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あじさい。【弓坂×小山】
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私小山は見てしまった。
弓坂君が他の女の人と仲良くデートしているところを。
今日は塾があるからお昼に家を出た。
6月で梅雨入り前だが、しとしとと雨が降っていた。
塾に行くまでの間に小さな商店街を通る。
ここはいつも賑わっていて、下町の風情を感じる。
今日も雨が降っているにも関わらず、多くの人で賑わっている。
事件はここで起きた。
今が見頃の綺麗なあじさいが店頭に置かれたお花屋さんに入っていく男女2人組。
男性は弓坂君だった。
女性は見知らぬ大人っぽい人だった。
なんとも仲睦まじい様子。
女性が「剛」と、弓坂君の名前を呼ぶのが聞こえた。
そんな関係の女性がいたことにショックを受ける。
あじさいの花言葉は「移り気」「浮気」。
付き合ってまだ1ヶ月とちょっと。
もう弓坂君は他の女性に気が移ってしまったようだ。
悲しくて虚しくて辛くて、涙がツーっと頬を伝う。
弓坂君と一瞬だけ目が合ってしまった。
これ以上見ていられない。
そう思った私は一目散に走り出した。
おかげ様で塾での勉強に集中できなかった。
弓坂君は、もう私への気持ちは無くなったのだろうか。
もしそうじゃなくても、浮気をするような人とはお付き合いはできない。
私は断腸の思いで別れを決意した。
さよなら、私の短い恋。
さよなら、大好きな弓坂君。
塾の帰り道、先程の商店街を通っていると花屋の前で弓坂君が立っていた。
商店街はもう真っ暗で、他に人の気配はない。
「よお、小山。帰りか。」
「弓坂君どうしたの。こんな時間に。」
「いや、なんだ、小山に勘違いさせている気がしてな。」
白々しい。
今さら何を言ってるんだろう。
憤りがゆっくりと体を突き抜ける。
「勘違い?何が勘違いなの?
弓坂君は他の女の人とお花屋さんでデートしてた。
私見たの。目が合ったし知ってるでしょ?
もういいよ。弓坂君はああいう大人っぽい女の人がタイプだったんだね。
弓坂君がそんな人とは思わなかった。
もうさよなら。終わりだよ。」
「青!」
私がそっぽを向いて帰ろうとすると、弓坂君が突然大きな声で私の名前を叫んだ。
「なんで今名前で呼んだの。」
「お前が俺の話を聞こうとしないからだろ。あとずっと名前で呼びたかった。」
弓坂君は恥ずかしそうに目を逸らした。
あーもう。ズルいってそういうの。
「じゃああの女の人は誰。ちゃんと納得いくように説明して。」
「勘違いなんだ。これ。」
弓坂君の手には1輪の真っ赤な薔薇があった。
「もうすぐ誕生日だろ。プレゼントに花でも贈ろうと思って選んでたんだ。
隣にいたのは姉貴。昔花屋でバイトしてたから、意見をもらおうと思って来てもらってた。
薔薇は本数で意味が違って、1輪の薔薇の意味は ''あなたしかいない''。俺には、青しかいない。
当日は、もっとちゃんとしたの、渡すから。もう、不安にさせたり、しないから。さよならとか、終わりとか、言わないでくれよ。」
弓坂君は途中から涙を流していた。
それを見て私もつられて泣いてしまった。
凍りついた心が解けていくのを感じた。
弓坂君は私のことを本当に好きでいてくれている。
それを強く感じた。
「ごめんね。ちゃんと聞きもしないで決め付けで責めちゃって。」
薔薇を受け取って、深呼吸をする。
「私も、あなたしかいません。大好きだよ。剛くん。」
紫陽花にも色による花言葉がある。
その中の1つ、ピンクの紫陽花の花言葉が今の私たちにはぴったりかもしれない。
「強い愛情」
弓坂君が他の女の人と仲良くデートしているところを。
今日は塾があるからお昼に家を出た。
6月で梅雨入り前だが、しとしとと雨が降っていた。
塾に行くまでの間に小さな商店街を通る。
ここはいつも賑わっていて、下町の風情を感じる。
今日も雨が降っているにも関わらず、多くの人で賑わっている。
事件はここで起きた。
今が見頃の綺麗なあじさいが店頭に置かれたお花屋さんに入っていく男女2人組。
男性は弓坂君だった。
女性は見知らぬ大人っぽい人だった。
なんとも仲睦まじい様子。
女性が「剛」と、弓坂君の名前を呼ぶのが聞こえた。
そんな関係の女性がいたことにショックを受ける。
あじさいの花言葉は「移り気」「浮気」。
付き合ってまだ1ヶ月とちょっと。
もう弓坂君は他の女性に気が移ってしまったようだ。
悲しくて虚しくて辛くて、涙がツーっと頬を伝う。
弓坂君と一瞬だけ目が合ってしまった。
これ以上見ていられない。
そう思った私は一目散に走り出した。
おかげ様で塾での勉強に集中できなかった。
弓坂君は、もう私への気持ちは無くなったのだろうか。
もしそうじゃなくても、浮気をするような人とはお付き合いはできない。
私は断腸の思いで別れを決意した。
さよなら、私の短い恋。
さよなら、大好きな弓坂君。
塾の帰り道、先程の商店街を通っていると花屋の前で弓坂君が立っていた。
商店街はもう真っ暗で、他に人の気配はない。
「よお、小山。帰りか。」
「弓坂君どうしたの。こんな時間に。」
「いや、なんだ、小山に勘違いさせている気がしてな。」
白々しい。
今さら何を言ってるんだろう。
憤りがゆっくりと体を突き抜ける。
「勘違い?何が勘違いなの?
弓坂君は他の女の人とお花屋さんでデートしてた。
私見たの。目が合ったし知ってるでしょ?
もういいよ。弓坂君はああいう大人っぽい女の人がタイプだったんだね。
弓坂君がそんな人とは思わなかった。
もうさよなら。終わりだよ。」
「青!」
私がそっぽを向いて帰ろうとすると、弓坂君が突然大きな声で私の名前を叫んだ。
「なんで今名前で呼んだの。」
「お前が俺の話を聞こうとしないからだろ。あとずっと名前で呼びたかった。」
弓坂君は恥ずかしそうに目を逸らした。
あーもう。ズルいってそういうの。
「じゃああの女の人は誰。ちゃんと納得いくように説明して。」
「勘違いなんだ。これ。」
弓坂君の手には1輪の真っ赤な薔薇があった。
「もうすぐ誕生日だろ。プレゼントに花でも贈ろうと思って選んでたんだ。
隣にいたのは姉貴。昔花屋でバイトしてたから、意見をもらおうと思って来てもらってた。
薔薇は本数で意味が違って、1輪の薔薇の意味は ''あなたしかいない''。俺には、青しかいない。
当日は、もっとちゃんとしたの、渡すから。もう、不安にさせたり、しないから。さよならとか、終わりとか、言わないでくれよ。」
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「ごめんね。ちゃんと聞きもしないで決め付けで責めちゃって。」
薔薇を受け取って、深呼吸をする。
「私も、あなたしかいません。大好きだよ。剛くん。」
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その中の1つ、ピンクの紫陽花の花言葉が今の私たちにはぴったりかもしれない。
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