甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

Love gauge:0 塩過ぎるイケメン

＊8＊

作業を進めていると若泉さんが起きてくる。彼は朝食はとらないタイプなので彼が水を一杯飲みシャワーを浴びてまた水を一杯飲んだら始業となる。

最初の日に若泉さんが『作業時間て何時から何時までって決めた方がいいの？』と聞いてくれたけれど、普段通り翻訳者さんの気分が乗る時間に翻訳を進めてもらうのが良い訳文を作る為には最適だと思いそう答えた。

会社が用意した家具付きのウィークリーマンションは2LDKで、私の部屋より広い彼の部屋がオフィスとなっていた。

同じ家に住んではいるが仕事以外は完全に別々だった。食事の準備や後片付けは各々で行っていて、洗濯もそれぞれ、ゴミも自分の分だけ出していた。

共用部分の掃除はお風呂はそれぞれ自分が使用した後に掃除をし（私は湯船派、彼はシャワー派だった）、どちらかがリビングに掃除機をかけたらもう片方がトイレ掃除をする、といった具合でなんとなく分業していた。

リビングのごみ箱も洗面所のドライヤーも2つずつ置いてあった。歯ブラシが並んでいてもその間に甘さは皆無だった。