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episode9
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フラーニャと模擬戦を始めてちょうど一週間が経ち、いよいよ学院に入学する日になった。
帝立フォーレン学院。
それは大陸最高峰の学術機関。
魔法や剣術を学んでいる者ならば、この学院に入学することは夢であり、そして通過点でもある。
世界に名を轟かせている者のほとんどがこの帝立フォーレン学院出身である。
そのため、大陸中からこの学院への入学を望む。
そうして俺、レイン=フォイエルもこの学院に入学することが可能になった。
この学院には貴族の子息や子女も多いが、入学試験で選りすぐられた平民の方が多い。
俺とフラーニャは朝食を屋敷で済ませた後、執事のグレイに学院まで馬車で送ってもらった。
なんでも、貴族の最上位の位である公爵家の者が歩いて通学するのは、権威を失墜させる恐れがあるとのこと。
昨日、学院長であるシャーリーさんに貰ったグレーを基調とした制服を身にまとい、巨大な学院の門をくぐった。
ちなみに女子であるフラーニャは赤を基調とした制服を着ている。建前上従者とはいえ、生徒に代わりはないのだ。
門をくぐり、集合場所である講堂を目指す。道中、俺たちと同じ真新しい制服を着た生徒がたくさんいた。
こころなしか、妙に視線を感じる。
「フラーニャ、なんだか視線を感じるんだが俺たち何もしてないよな……」
「……何もしていないといえば嘘になると思います」
「どういうことだ?」
「……レイン様の容姿が非常に優れているからだと思います」
顔をほんのり赤く染めて恥じらうようにフラーニャは言った。
「どこが優れているんだ?」
俺は疑問に思い聞いてみた。
「ええそうですね。プラチナブロンドのサラサラとした短い髪、透き通った碧眼、そして高身長でスラッとした体型ですね」
「そ、そうか。ありがとう」
一息に言われ俺は少し恥ずかしくなった。やはり毎日接しているからこそ何かわかる者があるのかもしれない。
そんな事を話していると、目的の講堂が見えた。本当に学院は広く地図があっても迷いそうだ。今回は新入生の流れに任せたどり着いたがこれからが心配だ。
講堂に入り、座席指定が無かったので、最後列に座ることにした。
しばらく待っていると、前の舞台にスポットライトが当てられ話していた生徒は口を閉じ、皆が一斉にそちらを向いた。
「入学おめでとう」
講堂全体にその声が響いた。
声の主は学院長であるシャーリーさんだった。
「さて、新入生諸君。ここ帝立フォーレン学院は世界最高峰の学術機関であるということは周知の事実。様々な目標がありそれを叶えるためにこの学院に来た者も多いはずだ。目標に向かってこの学院で才能を磨いてほしい。決して努力を怠ってはならない。そして才能がある者も驕らず、謙虚な姿勢で高みを目指して欲しい。短いがこれで私からの言葉は終わりとさせてもらう」
俺たちにそう言ったシャーリーさんは教育者そのものの姿だった。
新入生代表挨拶や学院での注意事項などがあり、その後、講堂前の広場にある大きな掲示板に張り出されているクラス発表を見るために講堂を出た。
クラスはA,B,C,D,Eの五つのクラスがある。
俺とフラーニャは遠目から、名前がズラッと並んでいる掲示板をみた。
「Aクラスか……。フラーニャは?」
「私もAクラスのようです!」
嬉しそうにいうフラーニャを見て俺は少しドキッとしてしまった。
「そ、そうか。ずっと一緒にいれるな」
「はいっ!」
クラスん確認が出来たので、クラスがあるという講義棟に向かうことにした。
帝立フォーレン学院。
それは大陸最高峰の学術機関。
魔法や剣術を学んでいる者ならば、この学院に入学することは夢であり、そして通過点でもある。
世界に名を轟かせている者のほとんどがこの帝立フォーレン学院出身である。
そのため、大陸中からこの学院への入学を望む。
そうして俺、レイン=フォイエルもこの学院に入学することが可能になった。
この学院には貴族の子息や子女も多いが、入学試験で選りすぐられた平民の方が多い。
俺とフラーニャは朝食を屋敷で済ませた後、執事のグレイに学院まで馬車で送ってもらった。
なんでも、貴族の最上位の位である公爵家の者が歩いて通学するのは、権威を失墜させる恐れがあるとのこと。
昨日、学院長であるシャーリーさんに貰ったグレーを基調とした制服を身にまとい、巨大な学院の門をくぐった。
ちなみに女子であるフラーニャは赤を基調とした制服を着ている。建前上従者とはいえ、生徒に代わりはないのだ。
門をくぐり、集合場所である講堂を目指す。道中、俺たちと同じ真新しい制服を着た生徒がたくさんいた。
こころなしか、妙に視線を感じる。
「フラーニャ、なんだか視線を感じるんだが俺たち何もしてないよな……」
「……何もしていないといえば嘘になると思います」
「どういうことだ?」
「……レイン様の容姿が非常に優れているからだと思います」
顔をほんのり赤く染めて恥じらうようにフラーニャは言った。
「どこが優れているんだ?」
俺は疑問に思い聞いてみた。
「ええそうですね。プラチナブロンドのサラサラとした短い髪、透き通った碧眼、そして高身長でスラッとした体型ですね」
「そ、そうか。ありがとう」
一息に言われ俺は少し恥ずかしくなった。やはり毎日接しているからこそ何かわかる者があるのかもしれない。
そんな事を話していると、目的の講堂が見えた。本当に学院は広く地図があっても迷いそうだ。今回は新入生の流れに任せたどり着いたがこれからが心配だ。
講堂に入り、座席指定が無かったので、最後列に座ることにした。
しばらく待っていると、前の舞台にスポットライトが当てられ話していた生徒は口を閉じ、皆が一斉にそちらを向いた。
「入学おめでとう」
講堂全体にその声が響いた。
声の主は学院長であるシャーリーさんだった。
「さて、新入生諸君。ここ帝立フォーレン学院は世界最高峰の学術機関であるということは周知の事実。様々な目標がありそれを叶えるためにこの学院に来た者も多いはずだ。目標に向かってこの学院で才能を磨いてほしい。決して努力を怠ってはならない。そして才能がある者も驕らず、謙虚な姿勢で高みを目指して欲しい。短いがこれで私からの言葉は終わりとさせてもらう」
俺たちにそう言ったシャーリーさんは教育者そのものの姿だった。
新入生代表挨拶や学院での注意事項などがあり、その後、講堂前の広場にある大きな掲示板に張り出されているクラス発表を見るために講堂を出た。
クラスはA,B,C,D,Eの五つのクラスがある。
俺とフラーニャは遠目から、名前がズラッと並んでいる掲示板をみた。
「Aクラスか……。フラーニャは?」
「私もAクラスのようです!」
嬉しそうにいうフラーニャを見て俺は少しドキッとしてしまった。
「そ、そうか。ずっと一緒にいれるな」
「はいっ!」
クラスん確認が出来たので、クラスがあるという講義棟に向かうことにした。
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