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第8章 ノスタルジア
17 自分にできる事
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何だろう…来た道の方から音がする。
それに魔法を使っている気配もしている。
もしかして私が皆の元を離れてから魔物が襲ってきた可能性も…あり得るけど…大丈夫だよね。レヴィ君達は強いし、何より今回は城からの応援部隊がいるのだから。
「大丈夫よ。あの子達は私から見ても強いもの。心配いらないわ」
「そう、ですよね」
人気が無く姿を見せたウルにそう諭される。声に出していないのにもう顔の表情でバレバレのようだった。
でもウルがそう言うなら大丈夫なはずだ。
「それよりもエルちゃん、貴方しか出来ない事をこれからしてもらうわね」
「私にしか出来ない事…」
責任重大な事だけどやるって決めたんだから弱音を吐いている場合じゃない。
「そんなに固くならないで大丈夫よ。エルちゃんは姿を隠している精霊達へ協力を要請するの。
難しく考えないで自分の思った事をいつものように話せば気まぐれな精霊達だけれどきっと応えてくれるわ」
「わ、分かりました」
「それにね。エルちゃんの事を無視しようものなら私が許さないから安心して」
そう言ったウルから凄い圧。冗談っぽく言っているけど本気だ…。
「それじゃ早速始めるわね。エルちゃんは隠れている精霊達に心の中で良いから話しかけてみてちょうだい」
「分かりました」
それだけで良いの?と疑問は浮かんだものの、一先ずウルの言う事に従う。
目を閉じて集中。
すると自分の肩に小さい手が置かれる。
ん?と思いつつも声に出す事なく、ただ今は話しかける事に意識を集中させていった。
『――森の何処かにいるでしょう精霊の皆さん。どうか私の声が聞こえたなら応えて下さい』
返事はないが続ける。
『――皆さんも気づいているとは思いますが、今この森、いえ、森だけでなくシュレーデル王国でも突然発生した黒い霧と雨の影響で大きな被害が出ています。
私達人間もそして精霊である貴方達も得体のしれないこの現象に悩まされています。
私はこの件を調査する為にこの地に来ました。
そして現状をこの目で見て、一刻も早く対応をしなければならないと思い一緒に来てくれた私の仲間も解決する為に全力で行動をしてくれています』
森はシーンと静まり返ったままで、本当に精霊がいるのか不安になってくるけど、それでも諦めずに語り掛ける。
『――今回の現象はあらゆるものに害をなす瘴気である事が分かり、その瘴気を消し去るには浄化の力が必要だと言う事も分かりました。
ですから貴方達精霊の力をお借りしたいのです。
精霊は人の前には姿を現さない。力が強大である為、人間に力目的で狙われるからと言う話は聞いています。
今の私の発言はそんな人達と変わらないのかもしれませんし、こんな時だけ協力して欲しいなんて勝手だと言われても仕方がないと思います。
それでも今現状、沢山の人が苦しんでいて、その人達を救えるのは貴方達精霊の力だけなのっ……。
だからお願いします。どうか力を貸して下さい』
「良くできたわねエルちゃん。上出来よ」
肩に手を置いたままウルが呟く。その声に目を開けるとにっこりと笑った彼女の顔が目の前にあった。
「今の声は精霊達に届いたわ。ほら見て」
「え?」
呆然としていたらウルが前方を指さすので、その方向へ視線を移すと――
今の今まで目では確認できなかったのに、木の陰から子どもや大人の見た目をした精霊達が顔を覗かせていたのだった。
その姿は半透明で透けていて、人間ではないのだと物語っている。
「ちょっと貴方達、そんなに怖がっていないでこちらにいらっしゃい」
言い方優しく聞こえるけど、どこか有無を言わせないウルの言葉に精霊達は慌ただしく私達の方へと近づいて来る。
私、勝手に精霊はウルのような小さい子しかいないとイメージしていて、大人の姿をした精霊もいる事に少し驚かされた。しかも子ども大人と姿は異なるが皆若くて綺麗な容姿。
10代くらいだろうか小さい男の子や女の子。20代前半くらいの男性、女性の精霊達。
人間とは明らかにかけ離れた容姿でそれだけでも驚愕なのに、集まって来た精霊達が次々と跪き首を垂れていく。その光景に更に驚かされたのは言うまでもない。
一体どういう状況なんですか!?と口走りそうになるけど、その時一人の精霊が声を上げた。
「お久しぶりでございます、ウルティナ様。ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありません」
ふんわりと波打った腰より長い水色の髪に同じく水色の瞳。そして雪のように白い肌をした見た目が20代前半くらいの女性の精霊。
その美貌は思わず私も見惚れてしまう程の輝きだ。
「久しぶりね、クレネーア。会えて良かったわ。
でもそんな堅苦しいのはやめてちょうだい。この子が驚いているから」
「あらあら、とても可愛らしいですわね」
「そうでしょう。この子は特別。私のお気に入りの子なの」
「お人形さんみたいですわ」
高貴な人達の会話に巻き込まれた感……。
何故か私の事で話しが盛り上がっている気がする…。
「お二人ともその辺でおやめになって下さい。彼女が困っていますよ」
少し高めの声。でも落ち着いた口調で横から声をかけて来たのは、見た目が10歳くらいの少年だった。
緩く波打っている茶髪に、大きくてきりっとした金色の瞳。
見た目で言うと私とさほど年が変わらない彼は、その年齢に似つかわしくない落ち着きようで、俗に言うギャップが凄かった。
しかも彼の一言で、ガールズトークを繰り広げていたお姉様精霊二人の会話がぴたりと止まったのだから。
「ごめんなさいね。つい」
「ふざけすぎちゃったわね。ごめんなさい、エルちゃん」
「い、いえ…」
落ち着いてくれた…。良かった助かった…。
「あの、ありがとうございます。えっと…」
「僕の名前はルーチェ。ウルティナ様と同じく光を司る精霊です。そしてこちらにいるのは――」
「初めまして。私はクレネーア。私は水を司る精霊よ」
気の利いた対応をしてくれた彼――ルーチェさんは自ら名乗ってくれて、更に続いてウルと言い合っていた女性――クレネーアさんも後に続いて自己紹介をしてくれた。
「ルーチェさんとクレネーアさん。初めまして、私はエルシアと言います」
「エルシア…だからエルちゃんね。とても可愛いお名前だわ」
「クレネーア。そう呼んで良いのは私だけよ」
「まあ、ウルティナ様ったら独り占めはいけませんわ」
ああ、また話が脱線していってるよ、二人とも。
仲が良いのか悪いのか、良く分からない二人だな……。
「あの、名前は好きに呼んで下さい。私は気にしませんので」
あまり長く時間をかけている余裕がないので、早めに本題に入らないといけないから二人には申し訳ないけど、そろそろ切り替えてもらわないとね。
「分かったわ。じゃあ私はエッちゃんと呼びましょう。私達の事は呼び捨てで構わないわよ」
「分かりました」
「それじゃふざけるのはここまでで本題に入りましょう」
改めてウルがそう言うと集まってくれた精霊達は、先程までのふざけていた雰囲気が嘘のように静かになる。
凄い。皆ウルの言葉に耳を傾けてくれている。
前々からウルは凄い精霊だと思っていたけど、本当に高位の存在なんだな。
群れる事をしない精霊達がこうして集まってウルの言葉に従っているんだから。
「今エルちゃんが言っていた通り、貴方達の力を貸して欲しいの。
お願い出来るわよね?」
「ええ、彼女の言葉に応える為にこうして来たのですから。力になりますわ」
「僕も同じ思いです」
クレネーア、ルーチェ、そして他の精霊達もウルの問いかけに力強く頷いてくれたのだった。
それに魔法を使っている気配もしている。
もしかして私が皆の元を離れてから魔物が襲ってきた可能性も…あり得るけど…大丈夫だよね。レヴィ君達は強いし、何より今回は城からの応援部隊がいるのだから。
「大丈夫よ。あの子達は私から見ても強いもの。心配いらないわ」
「そう、ですよね」
人気が無く姿を見せたウルにそう諭される。声に出していないのにもう顔の表情でバレバレのようだった。
でもウルがそう言うなら大丈夫なはずだ。
「それよりもエルちゃん、貴方しか出来ない事をこれからしてもらうわね」
「私にしか出来ない事…」
責任重大な事だけどやるって決めたんだから弱音を吐いている場合じゃない。
「そんなに固くならないで大丈夫よ。エルちゃんは姿を隠している精霊達へ協力を要請するの。
難しく考えないで自分の思った事をいつものように話せば気まぐれな精霊達だけれどきっと応えてくれるわ」
「わ、分かりました」
「それにね。エルちゃんの事を無視しようものなら私が許さないから安心して」
そう言ったウルから凄い圧。冗談っぽく言っているけど本気だ…。
「それじゃ早速始めるわね。エルちゃんは隠れている精霊達に心の中で良いから話しかけてみてちょうだい」
「分かりました」
それだけで良いの?と疑問は浮かんだものの、一先ずウルの言う事に従う。
目を閉じて集中。
すると自分の肩に小さい手が置かれる。
ん?と思いつつも声に出す事なく、ただ今は話しかける事に意識を集中させていった。
『――森の何処かにいるでしょう精霊の皆さん。どうか私の声が聞こえたなら応えて下さい』
返事はないが続ける。
『――皆さんも気づいているとは思いますが、今この森、いえ、森だけでなくシュレーデル王国でも突然発生した黒い霧と雨の影響で大きな被害が出ています。
私達人間もそして精霊である貴方達も得体のしれないこの現象に悩まされています。
私はこの件を調査する為にこの地に来ました。
そして現状をこの目で見て、一刻も早く対応をしなければならないと思い一緒に来てくれた私の仲間も解決する為に全力で行動をしてくれています』
森はシーンと静まり返ったままで、本当に精霊がいるのか不安になってくるけど、それでも諦めずに語り掛ける。
『――今回の現象はあらゆるものに害をなす瘴気である事が分かり、その瘴気を消し去るには浄化の力が必要だと言う事も分かりました。
ですから貴方達精霊の力をお借りしたいのです。
精霊は人の前には姿を現さない。力が強大である為、人間に力目的で狙われるからと言う話は聞いています。
今の私の発言はそんな人達と変わらないのかもしれませんし、こんな時だけ協力して欲しいなんて勝手だと言われても仕方がないと思います。
それでも今現状、沢山の人が苦しんでいて、その人達を救えるのは貴方達精霊の力だけなのっ……。
だからお願いします。どうか力を貸して下さい』
「良くできたわねエルちゃん。上出来よ」
肩に手を置いたままウルが呟く。その声に目を開けるとにっこりと笑った彼女の顔が目の前にあった。
「今の声は精霊達に届いたわ。ほら見て」
「え?」
呆然としていたらウルが前方を指さすので、その方向へ視線を移すと――
今の今まで目では確認できなかったのに、木の陰から子どもや大人の見た目をした精霊達が顔を覗かせていたのだった。
その姿は半透明で透けていて、人間ではないのだと物語っている。
「ちょっと貴方達、そんなに怖がっていないでこちらにいらっしゃい」
言い方優しく聞こえるけど、どこか有無を言わせないウルの言葉に精霊達は慌ただしく私達の方へと近づいて来る。
私、勝手に精霊はウルのような小さい子しかいないとイメージしていて、大人の姿をした精霊もいる事に少し驚かされた。しかも子ども大人と姿は異なるが皆若くて綺麗な容姿。
10代くらいだろうか小さい男の子や女の子。20代前半くらいの男性、女性の精霊達。
人間とは明らかにかけ離れた容姿でそれだけでも驚愕なのに、集まって来た精霊達が次々と跪き首を垂れていく。その光景に更に驚かされたのは言うまでもない。
一体どういう状況なんですか!?と口走りそうになるけど、その時一人の精霊が声を上げた。
「お久しぶりでございます、ウルティナ様。ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありません」
ふんわりと波打った腰より長い水色の髪に同じく水色の瞳。そして雪のように白い肌をした見た目が20代前半くらいの女性の精霊。
その美貌は思わず私も見惚れてしまう程の輝きだ。
「久しぶりね、クレネーア。会えて良かったわ。
でもそんな堅苦しいのはやめてちょうだい。この子が驚いているから」
「あらあら、とても可愛らしいですわね」
「そうでしょう。この子は特別。私のお気に入りの子なの」
「お人形さんみたいですわ」
高貴な人達の会話に巻き込まれた感……。
何故か私の事で話しが盛り上がっている気がする…。
「お二人ともその辺でおやめになって下さい。彼女が困っていますよ」
少し高めの声。でも落ち着いた口調で横から声をかけて来たのは、見た目が10歳くらいの少年だった。
緩く波打っている茶髪に、大きくてきりっとした金色の瞳。
見た目で言うと私とさほど年が変わらない彼は、その年齢に似つかわしくない落ち着きようで、俗に言うギャップが凄かった。
しかも彼の一言で、ガールズトークを繰り広げていたお姉様精霊二人の会話がぴたりと止まったのだから。
「ごめんなさいね。つい」
「ふざけすぎちゃったわね。ごめんなさい、エルちゃん」
「い、いえ…」
落ち着いてくれた…。良かった助かった…。
「あの、ありがとうございます。えっと…」
「僕の名前はルーチェ。ウルティナ様と同じく光を司る精霊です。そしてこちらにいるのは――」
「初めまして。私はクレネーア。私は水を司る精霊よ」
気の利いた対応をしてくれた彼――ルーチェさんは自ら名乗ってくれて、更に続いてウルと言い合っていた女性――クレネーアさんも後に続いて自己紹介をしてくれた。
「ルーチェさんとクレネーアさん。初めまして、私はエルシアと言います」
「エルシア…だからエルちゃんね。とても可愛いお名前だわ」
「クレネーア。そう呼んで良いのは私だけよ」
「まあ、ウルティナ様ったら独り占めはいけませんわ」
ああ、また話が脱線していってるよ、二人とも。
仲が良いのか悪いのか、良く分からない二人だな……。
「あの、名前は好きに呼んで下さい。私は気にしませんので」
あまり長く時間をかけている余裕がないので、早めに本題に入らないといけないから二人には申し訳ないけど、そろそろ切り替えてもらわないとね。
「分かったわ。じゃあ私はエッちゃんと呼びましょう。私達の事は呼び捨てで構わないわよ」
「分かりました」
「それじゃふざけるのはここまでで本題に入りましょう」
改めてウルがそう言うと集まってくれた精霊達は、先程までのふざけていた雰囲気が嘘のように静かになる。
凄い。皆ウルの言葉に耳を傾けてくれている。
前々からウルは凄い精霊だと思っていたけど、本当に高位の存在なんだな。
群れる事をしない精霊達がこうして集まってウルの言葉に従っているんだから。
「今エルちゃんが言っていた通り、貴方達の力を貸して欲しいの。
お願い出来るわよね?」
「ええ、彼女の言葉に応える為にこうして来たのですから。力になりますわ」
「僕も同じ思いです」
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