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薔薇園でのお茶会。
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冬だというのにその場所はとても暖かくて。
色とりどりの花が咲き乱れるそこは、まるで真夏の楽園のようにも感じる。
ガラスに覆われたそこには優しい陽の光がキラキラと差し込み、そしてそのひかりがゆったりと降り注ぐ中央には白く輝くガーデンテーブルが令嬢たちを待っているようだった。
「ごきげんよう。本日はお招き感謝致します」
「まあお義姉様お久しぶりですわ。さあこちらにお席をご用意いたしておりますから、どうぞお掛けになって」
そうエヴァンジェリンに案内されたのは彼女の隣の席。
その反対側の隣りには、すでに一人の令嬢が腰掛けていた。
「貴女が噂のスタンフォード侯爵夫人ね? 聖緑祭が無事に終えることができたのも貴女のおかげと聞いていたわ。ありがとう」
(はう! まさかこの方!)
「お義姉様は初めてよね? こちらは聖女宮の聖女を務めていらっしゃるアウレリア王女殿下。うちの公爵家の嫡男の婚約者でもあるの」
「はう。お初にお目にかかりますシルフィーナと申します。どうぞよろしくお願い致します」
「ふふ、そう固くならなくてもいいわ。春にはあたくしはジークヴァルド様と結婚してこのロックフェラー家の一員になるのですもの。貴女とも縁戚になるのですし」
まあそう言われても、と、思ったけれど言葉に詰まる。
気さくな王女様だなぁとは感じた。ああ、この方があの綺麗な舞を踊っていらした聖女様。
そう思い至ったシルフィーナ、
「聖緑祭の折の舞台の舞は素敵でした。わたくしはずっと田舎で過ごしておりましたから観るのは初めてで」
と、声に出していた。
「そうなのね。よかったわ」
と、そっけなく返事をするアウレリア。
花が咲き乱れるこの温室は、このロックフェラー公爵家の自慢の一つで。
他に類を見ないほどの広さと花の種類を誇っている。
特にこの中央のこの場所は季節によって角度によって様々な景色が楽しめるとあって、今までも幾度となく披露されてきた。
そんな中でも、特に今日のこの日に合わせて設えた薔薇。
赤やピンクの宝石のような薔薇が、ガーデンテーブルの周囲に綺麗に咲き誇って。
その芳しい匂いと共に、観るものの目を釘付けにする。
シルフィーナの他に10人ほど集まった貴婦人たちはみな、その薔薇の美しさに目を奪われていた。
今日の集まりはアウレリアが今後実質このロックフェラー家のこうした催しの主催となる事を披露する意味もあったようで、わりあいと彼女と歳の近い夫人が多かった。
みな家柄は侯爵家に伯爵家。
子爵以下の貴族は今回は招待されていない様子で。
これも、エヴァンジェリンにより選別されたアウレリアの友人候補と言うことなのだろうか。
若い令嬢特有の華美な言動は無いものの、落ち着いた雰囲気でお茶やお菓子をいただく。
そんな談笑がしばらく続いた後、だった。
「シルフィーナさまは、聖女というお仕事に興味はございませんか?」
と、そうアウレリアが囁くような小声で尋ねた。
色とりどりの花が咲き乱れるそこは、まるで真夏の楽園のようにも感じる。
ガラスに覆われたそこには優しい陽の光がキラキラと差し込み、そしてそのひかりがゆったりと降り注ぐ中央には白く輝くガーデンテーブルが令嬢たちを待っているようだった。
「ごきげんよう。本日はお招き感謝致します」
「まあお義姉様お久しぶりですわ。さあこちらにお席をご用意いたしておりますから、どうぞお掛けになって」
そうエヴァンジェリンに案内されたのは彼女の隣の席。
その反対側の隣りには、すでに一人の令嬢が腰掛けていた。
「貴女が噂のスタンフォード侯爵夫人ね? 聖緑祭が無事に終えることができたのも貴女のおかげと聞いていたわ。ありがとう」
(はう! まさかこの方!)
「お義姉様は初めてよね? こちらは聖女宮の聖女を務めていらっしゃるアウレリア王女殿下。うちの公爵家の嫡男の婚約者でもあるの」
「はう。お初にお目にかかりますシルフィーナと申します。どうぞよろしくお願い致します」
「ふふ、そう固くならなくてもいいわ。春にはあたくしはジークヴァルド様と結婚してこのロックフェラー家の一員になるのですもの。貴女とも縁戚になるのですし」
まあそう言われても、と、思ったけれど言葉に詰まる。
気さくな王女様だなぁとは感じた。ああ、この方があの綺麗な舞を踊っていらした聖女様。
そう思い至ったシルフィーナ、
「聖緑祭の折の舞台の舞は素敵でした。わたくしはずっと田舎で過ごしておりましたから観るのは初めてで」
と、声に出していた。
「そうなのね。よかったわ」
と、そっけなく返事をするアウレリア。
花が咲き乱れるこの温室は、このロックフェラー公爵家の自慢の一つで。
他に類を見ないほどの広さと花の種類を誇っている。
特にこの中央のこの場所は季節によって角度によって様々な景色が楽しめるとあって、今までも幾度となく披露されてきた。
そんな中でも、特に今日のこの日に合わせて設えた薔薇。
赤やピンクの宝石のような薔薇が、ガーデンテーブルの周囲に綺麗に咲き誇って。
その芳しい匂いと共に、観るものの目を釘付けにする。
シルフィーナの他に10人ほど集まった貴婦人たちはみな、その薔薇の美しさに目を奪われていた。
今日の集まりはアウレリアが今後実質このロックフェラー家のこうした催しの主催となる事を披露する意味もあったようで、わりあいと彼女と歳の近い夫人が多かった。
みな家柄は侯爵家に伯爵家。
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これも、エヴァンジェリンにより選別されたアウレリアの友人候補と言うことなのだろうか。
若い令嬢特有の華美な言動は無いものの、落ち着いた雰囲気でお茶やお菓子をいただく。
そんな談笑がしばらく続いた後、だった。
「シルフィーナさまは、聖女というお仕事に興味はございませんか?」
と、そうアウレリアが囁くような小声で尋ねた。
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