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本能寺の変は何故起こったか?10 出雲国譲りと織田軍団
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波子「違うよ、これはまだ信長が若い頃から自称していたはずだ。ということは信長は若い頃から五十を過ぎたら楽隠居をすることを目的に世の中を動かしていたのかもしれないな。『第六天』というのは別名、『他化自在天』って言ってね、他人のものでも自分のものの様に使うことができて、好きなことを気ままにして楽に暮らせる天界の事、その天界の王の事だよ。そこの王ってことなんだから自分の邪魔はさせないけども他人の邪魔はするよ。って事だね。第六天は「欲」の天界の最上位の世界だからね。ずっとそこに暮らす分にはいいところだが、仏道修行の途中にあるものにとっては欲を刺激する邪魔なものでもある。だからそこに住み着いてるような輩を魔王と呼ぶのだよ。元々はインドのシヴァ神のことだしね。」
堂田「シヴァ神?」
波子「そうだよ。シヴァは「マハーカーラ」とも言われるインドの神様だ。マハーカーラは日本では神話の大国主命と同じ神様だと言われていた。七福神でいうと大黒さまだよ。」
堂田「ええっ!大黒様と第六天の魔王が繋がるとは思いませんでしたよ。」
浪子「信長は「第六天の魔王」の呼び名が気に入ってたらしいね。第六天の世界はまさに『楽隠居』じゃないか。五十を過ぎたら生きながらにして第六天に転生するつもりだったんだよ。信長の天下っていうのは信長にとっての第六天を地上に演出することだったんだよ。」
堂田「第六天を地上にって、酒池肉林、天上天下唯我独尊、独裁者か。でも歴史に残るような指導者はある独裁的ではありますが」
波子「現世で第六天のような暮らしができるんなら別に日本列島全部を支配する必要もない。自分にとっての第六天だけ確保すればよかったんだ。逆に列島を支配しても第六天が得られなければ海の向こうにも進出したかもしれないがね。完全なる天下統一なんて信長は最初から完成させるつもりはなかったのかもしれないよ。」
堂田「そりゃ当人の心の中までは解らないですしねぇ。でも今後の事っていうかその後の政治方針も考えていたっぽいじゃないですか?日向の守や筑前の守っていうのは将来的にというか天下統一が完成してから光秀と秀吉に任せようとしていた国名じゃないかといわれていますよね。」
波子「さあ、それはどうかな。官位とかは直接の支配地を示さないのが当時の常識だろう?私から見れば『石見・出雲』に『日向の守』である光秀を送り込もうとしていた。っていう方が断然気になるけどね。」
堂田「そうそう。そういう話もありました。そうなら完全なる隠居なんて考えていなかったんじゃ?」
波子「それは早計だよ。私が気になるのは「出雲」という土地だ。国譲りの土地じゃないか?」
堂田「はぁ?出雲神話ですか?それとどういう関係が。。。」
波子「君にもらった日本書紀と古事記の訳文を読ませてもらった限りの話だが、国譲り神話では、タケミカヅチにフツヌシという高天原最強の武勇神が大黒様いや大国主に国譲りを迫ったということになっている。光秀と秀吉はね、信長にとって、天照大神にとってのタケミカヅチとフツヌシのような存在なんだよ。」
堂田「確かに最近の研究では、織田軍団は方面軍的役割分担があって、秀吉、光秀はもちろん勝家、一益の四天王もそれぞれ方面司令官であるとされてます。その中でも畿内と西国の担当は秀吉と光秀です。それがタケミカヅチとフツヌシだと?」
波子「そうさ。その二人に国譲りをさせた天照大神は結局地上には降臨しない。主役はここから天照大神の孫つまり天孫に移り変わるんだよ。主役の居る場所こそ舞台であって現実世界だ。ここで天照大神は地上世界への介入を止めてしまうんだ。天孫の側からみれば天照大神は国譲りで引退したとの同じなんだよ。「国譲り」で引退というと大国主とかタケミナカタとか地上の神々の隠退のことばかり言われてるようだが、天照大神も彼らと同時に引退しているわけだ。」
堂田「確かに。信長の孫の世代というと三法師、秀信。」
波子「そして何より、天孫が降臨されるありがたい土地は日向なんだろう?呪術とか儀式とかいうものは先例をなぞることだ。天下が統一されたという証を列島全域に広めるため、その最後の仕上げに天下統一の先例である『天孫降臨』をなぞろうとしたんだよ。」
堂田「信長は日本の建国神話をなぞろうとしていた?」
波子「そのために出雲に最も信用していた光秀を送るつもりだったのさ。おかしいかい?」
堂田「そんな大昔の神話に?信長の死後、天下統一した家康を東照大権現というし、その名は東から照らす神で、東の天照ってことも考えられるけども。」
波子「対毛利戦争の内容によっては、毛利家は武田家亡き後の諏訪に転封になってかもしれないね。信長はこの前言ったように無神論者でも完全なる合理主義者でもない。寧ろ秘匿されたオカルトの世界が大好きだったんじゃないか?だから年齢にもこだわったし、宗論も好きだった。あっそうそう、年齢といえば一つ面白い偶然がある。日本史の大転換期を作り出した二人の天才、織田信長と聖徳太子はね、同じ「壬午」の年に亡くなってるんだ。ほら、ここにも午(うま)がでてきた。なかなか面白い偶然だとは思わないかい?馬のオカルトだね。」
堂田「オカルト好きな信長かぁ。」
波子「オカルトっていうのは隠秘学とも言う。有名なのは錬金術や魔術だね。日本風でいうと陰陽学だ。科学の世の中からみるとこれらオカルトは妙な趣味だが、それも現代人の考え方だ。流行っていた当時に大真面目にやっていた人たちからみれば、これは正しい学問なんだ。今風にいえば「最先端の科学」だよ。」
堂田「そういわれれば。。。ヒトラーもオカルトが好きだったようですしね。独裁者っぽいのはそういうのがいいのかな。」
波子「だろう。信長は天下統一を進めるその裏で、隠居に向けての準備を着々と進めてたってわけさ。神話をなぞるってことはもしかして、光秀が進言したことかもしれないよ。その進言通りに呪術が進んでいたのに、信長がそれを途中で放棄して引退すると言い出したことで両者に亀裂ができた。実際、後の家康と天海は「東照大権現」として神話を再現してるからね。天海は光秀から天下統一の仕上げとして神話をなぞる呪術をしようとしていたことを聞いていたのかもしれないね。天海が主導して建立したとされる日光東照宮の明智紋、延暦寺の石塔なんていうのは、天海が光秀に支払った著作権料みたいなものだったかもしれないよ。信長は神話をなぞる統一事業を進める一方で、光秀が延暦寺をすてられなかったように自分の信仰を捨てられなかった。」
堂田「信長の信仰って?」
堂田「シヴァ神?」
波子「そうだよ。シヴァは「マハーカーラ」とも言われるインドの神様だ。マハーカーラは日本では神話の大国主命と同じ神様だと言われていた。七福神でいうと大黒さまだよ。」
堂田「ええっ!大黒様と第六天の魔王が繋がるとは思いませんでしたよ。」
浪子「信長は「第六天の魔王」の呼び名が気に入ってたらしいね。第六天の世界はまさに『楽隠居』じゃないか。五十を過ぎたら生きながらにして第六天に転生するつもりだったんだよ。信長の天下っていうのは信長にとっての第六天を地上に演出することだったんだよ。」
堂田「第六天を地上にって、酒池肉林、天上天下唯我独尊、独裁者か。でも歴史に残るような指導者はある独裁的ではありますが」
波子「現世で第六天のような暮らしができるんなら別に日本列島全部を支配する必要もない。自分にとっての第六天だけ確保すればよかったんだ。逆に列島を支配しても第六天が得られなければ海の向こうにも進出したかもしれないがね。完全なる天下統一なんて信長は最初から完成させるつもりはなかったのかもしれないよ。」
堂田「そりゃ当人の心の中までは解らないですしねぇ。でも今後の事っていうかその後の政治方針も考えていたっぽいじゃないですか?日向の守や筑前の守っていうのは将来的にというか天下統一が完成してから光秀と秀吉に任せようとしていた国名じゃないかといわれていますよね。」
波子「さあ、それはどうかな。官位とかは直接の支配地を示さないのが当時の常識だろう?私から見れば『石見・出雲』に『日向の守』である光秀を送り込もうとしていた。っていう方が断然気になるけどね。」
堂田「そうそう。そういう話もありました。そうなら完全なる隠居なんて考えていなかったんじゃ?」
波子「それは早計だよ。私が気になるのは「出雲」という土地だ。国譲りの土地じゃないか?」
堂田「はぁ?出雲神話ですか?それとどういう関係が。。。」
波子「君にもらった日本書紀と古事記の訳文を読ませてもらった限りの話だが、国譲り神話では、タケミカヅチにフツヌシという高天原最強の武勇神が大黒様いや大国主に国譲りを迫ったということになっている。光秀と秀吉はね、信長にとって、天照大神にとってのタケミカヅチとフツヌシのような存在なんだよ。」
堂田「確かに最近の研究では、織田軍団は方面軍的役割分担があって、秀吉、光秀はもちろん勝家、一益の四天王もそれぞれ方面司令官であるとされてます。その中でも畿内と西国の担当は秀吉と光秀です。それがタケミカヅチとフツヌシだと?」
波子「そうさ。その二人に国譲りをさせた天照大神は結局地上には降臨しない。主役はここから天照大神の孫つまり天孫に移り変わるんだよ。主役の居る場所こそ舞台であって現実世界だ。ここで天照大神は地上世界への介入を止めてしまうんだ。天孫の側からみれば天照大神は国譲りで引退したとの同じなんだよ。「国譲り」で引退というと大国主とかタケミナカタとか地上の神々の隠退のことばかり言われてるようだが、天照大神も彼らと同時に引退しているわけだ。」
堂田「確かに。信長の孫の世代というと三法師、秀信。」
波子「そして何より、天孫が降臨されるありがたい土地は日向なんだろう?呪術とか儀式とかいうものは先例をなぞることだ。天下が統一されたという証を列島全域に広めるため、その最後の仕上げに天下統一の先例である『天孫降臨』をなぞろうとしたんだよ。」
堂田「信長は日本の建国神話をなぞろうとしていた?」
波子「そのために出雲に最も信用していた光秀を送るつもりだったのさ。おかしいかい?」
堂田「そんな大昔の神話に?信長の死後、天下統一した家康を東照大権現というし、その名は東から照らす神で、東の天照ってことも考えられるけども。」
波子「対毛利戦争の内容によっては、毛利家は武田家亡き後の諏訪に転封になってかもしれないね。信長はこの前言ったように無神論者でも完全なる合理主義者でもない。寧ろ秘匿されたオカルトの世界が大好きだったんじゃないか?だから年齢にもこだわったし、宗論も好きだった。あっそうそう、年齢といえば一つ面白い偶然がある。日本史の大転換期を作り出した二人の天才、織田信長と聖徳太子はね、同じ「壬午」の年に亡くなってるんだ。ほら、ここにも午(うま)がでてきた。なかなか面白い偶然だとは思わないかい?馬のオカルトだね。」
堂田「オカルト好きな信長かぁ。」
波子「オカルトっていうのは隠秘学とも言う。有名なのは錬金術や魔術だね。日本風でいうと陰陽学だ。科学の世の中からみるとこれらオカルトは妙な趣味だが、それも現代人の考え方だ。流行っていた当時に大真面目にやっていた人たちからみれば、これは正しい学問なんだ。今風にいえば「最先端の科学」だよ。」
堂田「そういわれれば。。。ヒトラーもオカルトが好きだったようですしね。独裁者っぽいのはそういうのがいいのかな。」
波子「だろう。信長は天下統一を進めるその裏で、隠居に向けての準備を着々と進めてたってわけさ。神話をなぞるってことはもしかして、光秀が進言したことかもしれないよ。その進言通りに呪術が進んでいたのに、信長がそれを途中で放棄して引退すると言い出したことで両者に亀裂ができた。実際、後の家康と天海は「東照大権現」として神話を再現してるからね。天海は光秀から天下統一の仕上げとして神話をなぞる呪術をしようとしていたことを聞いていたのかもしれないね。天海が主導して建立したとされる日光東照宮の明智紋、延暦寺の石塔なんていうのは、天海が光秀に支払った著作権料みたいなものだったかもしれないよ。信長は神話をなぞる統一事業を進める一方で、光秀が延暦寺をすてられなかったように自分の信仰を捨てられなかった。」
堂田「信長の信仰って?」
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