47 / 64
第一章 幼少期編
45.冒険者ギルド
しおりを挟む
冒険者ギルド。
地球の読み物の中に時々出てきた組織だ。
街中のおつかいや薬草の採取から行商の護衛や魔物の討伐まで、様々な仕事をこなす所謂何でも屋だ。
ギルドには等級が存在し、低級の者が簡単な仕事をこなして信用と実力を得れば等級が上がっていく。
等級を上げて実力を付ければ、億万長者も夢じゃない! みたいな夢のある組織だったと思う。
「なるほど、冒険者ギルドか……確かにそんな組織があれば、薬草の安定供給も可能にはなるだろう。しかしそうなると少し話が大きくなりすぎるな……」
確かに、新たにギルドを作るなんて簡単に出来ることではないだろう。
特にガリウスと対立するのは目に見えている。
「しかし発想としては面白い。少しその案で考えてみるとしよう。先ずは人員だが――」
そうして父さんは俺の案を基に動き出すことにしたようだ。
一方俺の知っていることは全て父さんに話したので、俺が現段階で出来ることはないそうだ。
各方面との話し合いは、俺の事情を話すのでなければ俺がいるのは不自然だからな。
ダヴィンロード男爵の時の様に断られることもあるだろうから、とりあえずは父さんだけで動くことにするらしい。
◇◇◇◇
「と言う訳で、ちょっと郊外の林に出て実地訓練でもしようか」
「いや、どういう訳っすか。というか、領主の孫がそんな簡単に街の外をぶらついて良いんすか?」
俺の提案に、護衛として付いているジャックスが口を挟んでくる。
父さんが冒険者ギルド設立の為に動いている間、俺は自分の訓練に勤しむよう父さんに言いつけられた。
父さんはこの冒険者ギルド設立に際し、医薬ギルドだけではなく商業ギルドや他のギルドも巻き込む算段でいるらしい。
しかしその際、おそらく俺の契約魔法の力も必要になると考えている様だ。
だから今俺がすべきなのは、地力を少しでも上げて能力の向上を図ることらしい。
契約魔法の熟練度に関しては、現在お祖母様がブリオン王国で契約書を使用してくれていることに期待するとして、残りは従属契約についてか。
『己よりも下位の存在』と契約出来るらしいから、俺はその存在を上げて行きたいのだが……。
とりあえずは、属性魔法の習得と、放置気味になっていたライムの能力についての検証だな。
「大丈夫大丈夫。これは父さんからの指示でもあるから。うちの兵士の人たちと母さん連れていくなら問題ないだろうってさ」
「まぁ、マリアンヌ様が一緒なら怪我しても大丈夫でしょうけど……」
心配そうな顔をするジャックスに、ソフィーネが首を傾げて尋ねる。
「……ジャック……ビビッてる?」
「ビビってねぇよ! アル様が怪我しねぇか心配してただけだ!」
「……わかった。そういうことにしといてあげる」
そう言って、ジャックスの肩をポンポンと優しく叩くソフィーネ。
「いや、ぜってぇ分かってねぇだろ! ていうかお前分かって言ってるだろ!?」
「……ジャック、落ち着いて。戦いを怖れることは別に恥じゃない。それを乗り越えてこそ、一人前の戦士になれるというもの」
「ほんっとお前、人をおちょくる時は饒舌だな!?」
煽られるジャックスに、にっこりと嬉しそうに微笑むソフィーネ。
「二人とも分かったから。ソフィもあんまり煽っちゃだめだよ」
「……主、別に煽っていない。ちょっと馬鹿にしてるだけ」
「一緒だからな!?」
「はぁ……」
二人のいつものやり取りにため息をつきつつ、俺は林に行く準備をすることにした。
◇◇◇◇
林に行く馬車の中、俺とマリアンヌ母さん、そしてジャックスとスライムのライムが向き合って話をしている。
「こうしてアルと一緒に林に行くのも久しぶりね。ライムちゃんと契約した時以来だから、半年ぶりかしら?」
「うん、そのくらいかな? あの時は結局ライムの強さは把握出来なかったから、一度確認しておきたかったんだ。それに僕の属性魔法の練習も、中庭ではそろそろ難しくなってきたからね」
ライムは現在ホーンラビットの姿に変身した状態で、母さんの膝の上に座っている。
前回は主従契約の確認だけで時間が無くなってしまった。
その後も奴隷の事や各貴族との対応、それから自分の訓練で手いっぱいで中々外に行く機会が無かったのだ。
「しかしスライムのテイムなんて、本当にアル様の契約魔法は突き抜けていますよね」
向いに座ったジャックスが少し丁寧な言葉遣いで俺に声を掛ける。
母さんが同席しているため、少し気を遣っているのだろう。
言っている内容は失礼だと思うが。
「ふふ、ジャック君。そんなに気を遣わなくて大丈夫よ? あなたはもう私たちの家族みたいなものなのだから。もっと気楽にして頂戴」
「い、いえ。流石にそれは……」
母さんの言葉に、ジャックスが顔を赤らめ慌てて俯く。
マリアンヌ母さんは美人だからなぁ。ジャックスの反応も分からなくはない。
そんな彼の反応を見て、馬車の外で乗馬して並走しているソフィーネが声を掛けてくる。
「……初心?」
「お、お前っ……!」
反論しようとするジャックスだが、母さん同席していることを思い出し慌てて口を噤む。
そんな二人を見てクスクスと笑い出すマリアンヌ母さん。
一方のジャックスは余計に身体を小さくしてしまった。
現在ソフィーネは馬車に同席はせず、外で索敵要員に駆り出されている。
彼女の種族であるエルフ族は、人族と比べて五感や魔力に優れている。
逆に力は他種族に比べて劣っている様だ。
ソフィーネはその五感に加えて魔力視のスキルを所持している。
このスキルは人や魔物の魔力を視覚として把握することが出来、遠くの魔物でも色の変化で察知することが出来るらしい。
サーモグラフィーの様なものだろうか。
一方ジャックスが馬車に同席しているのは、いざという時の盾役らしい。
彼は超回復というスキルを所持しており、少々の怪我ならすぐに回復してしまう。
また身体強化魔法も既に習得しており、盾の技量もそれなりにあるそうだ。
奴隷を盾役にすることに若干の忌避感を感じる部分もあったが、ジャックスに“三歳児にそんな気を遣われると情けなくなるんでやめて下さい”と言われてしまった。
確かに戦闘になれば、それぞれの役割に分かれて戦うことになるんだから、そいうものだと割り切るしかないだろう。
「二人とも、これからもアルの事よろしくお願いしますね」
「「……はい」」
マリアンヌ母さんに優しくお願いされ、素直に返事をする二人。
これからも二人が喧嘩をし始めたら、母さんに仲裁を頼むのがいいかもしれないな。
地球の読み物の中に時々出てきた組織だ。
街中のおつかいや薬草の採取から行商の護衛や魔物の討伐まで、様々な仕事をこなす所謂何でも屋だ。
ギルドには等級が存在し、低級の者が簡単な仕事をこなして信用と実力を得れば等級が上がっていく。
等級を上げて実力を付ければ、億万長者も夢じゃない! みたいな夢のある組織だったと思う。
「なるほど、冒険者ギルドか……確かにそんな組織があれば、薬草の安定供給も可能にはなるだろう。しかしそうなると少し話が大きくなりすぎるな……」
確かに、新たにギルドを作るなんて簡単に出来ることではないだろう。
特にガリウスと対立するのは目に見えている。
「しかし発想としては面白い。少しその案で考えてみるとしよう。先ずは人員だが――」
そうして父さんは俺の案を基に動き出すことにしたようだ。
一方俺の知っていることは全て父さんに話したので、俺が現段階で出来ることはないそうだ。
各方面との話し合いは、俺の事情を話すのでなければ俺がいるのは不自然だからな。
ダヴィンロード男爵の時の様に断られることもあるだろうから、とりあえずは父さんだけで動くことにするらしい。
◇◇◇◇
「と言う訳で、ちょっと郊外の林に出て実地訓練でもしようか」
「いや、どういう訳っすか。というか、領主の孫がそんな簡単に街の外をぶらついて良いんすか?」
俺の提案に、護衛として付いているジャックスが口を挟んでくる。
父さんが冒険者ギルド設立の為に動いている間、俺は自分の訓練に勤しむよう父さんに言いつけられた。
父さんはこの冒険者ギルド設立に際し、医薬ギルドだけではなく商業ギルドや他のギルドも巻き込む算段でいるらしい。
しかしその際、おそらく俺の契約魔法の力も必要になると考えている様だ。
だから今俺がすべきなのは、地力を少しでも上げて能力の向上を図ることらしい。
契約魔法の熟練度に関しては、現在お祖母様がブリオン王国で契約書を使用してくれていることに期待するとして、残りは従属契約についてか。
『己よりも下位の存在』と契約出来るらしいから、俺はその存在を上げて行きたいのだが……。
とりあえずは、属性魔法の習得と、放置気味になっていたライムの能力についての検証だな。
「大丈夫大丈夫。これは父さんからの指示でもあるから。うちの兵士の人たちと母さん連れていくなら問題ないだろうってさ」
「まぁ、マリアンヌ様が一緒なら怪我しても大丈夫でしょうけど……」
心配そうな顔をするジャックスに、ソフィーネが首を傾げて尋ねる。
「……ジャック……ビビッてる?」
「ビビってねぇよ! アル様が怪我しねぇか心配してただけだ!」
「……わかった。そういうことにしといてあげる」
そう言って、ジャックスの肩をポンポンと優しく叩くソフィーネ。
「いや、ぜってぇ分かってねぇだろ! ていうかお前分かって言ってるだろ!?」
「……ジャック、落ち着いて。戦いを怖れることは別に恥じゃない。それを乗り越えてこそ、一人前の戦士になれるというもの」
「ほんっとお前、人をおちょくる時は饒舌だな!?」
煽られるジャックスに、にっこりと嬉しそうに微笑むソフィーネ。
「二人とも分かったから。ソフィもあんまり煽っちゃだめだよ」
「……主、別に煽っていない。ちょっと馬鹿にしてるだけ」
「一緒だからな!?」
「はぁ……」
二人のいつものやり取りにため息をつきつつ、俺は林に行く準備をすることにした。
◇◇◇◇
林に行く馬車の中、俺とマリアンヌ母さん、そしてジャックスとスライムのライムが向き合って話をしている。
「こうしてアルと一緒に林に行くのも久しぶりね。ライムちゃんと契約した時以来だから、半年ぶりかしら?」
「うん、そのくらいかな? あの時は結局ライムの強さは把握出来なかったから、一度確認しておきたかったんだ。それに僕の属性魔法の練習も、中庭ではそろそろ難しくなってきたからね」
ライムは現在ホーンラビットの姿に変身した状態で、母さんの膝の上に座っている。
前回は主従契約の確認だけで時間が無くなってしまった。
その後も奴隷の事や各貴族との対応、それから自分の訓練で手いっぱいで中々外に行く機会が無かったのだ。
「しかしスライムのテイムなんて、本当にアル様の契約魔法は突き抜けていますよね」
向いに座ったジャックスが少し丁寧な言葉遣いで俺に声を掛ける。
母さんが同席しているため、少し気を遣っているのだろう。
言っている内容は失礼だと思うが。
「ふふ、ジャック君。そんなに気を遣わなくて大丈夫よ? あなたはもう私たちの家族みたいなものなのだから。もっと気楽にして頂戴」
「い、いえ。流石にそれは……」
母さんの言葉に、ジャックスが顔を赤らめ慌てて俯く。
マリアンヌ母さんは美人だからなぁ。ジャックスの反応も分からなくはない。
そんな彼の反応を見て、馬車の外で乗馬して並走しているソフィーネが声を掛けてくる。
「……初心?」
「お、お前っ……!」
反論しようとするジャックスだが、母さん同席していることを思い出し慌てて口を噤む。
そんな二人を見てクスクスと笑い出すマリアンヌ母さん。
一方のジャックスは余計に身体を小さくしてしまった。
現在ソフィーネは馬車に同席はせず、外で索敵要員に駆り出されている。
彼女の種族であるエルフ族は、人族と比べて五感や魔力に優れている。
逆に力は他種族に比べて劣っている様だ。
ソフィーネはその五感に加えて魔力視のスキルを所持している。
このスキルは人や魔物の魔力を視覚として把握することが出来、遠くの魔物でも色の変化で察知することが出来るらしい。
サーモグラフィーの様なものだろうか。
一方ジャックスが馬車に同席しているのは、いざという時の盾役らしい。
彼は超回復というスキルを所持しており、少々の怪我ならすぐに回復してしまう。
また身体強化魔法も既に習得しており、盾の技量もそれなりにあるそうだ。
奴隷を盾役にすることに若干の忌避感を感じる部分もあったが、ジャックスに“三歳児にそんな気を遣われると情けなくなるんでやめて下さい”と言われてしまった。
確かに戦闘になれば、それぞれの役割に分かれて戦うことになるんだから、そいうものだと割り切るしかないだろう。
「二人とも、これからもアルの事よろしくお願いしますね」
「「……はい」」
マリアンヌ母さんに優しくお願いされ、素直に返事をする二人。
これからも二人が喧嘩をし始めたら、母さんに仲裁を頼むのがいいかもしれないな。
0
お気に入りに追加
3,957
あなたにおすすめの小説
前世の記憶を思い出した皇子だけど皇帝なんて興味ねえんで魔法陣学究めます
当意即妙
BL
ハーララ帝国第四皇子であるエルネスティ・トゥーレ・タルヴィッキ・ニコ・ハーララはある日、高熱を出して倒れた。数日間悪夢に魘され、目が覚めた彼が口にした言葉は……
「皇帝なんて興味ねえ!俺は魔法陣究める!」
天使のような容姿に有るまじき口調で、これまでの人生を全否定するものだった。
* * * * * * * * *
母親である第二皇妃の傀儡だった皇子が前世を思い出して、我が道を行くようになるお話。主人公は研究者気質の変人皇子で、お相手は真面目な専属護衛騎士です。
○注意◯
・基本コメディ時折シリアス。
・健全なBL(予定)なので、R-15は保険。
・最初は恋愛要素が少なめ。
・主人公を筆頭に登場人物が変人ばっかり。
・本来の役割を見失ったルビ。
・おおまかな話の構成はしているが、基本的に行き当たりばったり。
エロエロだったり切なかったりとBLには重い話が多いなと思ったので、ライトなBLを自家供給しようと突発的に書いたお話です。行き当たりばったりの展開が作者にもわからないお話ですが、よろしくお願いします。
2020/09/05
内容紹介及びタグを一部修正しました。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
奴隷の少女を最終的に妻に迎えたいので買ってきた
たかはし
恋愛
男達は思った。
『少女ってかわいいよね!』『更に奴隷で俺に口応えとかできないといいよな!』『かわいくて俺に逆らえないとか最高じゃあないか?』『吾輩奴隷少女をペロペロしたいであります!』『更に更に少女と結婚したい願望が僕にはある!』
こうして立ちあがった5人の変態達は逆らえない少女を手にするべく奴隷市場へと足を運んだ。
フィリス・ガランの近衛生活
かざみはら まなか
BL
主人公のフィリス・ガランは、コーハ王国のガラン子爵家当主の4男。
ストーリー重視。
成人の15歳になったら、領地に引きこもる人生設計だったフィリスは、近衛になり、近衛別働隊総司令に就任。
国内外で活躍する。
主人公視点だけでなく、主人公以外の登場人物の視点や、第三者視点も有り。
R18の性描写について。
主人公のフィリスは受け専門で、攻めは男だが、ストーリー上、関係する相手が複数いる。人間、人外、動物型の人外を含む。
コーハ王国は歴史ある強国の1つ。
ガラン子爵家は、コーハ王国の建国以来、3カ国と隣接する広大な領地を統治して、国境を守ってきた世界有数の資産家。
フィリスとその家族は、異世界転生者や異世界転移者ではないが、異世界転生者や転移者は複数登場する。
王侯貴族、宗教国家、一般人、軍隊、傭兵、奴隷、アンダーグラウンドな集団、異世界人、人外など、登場人物や背景、舞台は多岐に渡る予定。
殺人や誘拐を始めとする犯罪や、宗教、政治的謀略、戦争、同意のない性行為、同意の上での性行為、複数での性行為の記述が少なくない内容になりそう。
書くのに必死なので、項目ごとの注意喚起はしない予定。
剣や魔法がある異世界ファンタジー。呪い、神、聖獣、神獣、獣人、精霊、妖精、お化けなど何でもあり。
異世界人の扱いに慎重な世界。
話が進むに連れて、色々解明したり、新しく問題が起きたりして、展開していく。
悪役は静かに退場したい
藍白
BL
旧題:悪役は静かに退場したい・オメガバース
横断歩道の信号待ちをしているとき、突然大きな音が耳に飛び込んだ。咄嗟に近くにいる小学生を助けたが、自分がトラックに跳ねられてしまう。
『三人の攻略対象のルートをクリアしたので、隠しシナリオが現れたよ。やってみる?』
落としたスマホの画面から現れたゲーム説明のテロップに、迷わず『はい』を選択した。その瞬間、スマホの画面から現れている光に包まれる。
目を開ければ、既視感を覚える西洋風の建物の中に立っていた。
トラックに跳ねられたはずなのに、何故生きているのか。
不思議に思っていたら、目の前を通った学生の肩が、黒髪の学生の肩とぶつかってしまう。学生はバランスを崩して階段から落ちそうだ。咄嗟に学生の腕を掴んで引き寄せるが、自分の方が反動で階段から落ちてしまう。
トラックに跳ねられた続きだろうかと思う程の出来事に、これは夢ではないかと感じられる。
「危ないっ」
緊迫した低い声が耳に入った瞬間、体中を包み込まれるような衝撃を感じた。下腹に疼くような違和感を覚えながら、鼻腔に香ってくる甘い匂いを辿ると、この世の者とは思えないほど美しい青年に助けられていた。
再び目を開けたら、ベッドに寝かされていて、若い男性たちに叱責されている。何故だか「リアム」と呼ばれ首を傾げるが、鏡に映った自分の姿に衝撃が走る。ゲームに出ていた悪役令息リアム・ベルに転生しているではないか。
――雪。
主人公。クリスマスパーティー。攻略対象。王太子。そして悪役令息、断罪イベント。
脳内に次々とキーワードのような言葉が流れ込んでくる。
『デスティニー~ あなたと恋する未来へ~』は、ボーイズラブのゲームだ。プレイヤーは主人公になり、選択肢した攻略対象の好感度を上げて、ハッピーエンドを目指す。攻略対象は、王太子や騎士系、文官系の学生たちが用意されている。
主人公の恋の邪魔をするのが悪役令息リアム・ベルだ。
そのリアムに、何故自分が転生しているのか。
悪役令息リアム・ベルは、必ずバッドエンドになり、王太子ルートには死亡エンドまで用意されている。
ゲーム終了の卒業パーティーまで、あと三ヶ月。
バッドエンドの未来を回避出来るのだろうかと頭を抱えながら、ゲームの舞台である学園に向かうと、校門の前には、王太子オーウェンが待っていた。
好感度を上げることに失敗したら死亡エンドという状況の中、転生前からの夢を叶える為に、まずは生死を分けるテストイベントのクリアを目指す。
爽やか王太子アルファ×クール系だけれど甘えたがりなオメガ。
オメガバース・悪役令息系・シリアス、不憫切ない系からの、愛されざまあ系。
家出貴族と堅物淫魔の旅日誌
ごりごり浅知恵
BL
家出貴族のセオドアと、淫魔なのに生真面目なケイジュ。二人が異世界エレグノアを旅して美味しいものを食べ、きれいな景色を楽しみ、異世界の生き物と戦い、悩んだり迷ったりしながら恋愛する、仲良し紀行文です。
堅物淫魔×家出貴族でお送りします。
本格的な恋愛要素が出てくるまでしばらくかかります。
この作品はムーンライトノベルズとpixivにも投稿しています。
性描写がある話には○、挿入シーンがある話には◎をつけます。
おっさんが異世界で無双したりしなかったり
一条 治
ファンタジー
十条 修 40歳。色々あって異世界転移。「恵まれた日本でぬくぬくと生きてきた俺が見ず知らずの土地で生きていけると思う?」神様に無理言って、貰ったギフトはネットショッピング?奴隷のケモミミ幼女にエルフ美少女。ロ、ロリコンちゃうわ!ちょっと他人よりストライクゾーンが広いだけやし!!ミリタリーも好きだったりするよ。なかなか話が進みませんが、生温かい目で見守ってもらえると助かります。レーティングのR-15指定は念のためです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる