サイカ姉様との結婚のときは書簡だけだったのに。いろいろ付き合いがあるのね。王様って大変。
「もちろん、いいわよ」
コットのお役に立てるなんて初めてのこととじゃないかしら。父様よりもフレディのほうが気を使っていろいろ手を回してくれそうだけど、これはお山同士の正式なやりとりということよね。
『そういうわけなの。父様、よろしくお願いします』
「コット、書いたわ」
「うん、ありがとう。思ったのだが、リンネットも一緒に行くのはどうだろうか? リンネットは桃山に行かず、蒼山にいればよい」
コットが考えながら話す。
「いいのかしら? 私、これでも王妃よ。あなたがいないならちゃんと留守番をして紅山を守りたいわ」
「一度も里帰りをしていないのだ。リンネットも故郷が恋しいだろう? 周りの者には私から言っておこう」
コットはそれを気にしているようだ。
「本当にいいの? 本当に? まずはアンナに聞いてみるわ。アンナ、どう思う?」
遠くにいたアンナを呼び寄せて事情を話す。
「いいのではないでしょうか?」
嬉しい。
もしかしたらもう一生帰ることはないのではないかと思っていた。また途中で足が痛くなったらどうしよう。でも蒼山から紅山に来るときは大丈夫だったのだ。なによりもコットと出かけるのが嬉しい。
いざ、蒼山へ。
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