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Love gauge:10 甘過ぎるお仕事

*10*

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「・・・すみません、ありが・・・」

立ち上がりながらお礼を言うが言い終わらぬうちに若泉さんは私のカートに卵を入れ、そそくさと去っていった。

───ああぁ、恥ずかしいところ見られちゃったなぁ。

しゅんとしながらお会計を済ませエコバッグ2つに買ったものを詰める。パンパンになったバッグを両手に持ち『重・・・』と思いながら出口を出るとそこに若泉さんがいた。

「!?・・・あ、さっきはありが・・・。」

先程言いそびれたお礼を言おうとすると彼は無言で私のエコバッグを両方ひったくった。

「え!?あの・・・。」

「安売りだからってこんなに買って・・・また落として食材無駄にしかねないからな。」

「そ、そんな悪いです!」

「どうせ同じとこに帰るんだし。」

「そ、そうですけど、でも・・・。」

そう言って食い下がると彼は苛立った様子になった。

「しつこいな。俺はあんたじゃなくて食材の心配してんの。うち実家農家で、育てる大変さ目の前で見てきたから。」

そう言われて何も返せなかった。

「すみません、じゃあお言葉に甘えて・・・あれ?若泉さんが買ったものは?カゴ持ってましたよね?」

「戻してきた。別に急いで必要なもんじゃないし。」

「えっ!?それって・・・。」

───もしかして私の荷物を持って帰ってくれる為に、選んだ商品をわざわざ戻して待っててくれたってこと・・・?

漫画みたいに胸がキュンと鳴ったので思わず胸を押さえてしまう。
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