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聖女アウレリア。
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聖女、アウレリア・コット・アルメルセデスは現王オクタビアヌスの娘、第三王女である。
来春にはロックフェラー公爵家の嫡男、ジークヴァルドとの婚姻が控えている。
聖女は淑女が婚姻するまでのお役目と決まっているから、アウレリアが聖女でいられるのもジークヴァルドとの結婚式までの間のこと。
いや、実際にはその前に、新しい聖女に引き継がなくてはいけなくなるだろう。
しかし。
幼い頃からの親同士の約束とはいえ、アウレリア自身はもう少し聖女を続けていきたいつもりもあった。
(あたくしが一番聖女をうまくやれるのですもの)
そういう自負もある。
貴族院での成績もいつも上位にいたし聖剣の舞の練習も頑張った。
一年間、神官総出で、そして民からも集めた真那。
それを舞いによって一つにまとめ上げ、天に還す。
これもアウレリアより優雅にこなせるものはまだ見たことが無い。
それに何よりも、自分には『癒しの加護』がある。
神から与えられる加護のうち、癒しの加護を持つものは少ない。
(あたくしには、命のキュア。金のキュアの加護があるのですもの)
癒しを司る金のキュアと心を通じることで、彼女は高度な回復魔法を行使することができた。
流石に過去の大聖女であれば可能であったという欠損部位の全回復までの力はないものの、それでも今のこの国で、彼女以上に回復魔法が扱えるものはいなかった。
(今のあたくしは、エデリーンおばさまにも負けないはずですわ。だから本当はもっと……)
続けたい。
できれば結婚などしないでこのまま聖女を続けたい。
そうおもわずにいられなかった。
♢
あまたの時の彼方におられる神は、この世界にお子達をお遣わしになった。
火のアーク。
水のバアル。
風のアウラ。
土のオプス。
これら四大元素の子らと。
時のエメラ。
漆黒のブラド。
金のキュア。
光のディン。
これらの四大天使の子らを。
物質の化学変化に干渉するアーク。
物質の温度変化に干渉するバアル。
空間の位相、位置エネルギーに干渉するアウラ。
そして、それらの物質そのもの、この空間に物質を創造し生み出すことのできるオプス。
時空を司るエメラ。
漆黒の、闇、重力を司るブラド。
全ての命の源。金のキュア。
光の、エネルギーそのものを司る、ディン。
そしてそれら神の子等、彼らと心を通じその力を借りることのできる力。
それが、加護であり、その力を数値で表したものが魔力特性値と呼ばれている。
人はその魂に眠る真那を、その加護を通じて神の子に与え、力を得る。
それが魔力であり、魔法と呼ばれるものだったのだ。
もちろん。
人はその魔力の源、真那を放出するだけではなく、高度な魔法術式や魔法詠唱の研究に余念が無く。
そういった術式や詠唱により、より複雑な魔術を行使することもできるようにもなっていた。
神の子等の力を借りるには高い魔力特性値が必要になるけれど、術式や詠唱を駆使した魔術は、それを補う意味もあったのだ。
来春にはロックフェラー公爵家の嫡男、ジークヴァルドとの婚姻が控えている。
聖女は淑女が婚姻するまでのお役目と決まっているから、アウレリアが聖女でいられるのもジークヴァルドとの結婚式までの間のこと。
いや、実際にはその前に、新しい聖女に引き継がなくてはいけなくなるだろう。
しかし。
幼い頃からの親同士の約束とはいえ、アウレリア自身はもう少し聖女を続けていきたいつもりもあった。
(あたくしが一番聖女をうまくやれるのですもの)
そういう自負もある。
貴族院での成績もいつも上位にいたし聖剣の舞の練習も頑張った。
一年間、神官総出で、そして民からも集めた真那。
それを舞いによって一つにまとめ上げ、天に還す。
これもアウレリアより優雅にこなせるものはまだ見たことが無い。
それに何よりも、自分には『癒しの加護』がある。
神から与えられる加護のうち、癒しの加護を持つものは少ない。
(あたくしには、命のキュア。金のキュアの加護があるのですもの)
癒しを司る金のキュアと心を通じることで、彼女は高度な回復魔法を行使することができた。
流石に過去の大聖女であれば可能であったという欠損部位の全回復までの力はないものの、それでも今のこの国で、彼女以上に回復魔法が扱えるものはいなかった。
(今のあたくしは、エデリーンおばさまにも負けないはずですわ。だから本当はもっと……)
続けたい。
できれば結婚などしないでこのまま聖女を続けたい。
そうおもわずにいられなかった。
♢
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これら四大元素の子らと。
時のエメラ。
漆黒のブラド。
金のキュア。
光のディン。
これらの四大天使の子らを。
物質の化学変化に干渉するアーク。
物質の温度変化に干渉するバアル。
空間の位相、位置エネルギーに干渉するアウラ。
そして、それらの物質そのもの、この空間に物質を創造し生み出すことのできるオプス。
時空を司るエメラ。
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全ての命の源。金のキュア。
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そしてそれら神の子等、彼らと心を通じその力を借りることのできる力。
それが、加護であり、その力を数値で表したものが魔力特性値と呼ばれている。
人はその魂に眠る真那を、その加護を通じて神の子に与え、力を得る。
それが魔力であり、魔法と呼ばれるものだったのだ。
もちろん。
人はその魔力の源、真那を放出するだけではなく、高度な魔法術式や魔法詠唱の研究に余念が無く。
そういった術式や詠唱により、より複雑な魔術を行使することもできるようにもなっていた。
神の子等の力を借りるには高い魔力特性値が必要になるけれど、術式や詠唱を駆使した魔術は、それを補う意味もあったのだ。
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