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Love gauge:30 楽し過ぎる夜
*2*
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いつもはスカートが多いけれど今日はたまたまスキニーパンツを履いていた。くっきりと形を表しているお尻に透葵さんの太股の感触、背中には彼の体温、首には吐息を感じる。そして私の体の前で交差された彼の腕は私の胸に思いきり触れている。
「・・・どう?」
「え、えーとあの、お・・・。」
「お?」
聞いてくる彼の声が耳の隣にある。いや、むしろ耳に直接言葉を送り込んでいるのでその一文字が私の体を急速加熱していく。まるで石焼き鍋みたいだ、と思った。高温に熱した石をお鍋に入れて一気に沸騰させ食材に熱を通す秋田県の郷土料理だ。
「お、お尻が・・・。」
「尻がどうした?」
「透葵さんの・・・。」
「トキ。」
「トットキ・・・の、太股に乗っかってるのは、恥ずかしいんですけど・・・でも、後ろから抱きしめられるのはその・・・すごく・・・。」
「ん?」
「こっ心地よくて・・・背中でトキ・・・の鼓動を感じられて、その、声も近くて、ドキドキして・・・。」
「うん。ユニ、体熱くなってる。」
そう言われてますます体がカッと熱くなったところを更にぎゅっとされて胸が押し潰された。それから『顔見せて。』と言って顔を覗きこもうとしてくる。
「む、無理!駄目です!」
必死に顔を横に逸らしていると、動けないように体を押さえて顔を見ようとしてくる。
「や、やだ・・・。」
「ユニ、俺のこと見て。」
真剣な声でそんなことを言うのはずるい。抵抗をやめて真っ直ぐな視線が顔に注がれた次の瞬間、体が持ち上げられるのを感じた。
今や私のお尻の下にあるのは透葵さ・・・トキの温かい太股ではなく、自分のパソコンチェアだった。
彼を見ると、今の触れ合いを翻訳にいかすために一心不乱にキーボードを叩いていた。
「・・・どう?」
「え、えーとあの、お・・・。」
「お?」
聞いてくる彼の声が耳の隣にある。いや、むしろ耳に直接言葉を送り込んでいるのでその一文字が私の体を急速加熱していく。まるで石焼き鍋みたいだ、と思った。高温に熱した石をお鍋に入れて一気に沸騰させ食材に熱を通す秋田県の郷土料理だ。
「お、お尻が・・・。」
「尻がどうした?」
「透葵さんの・・・。」
「トキ。」
「トットキ・・・の、太股に乗っかってるのは、恥ずかしいんですけど・・・でも、後ろから抱きしめられるのはその・・・すごく・・・。」
「ん?」
「こっ心地よくて・・・背中でトキ・・・の鼓動を感じられて、その、声も近くて、ドキドキして・・・。」
「うん。ユニ、体熱くなってる。」
そう言われてますます体がカッと熱くなったところを更にぎゅっとされて胸が押し潰された。それから『顔見せて。』と言って顔を覗きこもうとしてくる。
「む、無理!駄目です!」
必死に顔を横に逸らしていると、動けないように体を押さえて顔を見ようとしてくる。
「や、やだ・・・。」
「ユニ、俺のこと見て。」
真剣な声でそんなことを言うのはずるい。抵抗をやめて真っ直ぐな視線が顔に注がれた次の瞬間、体が持ち上げられるのを感じた。
今や私のお尻の下にあるのは透葵さ・・・トキの温かい太股ではなく、自分のパソコンチェアだった。
彼を見ると、今の触れ合いを翻訳にいかすために一心不乱にキーボードを叩いていた。
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