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2章 白魔導士の婚約者になりまして
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♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
『イ、イチカ殿はハワード殿にそんなにも想われて羨ましい限りですな。そ、それでは今日はこの辺りで失礼!』
ライトの冷ややかな眼光に耐えかねたのか、エトワールはどこか上擦り、バツが悪そうな声で、そんな言葉を吐き捨てた。そして、そのまま翻って元来た道を慌てたように駆けていく。馬車に乗り込む際“お前たち、さっさと城に戻るぞ!!”と不機嫌そうな怒鳴り声が聞こえたが、今は遠くで馬のひづめの音が聞こえ、辺りは静寂が戻る。
(嫌なことを思い出した__)
小走りで走り去った小太りな中年男の姿を私の視野から隠すように守っていてくれた大きな影が安堵したように肩を落とす気配がして、私は気づかれないようにそっと息を吐いた。額に浮かんだ汗がひどく気持ち悪い。
(もう、いない___けど、似ている、本当に似ている……)
エトワールの不機嫌そうな怒鳴り声とあの忌々しい上司の声が重なってしまったせいか、思い出されるのは地獄のような理不尽な日々。声が似ている、ただそれだけのことで思い出されてしまうのか。毎日罵詈雑言で罵られ、息苦しかったあの日々と決別するために仕事を辞めたのに、私の心は今なおあの頃に囚われてしまっているのか。
『野々原くん、今日までにこの30枚の資料まとめておいてって言ったよな!』
『えっ……それは、聞いてなーー』
『じゃあ、今言ったから、あと一時間でまとめておけよ。お前ならできるだろ』
『……っ』
(無理難題を押し付けられるのは、日常茶飯事で)
『野々原さん、なんで、まだ出来ていないのかしら?』
『大変申し訳ございません。ですが、今日主任に言われたのでーー』
『主任は2週間前に言ったといっていたけれど?』
(保身に走るクソ上司。自分を守るために、他者を犠牲にしてもお構いなし)
『そん……なっ……』
『言い訳をして、可愛げがない。明日までに資料をまとめて、5万字の始末書も書きなさい』
『……』
『返事は?』
『……っ、はい』
見て見ぬふりをする同僚たちは自分に火が飛ばないように無言でキーボードを叩くだけ。
(__聞いていたはずなのに、誰もかばってはくれなかった)
……ーー本当、馬鹿みたいだ。
脳裏を過るのは、自分の心を殺し続けた日々。悲しくても、辛くても、自分の気持ちにずっと蓋をしていた毎日。何度も何度も溢れそうな気持を何度も何度も押し殺してきた。そうしないと、自分が壊れてしまうから。自分を守るために、何度も何度も自分を殺した。
(ーーーだって、誰も私を救ってはくれないから)
自分を救えるのは、自分だけ。そう思って生きてきた。
__だからこそ“彼”の”あの言葉”は
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「……やっと、帰ってくれたか」
やれやれというふうに困ったようなため息交じりの声がして、物思いにふけっていた私は我に返る。同時に私の方に回されていたライトの腕が緩んだ。肩に触れていたぬくもりが離れていく。
「ごめん、イチカ、いきなり抱き寄ーーー……」
振り返ったそう何事か言いかけた瞬間、ライトははっと息を飲んだ。次いで
「イチカ、どこか痛むのか!?」
驚き、気遣うような声がし、思わず顔を上げると心配そうに私の顔を覗き込む蒼い双眸と目があった。
(痛い?何が?)
慌てたような表情を浮かべるライトに、
「どうしたの?ライト、私は痛くなんかー--」
そう言いかけた瞬間、夜風が頬を撫で、頬の冷たさで一瞬目をしかめる。
(冷たいーーー、なんで?)
思わず頬に手を当てると指に液体が付着した。目の前にかざし、見ると“ソレ”は透明な液体のようだ。“ソレが”自らが流した涙だと気が付くのにいくばくの時間もかからない。
(そうか、泣いていたんだ。私)
他人事のように目を瞬かせてしまう。吸い込まれそうな碧眼の瞳に映る私の両眼からは確かに涙の跡が見て取れた。
「痛くないのか!?なら、俺に抱き寄せられたのが嫌だっーーー」
「っ……違うの、ライト。違うのよ」
「違うって、でも泣いてーーー」
突然泣き出してしまった私を気遣う優しい“彼”を見て、じんわりとあたたかいものが胸に広がり、先ほどの“彼”の“あの言葉”を思い出す。
「__違う、本当に違うのよ……っ」
(悲しいわけではない、辛いわけでもない)
(___なのに、なんで......)
(止まらないの___)
嗚咽を止めようと何度も何度も試みるけれど、一向に止まらず、堪り兼ねた私は戸惑っている様子の“彼”に言葉をかけた。
「っ……ライト、ご……めん……ね。もう…少…しで泣き……止むから」
“ライトは家に戻っていていいんだよ”、そう口を開きかけた瞬間
「ごめん、イチカーー」
そんな、どこか意を決したような声がして、黄金色の何かが視野の端を捉え、あたたかな何かに包まれる。右頬に何かが当たって少しくすぐったい。ライトの腕の中にいるのだと気が付いた時にはもう遅くてーーー。
「……ーー無理に泣き止まないでいいから」
そういってぎこちなく私の髪を撫でる手があまりにも優しくて――……
「っ……、ぅ……」
私は両目から溢れる涙を止めることができなかった。
【俺がイチカを守ると約束しました】
いくら責め立てられても、理不尽に怒鳴られても誰一人私を救ってはくれなかった。
だから、自分の心を殺して何度も殺してでしか、自分の心を守る術がわからなくなって……。
“彼”にとっては何ともない言葉だったのかもしれない。
けれど、陽だまりのような優しい言葉は、私の心を揺さぶるには十分で__。
「......あり...が...とう.....っ、ライト.....」
(この言葉を誰かに言ってもらいたかったんだ)
私の溢れる涙が止まるまで、何も言わず“彼”は傍にいてくれた。
『イ、イチカ殿はハワード殿にそんなにも想われて羨ましい限りですな。そ、それでは今日はこの辺りで失礼!』
ライトの冷ややかな眼光に耐えかねたのか、エトワールはどこか上擦り、バツが悪そうな声で、そんな言葉を吐き捨てた。そして、そのまま翻って元来た道を慌てたように駆けていく。馬車に乗り込む際“お前たち、さっさと城に戻るぞ!!”と不機嫌そうな怒鳴り声が聞こえたが、今は遠くで馬のひづめの音が聞こえ、辺りは静寂が戻る。
(嫌なことを思い出した__)
小走りで走り去った小太りな中年男の姿を私の視野から隠すように守っていてくれた大きな影が安堵したように肩を落とす気配がして、私は気づかれないようにそっと息を吐いた。額に浮かんだ汗がひどく気持ち悪い。
(もう、いない___けど、似ている、本当に似ている……)
エトワールの不機嫌そうな怒鳴り声とあの忌々しい上司の声が重なってしまったせいか、思い出されるのは地獄のような理不尽な日々。声が似ている、ただそれだけのことで思い出されてしまうのか。毎日罵詈雑言で罵られ、息苦しかったあの日々と決別するために仕事を辞めたのに、私の心は今なおあの頃に囚われてしまっているのか。
『野々原くん、今日までにこの30枚の資料まとめておいてって言ったよな!』
『えっ……それは、聞いてなーー』
『じゃあ、今言ったから、あと一時間でまとめておけよ。お前ならできるだろ』
『……っ』
(無理難題を押し付けられるのは、日常茶飯事で)
『野々原さん、なんで、まだ出来ていないのかしら?』
『大変申し訳ございません。ですが、今日主任に言われたのでーー』
『主任は2週間前に言ったといっていたけれど?』
(保身に走るクソ上司。自分を守るために、他者を犠牲にしてもお構いなし)
『そん……なっ……』
『言い訳をして、可愛げがない。明日までに資料をまとめて、5万字の始末書も書きなさい』
『……』
『返事は?』
『……っ、はい』
見て見ぬふりをする同僚たちは自分に火が飛ばないように無言でキーボードを叩くだけ。
(__聞いていたはずなのに、誰もかばってはくれなかった)
……ーー本当、馬鹿みたいだ。
脳裏を過るのは、自分の心を殺し続けた日々。悲しくても、辛くても、自分の気持ちにずっと蓋をしていた毎日。何度も何度も溢れそうな気持を何度も何度も押し殺してきた。そうしないと、自分が壊れてしまうから。自分を守るために、何度も何度も自分を殺した。
(ーーーだって、誰も私を救ってはくれないから)
自分を救えるのは、自分だけ。そう思って生きてきた。
__だからこそ“彼”の”あの言葉”は
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「……やっと、帰ってくれたか」
やれやれというふうに困ったようなため息交じりの声がして、物思いにふけっていた私は我に返る。同時に私の方に回されていたライトの腕が緩んだ。肩に触れていたぬくもりが離れていく。
「ごめん、イチカ、いきなり抱き寄ーーー……」
振り返ったそう何事か言いかけた瞬間、ライトははっと息を飲んだ。次いで
「イチカ、どこか痛むのか!?」
驚き、気遣うような声がし、思わず顔を上げると心配そうに私の顔を覗き込む蒼い双眸と目があった。
(痛い?何が?)
慌てたような表情を浮かべるライトに、
「どうしたの?ライト、私は痛くなんかー--」
そう言いかけた瞬間、夜風が頬を撫で、頬の冷たさで一瞬目をしかめる。
(冷たいーーー、なんで?)
思わず頬に手を当てると指に液体が付着した。目の前にかざし、見ると“ソレ”は透明な液体のようだ。“ソレが”自らが流した涙だと気が付くのにいくばくの時間もかからない。
(そうか、泣いていたんだ。私)
他人事のように目を瞬かせてしまう。吸い込まれそうな碧眼の瞳に映る私の両眼からは確かに涙の跡が見て取れた。
「痛くないのか!?なら、俺に抱き寄せられたのが嫌だっーーー」
「っ……違うの、ライト。違うのよ」
「違うって、でも泣いてーーー」
突然泣き出してしまった私を気遣う優しい“彼”を見て、じんわりとあたたかいものが胸に広がり、先ほどの“彼”の“あの言葉”を思い出す。
「__違う、本当に違うのよ……っ」
(悲しいわけではない、辛いわけでもない)
(___なのに、なんで......)
(止まらないの___)
嗚咽を止めようと何度も何度も試みるけれど、一向に止まらず、堪り兼ねた私は戸惑っている様子の“彼”に言葉をかけた。
「っ……ライト、ご……めん……ね。もう…少…しで泣き……止むから」
“ライトは家に戻っていていいんだよ”、そう口を開きかけた瞬間
「ごめん、イチカーー」
そんな、どこか意を決したような声がして、黄金色の何かが視野の端を捉え、あたたかな何かに包まれる。右頬に何かが当たって少しくすぐったい。ライトの腕の中にいるのだと気が付いた時にはもう遅くてーーー。
「……ーー無理に泣き止まないでいいから」
そういってぎこちなく私の髪を撫でる手があまりにも優しくて――……
「っ……、ぅ……」
私は両目から溢れる涙を止めることができなかった。
【俺がイチカを守ると約束しました】
いくら責め立てられても、理不尽に怒鳴られても誰一人私を救ってはくれなかった。
だから、自分の心を殺して何度も殺してでしか、自分の心を守る術がわからなくなって……。
“彼”にとっては何ともない言葉だったのかもしれない。
けれど、陽だまりのような優しい言葉は、私の心を揺さぶるには十分で__。
「......あり...が...とう.....っ、ライト.....」
(この言葉を誰かに言ってもらいたかったんだ)
私の溢れる涙が止まるまで、何も言わず“彼”は傍にいてくれた。
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