甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

Love gauge:40 可愛い過ぎるビジネスバートナー

＊8＊

Tシャツ越しに冷たい感触がして見てみると白いシャツが抹茶色に染まっていた。小豆もついている。反射的にユニに触れてしまったのでソフトクリームのことを気にしていなかった。

「ごめん！美味しそうだったからつい・・・。」

「！？」

「や、その、アイスが！あ！ちょうどゲームにこんなシーンあったし！」

アイスよりもカチカチに固まるユニに対し慌てて言った言い訳は、深紅のバラよりもずっと真っ赤な嘘だ。味わいたかったのはアイスではなく彼女だし、確かに翻訳中のゲームに同じシチュエーションはあるが、今ここに翻訳者の若泉透葵わかいずみときは1%も存在していない。ここにいる俺は100%『中の人』だ。

「い、いえ、大丈夫です。そう、ありましたよね、こんなシーン。確か遊園地のシーンで・・・。」

全然大丈夫じゃなさそうにユニは言う。まずい。なんてことをしてしまったんだ。唇ではないとは言え、かなりがっつりと触れてしまった。彼女の瞳は動揺で揺れていて、その視線を向けられた俺はますますうろたえてしまう。

───胸が騒がしくて落ち着かない・・・けど居心地がいい、なんだこの感じ・・・。