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ロボット戦隊?
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戦車からも人が降りてきた。
私もおっとり刀で車外へと出た。
門倉は怒っている。怒鳴り声が響く。
「なんでこんな危険な事を!」
「まあまあ、これは貴方たちの総指揮官である首相も容認してくれてます」
戦車から降りてきた太った男は、暑くもないのに額に汗を滲ませ、それをハンカチで拭きつつ答えている。
思い出したように名刺を門倉に手渡そうとするが門倉は一瞥しただけで受け取らない。
「恐竜の実態を映像化だと?そんなものAIとやらにやらせられば良いだろう!」
語気強く門倉は言い切った。
「何をおっしゃいますか、これは単なる映画撮影でもなければ教育番組でもない。我が国の科学力を世界に轟かすための記録ですよ」
男は門倉の不機嫌さをそっちのけで自らの目的を揚々と語る。
どうも、再生した恐竜の姿を映像化し、世界に発信する気らしい。世間ではDNAを用いて滅亡した生き物を復活させようとしている国もあるという。現存動物や家畜の再生はもう数十年前から公表されている。
しかし、恐竜は淘汰されたのだ。恐竜が生きていた頃の地球と我々が暮らしている地球は果たして同じなのだろうか?
予期せぬ事が起きる可能性は、私のような門外漢にも想像できた。
「そんなモノを誇って国が良くなるとはとても思えない。」
門倉は再び言い切った。太った男はよほどの汗っかきなのかまた額の汗を吹きつつ門倉に答えた。
「それは貴方らが判断する事ではない。政府が認めたのだよ」
太った男は居丈高に反論したが、門倉の剣幕が予想外だったのか、さらに汗を滲ませそれを拭き取ることを繰り返している。
私はそんな男を見ていてなんだか見苦しさを感じた。高級なスーツに場違いな革靴、それでいてどこか下品だ。
国策どうのより、その途中で得られる利益が目的なのが、遠目からでも見苦しさを感じさせる。
神の領域へもお金で入りこむのか?と私は思った。
私もおっとり刀で車外へと出た。
門倉は怒っている。怒鳴り声が響く。
「なんでこんな危険な事を!」
「まあまあ、これは貴方たちの総指揮官である首相も容認してくれてます」
戦車から降りてきた太った男は、暑くもないのに額に汗を滲ませ、それをハンカチで拭きつつ答えている。
思い出したように名刺を門倉に手渡そうとするが門倉は一瞥しただけで受け取らない。
「恐竜の実態を映像化だと?そんなものAIとやらにやらせられば良いだろう!」
語気強く門倉は言い切った。
「何をおっしゃいますか、これは単なる映画撮影でもなければ教育番組でもない。我が国の科学力を世界に轟かすための記録ですよ」
男は門倉の不機嫌さをそっちのけで自らの目的を揚々と語る。
どうも、再生した恐竜の姿を映像化し、世界に発信する気らしい。世間ではDNAを用いて滅亡した生き物を復活させようとしている国もあるという。現存動物や家畜の再生はもう数十年前から公表されている。
しかし、恐竜は淘汰されたのだ。恐竜が生きていた頃の地球と我々が暮らしている地球は果たして同じなのだろうか?
予期せぬ事が起きる可能性は、私のような門外漢にも想像できた。
「そんなモノを誇って国が良くなるとはとても思えない。」
門倉は再び言い切った。太った男はよほどの汗っかきなのかまた額の汗を吹きつつ門倉に答えた。
「それは貴方らが判断する事ではない。政府が認めたのだよ」
太った男は居丈高に反論したが、門倉の剣幕が予想外だったのか、さらに汗を滲ませそれを拭き取ることを繰り返している。
私はそんな男を見ていてなんだか見苦しさを感じた。高級なスーツに場違いな革靴、それでいてどこか下品だ。
国策どうのより、その途中で得られる利益が目的なのが、遠目からでも見苦しさを感じさせる。
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