114 / 183
連載
はじめての……5
しおりを挟む
「先ほども思いましたが・タローさん曰く・トンボはマスコットに該当すると……」
「お黙り! マスコット違う! 保護者ですから!」
「……了解しました・修正します」
タロのアホな入れ知恵で気勢がそがれてしまったが、それでもまだわたしのテンションは高い。むしろ下げる方が大変だろう。
「よろしい! んじゃ、わたしの力を見せつけてあげようじゃないですか! こっちは例のアレを使って見たくてうずうずしてんだからさ!」
まぁとにもかくにも撃滅である。
所詮お使いと期待はしていなかったが、本当の所、こう言うわかりやすい敵を待っていたのだ!
「いくよ! 変身!」
わたしはズボンのポケットから黒い宝石を取り出し、高く掲げると、リボン風の光が数秒で体を包みこんだ。
輝く光はキンと眩く輝き、パチンと弾けて衣装に変わった。
光の中、着ている物が変化して、くるくる回って飛び出すわたしは、密かに練習していたポーズをバッチリ決める。
着地と同時に敵を指差し、スカートをふわりと揺らして、ここに今、封印されたあいつが帰って来た!
「さぁ! 悪を牛耳る、愛と正義の使者! マジカル☆トンボちゃんジャスティスが絶対正義を執行するわ!」
「おお……かっこいい」
「……なにあれ?」
エルエルがキラキラと目を輝かせ手を叩いている。
一方でトムは冷めた目でそれを見つめた。
なんというか先ほどまでの絶望感などなんのその、ジャスティスの正義の光は見たものすべてを混乱の坩堝に叩き落とす……もとい希望の光で照らすのである!
「それでどうするんだよ!」
どうにか正気を取り戻したトムが何か叫ぶと、今度はエルエルがどこからか取り出した設定資料を片手に、心なしか嬉しそうに解説していた。
「ジャスティスは・今回新たな目覚めのために・更なる改良を・加えられています。弱点だったポーズ機能は廃止されていますが・それを進化させて・かっこよく戦う事が出来るのです」
「……だからそれってなんなんですか?」
原理を説くのは野暮以外の何物でもない。考えるな、感じろと言うやつだ。
変身したわたしは高く空に跳び上がり、太陽を背にすると、燃える心を力に換えて、ゴブリン達に蹴りかかる。
ぎゅんぎゅん風の音がして、わたしの身体は炎になった。
「ジャスティス☆キィィィック!」
「ギィ!」
咄嗟に跳んでくる物体に殴り掛かったゴブリンだったが、吹き飛んでいたのはゴブリンの方だ。
鮮やかな蹴りを顔面に叩き込んだ妖精は、ゴブリンをつむじ風に巻き込まれた木の葉のごとく蹴散らすと、勢い余って地面を蹴り割る。
だがそんなめちゃくちゃな威力の攻撃だと言うのに、わたしは何のダメージもなく、あまつさえ様になったポーズまで決めて着地したのだ。
(コメンタリー)
太郎)ええジャスティスは、『戦う女の子』をテーマにしました。ついでに男の子にも喜んでもらえたらって所から『ジャスティス』ですね(笑)
戦い方もシンプルですよ、片っ端からぶっ飛ばすだけです。
でも言われちゃったんですよねー。これじゃぁ魔法少女と言うより戦士少女だって(笑)
時代がついてきてないなーって思いました。だから次の作品は魔法少女風にギミック多めにしたんですよ。ジャスティスもとっちゃってですね(笑)
派手な割に隙がなく、ゴブリン達に戦慄が走るのがよくわかる。
圧倒的戦力差で、畏怖を集めるのは控えめに言って快感だった。
ゴブリンですら鳴き声を飲み込む中、トムが唖然と呟いていた。
「……すごいけど訳が分からない」
「か・かっこいいです」
「!」
「でしょー!」
興奮しているらしいエルエルの応援に応えて、わたしは「うは!」っと楽しさが溢れるのを止められない。
その一方で視線を外した隙に襲い掛かってくるゴブリン共を見もしないで、鮮やかに沈めてゆく。
パンチやキックが飛び出すたびに「ズドン!」とか「ゴギャン!」とか小柄な体にあるまじき破壊音が響き渡って、なぜか攻撃が当たるたびにピンクの光が乱れ飛ぶのがお約束だ。
「でもなぜか・パンツは見えない」
「!」
「男が見ればそう思うだろうと・タローさんが言ってましたが・どうですか?」
「どうですかと言われても……。タローって人はどういう人なんです?」
トムは子供心に残念な人だとそう思っている顔をしていたが、わたしもそう思う。
「ふはははは! 弱い! 弱すぎるわ! そんなことで魔獣なんて呼ばれて恥ずかしくないのかしら!」
しかしあまりに簡単に攻撃が当たるものだから、なんだか変なスイッチ入って来た。
わたしこれもう最強なんじゃない?
これもうマオちゃんにも負けなくない?
この世の正義はわたしなんじゃない!?
これは一つ……必殺技の一つもみせちゃおっかな! 危ないけど!
葛藤などもう一秒も持たなかった。
「くらいぃぃぃやがれ! マジカァァルトンボ☆ノヴァ!」
わたしは胸の高さに両手でハート型を作ってタメた後、それを前に突き出すように打ち放つ。
するとハート形の真ん中に光が生まれて飛び出して―――周囲を巻き込み突如爆発。
続いて現れたハート形のピンク色の何かに巻き込まれた数十匹のゴブリン達が消失した。
かと思うと、秒後空に穴が開いて、団子になったゴブリンの一団がまとめてどさりと降ってきた。
彼らの目は皆一様にハートマークだった。
「……あれって魔法?」
恐れおののくトム少年。
一方エルエルは一人、冷や汗を拭うポーズをとる。
「まさか・マジカルトンボ☆ノヴァまで・使うなんて……。ちなみに・マジカルトンボ☆ノヴァとは、高エネルギーを愛の力で圧縮し・空間を超圧縮する・荒業です」
「意味が分からないのですけど……」
もう怖いとかそう言うのはどうでもよくなってしまったのか、何も現実が信じられなくなった目をした少年は一人呟くだけだ。
しかしさもありなんと頷くエルエルは、トムに理解を示しつつも、どこか寂しそうだった。
「そうですか……かっこよく・ないですか?」
悲しそうな表情をするエルエルに、大慌てしたトムはものすごい速さで首を振った。
「そ、そんなことないですよ! すごいカッコイイ! 最高です!」
「そうですか。私に・ただ言えることは・アレは男の子と女の子の夢の結晶だと言う事です」
「……それはどんなんでしょう」
さてエルエルも存分に楽しんでいるようだし、こっちもフィナーレとしよう。
わかってはいたが、ゴブリンではこのわたしの相手には弱すぎる。
そう思っていた矢先、わたしのトンボシールドに突然バシンと何かが跳ね返って、空の向こうに尾を引いて飛んで行った。
「ん? なにかな?」
衝撃をわたしに伝えるとは、中々の威力。
わたしはそこでようやく手を止めて、正義の実行を邪魔だてする曲者を目で追った。
「ほほう……我が一撃を耐えるとは、なかなかやる様だな? 妖精」
恐らくは魔法の放たれた方向から聞こえる低い声。
すると残っていたゴブリン達が一斉に引いて、声の主のために道を開けた。
なるほどこいつらも、何者かの支配下にあるらしい。
ゴブリン達が道を開けた先にあったのは巨大な岩だった。
しかし岩に突然ヒビが入ると、爆砕する。
ガラガラと崩れる岩の向こうから、拳をこちらに向けていたのは……上半身裸で佇む、ムキムキの男だった。
金の髪に赤い目は恐ろしく鋭く、しかしこれだけ鍛え上げられているというのに顔色はすこぶる悪い。
そう――――――それはまるで死人のようだ。
テンションが変になって無ければ「変態だー!」とでも叫んでいただろうが、わたしは男に向かって、きゃるんとウインクする。
「あら? 今度はいったい何なのかしら☆」
「ふん……ゴブリン共がうるさいと思って来てみれば、面白い者が迷い込んできたものだ」
台詞から漂う余裕は、きっと強者の証だろう。
だけどどんな相手でもジャスティスは、ジャスティスでなければいけないのである。
「あなたがここで悪さをしていた化け物ね! 絶対正義の名のもとに貴方の悪事を粉砕させていただくわ!」
「言ってくれるわ妖精風情が……吸血鬼を知らぬわけでもあるまい?」
「知らん」
本当に知らん。
男はこめかみのあたりに血管を浮かべるが、そんな事よりメインディッシュまで用意してくれているとは素晴らしい。
わたしは新たに現れた骨のありそうな相手に狙いを定めて、心を滾らせる。
幹部登場という展開に、エルエルは手に汗握っていた。
「新展開です・やはり・ジャスティスは・持っていますね」
「……何をですか?」
ギャラリーもいい具合に温まっているようだった。
「お黙り! マスコット違う! 保護者ですから!」
「……了解しました・修正します」
タロのアホな入れ知恵で気勢がそがれてしまったが、それでもまだわたしのテンションは高い。むしろ下げる方が大変だろう。
「よろしい! んじゃ、わたしの力を見せつけてあげようじゃないですか! こっちは例のアレを使って見たくてうずうずしてんだからさ!」
まぁとにもかくにも撃滅である。
所詮お使いと期待はしていなかったが、本当の所、こう言うわかりやすい敵を待っていたのだ!
「いくよ! 変身!」
わたしはズボンのポケットから黒い宝石を取り出し、高く掲げると、リボン風の光が数秒で体を包みこんだ。
輝く光はキンと眩く輝き、パチンと弾けて衣装に変わった。
光の中、着ている物が変化して、くるくる回って飛び出すわたしは、密かに練習していたポーズをバッチリ決める。
着地と同時に敵を指差し、スカートをふわりと揺らして、ここに今、封印されたあいつが帰って来た!
「さぁ! 悪を牛耳る、愛と正義の使者! マジカル☆トンボちゃんジャスティスが絶対正義を執行するわ!」
「おお……かっこいい」
「……なにあれ?」
エルエルがキラキラと目を輝かせ手を叩いている。
一方でトムは冷めた目でそれを見つめた。
なんというか先ほどまでの絶望感などなんのその、ジャスティスの正義の光は見たものすべてを混乱の坩堝に叩き落とす……もとい希望の光で照らすのである!
「それでどうするんだよ!」
どうにか正気を取り戻したトムが何か叫ぶと、今度はエルエルがどこからか取り出した設定資料を片手に、心なしか嬉しそうに解説していた。
「ジャスティスは・今回新たな目覚めのために・更なる改良を・加えられています。弱点だったポーズ機能は廃止されていますが・それを進化させて・かっこよく戦う事が出来るのです」
「……だからそれってなんなんですか?」
原理を説くのは野暮以外の何物でもない。考えるな、感じろと言うやつだ。
変身したわたしは高く空に跳び上がり、太陽を背にすると、燃える心を力に換えて、ゴブリン達に蹴りかかる。
ぎゅんぎゅん風の音がして、わたしの身体は炎になった。
「ジャスティス☆キィィィック!」
「ギィ!」
咄嗟に跳んでくる物体に殴り掛かったゴブリンだったが、吹き飛んでいたのはゴブリンの方だ。
鮮やかな蹴りを顔面に叩き込んだ妖精は、ゴブリンをつむじ風に巻き込まれた木の葉のごとく蹴散らすと、勢い余って地面を蹴り割る。
だがそんなめちゃくちゃな威力の攻撃だと言うのに、わたしは何のダメージもなく、あまつさえ様になったポーズまで決めて着地したのだ。
(コメンタリー)
太郎)ええジャスティスは、『戦う女の子』をテーマにしました。ついでに男の子にも喜んでもらえたらって所から『ジャスティス』ですね(笑)
戦い方もシンプルですよ、片っ端からぶっ飛ばすだけです。
でも言われちゃったんですよねー。これじゃぁ魔法少女と言うより戦士少女だって(笑)
時代がついてきてないなーって思いました。だから次の作品は魔法少女風にギミック多めにしたんですよ。ジャスティスもとっちゃってですね(笑)
派手な割に隙がなく、ゴブリン達に戦慄が走るのがよくわかる。
圧倒的戦力差で、畏怖を集めるのは控えめに言って快感だった。
ゴブリンですら鳴き声を飲み込む中、トムが唖然と呟いていた。
「……すごいけど訳が分からない」
「か・かっこいいです」
「!」
「でしょー!」
興奮しているらしいエルエルの応援に応えて、わたしは「うは!」っと楽しさが溢れるのを止められない。
その一方で視線を外した隙に襲い掛かってくるゴブリン共を見もしないで、鮮やかに沈めてゆく。
パンチやキックが飛び出すたびに「ズドン!」とか「ゴギャン!」とか小柄な体にあるまじき破壊音が響き渡って、なぜか攻撃が当たるたびにピンクの光が乱れ飛ぶのがお約束だ。
「でもなぜか・パンツは見えない」
「!」
「男が見ればそう思うだろうと・タローさんが言ってましたが・どうですか?」
「どうですかと言われても……。タローって人はどういう人なんです?」
トムは子供心に残念な人だとそう思っている顔をしていたが、わたしもそう思う。
「ふはははは! 弱い! 弱すぎるわ! そんなことで魔獣なんて呼ばれて恥ずかしくないのかしら!」
しかしあまりに簡単に攻撃が当たるものだから、なんだか変なスイッチ入って来た。
わたしこれもう最強なんじゃない?
これもうマオちゃんにも負けなくない?
この世の正義はわたしなんじゃない!?
これは一つ……必殺技の一つもみせちゃおっかな! 危ないけど!
葛藤などもう一秒も持たなかった。
「くらいぃぃぃやがれ! マジカァァルトンボ☆ノヴァ!」
わたしは胸の高さに両手でハート型を作ってタメた後、それを前に突き出すように打ち放つ。
するとハート形の真ん中に光が生まれて飛び出して―――周囲を巻き込み突如爆発。
続いて現れたハート形のピンク色の何かに巻き込まれた数十匹のゴブリン達が消失した。
かと思うと、秒後空に穴が開いて、団子になったゴブリンの一団がまとめてどさりと降ってきた。
彼らの目は皆一様にハートマークだった。
「……あれって魔法?」
恐れおののくトム少年。
一方エルエルは一人、冷や汗を拭うポーズをとる。
「まさか・マジカルトンボ☆ノヴァまで・使うなんて……。ちなみに・マジカルトンボ☆ノヴァとは、高エネルギーを愛の力で圧縮し・空間を超圧縮する・荒業です」
「意味が分からないのですけど……」
もう怖いとかそう言うのはどうでもよくなってしまったのか、何も現実が信じられなくなった目をした少年は一人呟くだけだ。
しかしさもありなんと頷くエルエルは、トムに理解を示しつつも、どこか寂しそうだった。
「そうですか……かっこよく・ないですか?」
悲しそうな表情をするエルエルに、大慌てしたトムはものすごい速さで首を振った。
「そ、そんなことないですよ! すごいカッコイイ! 最高です!」
「そうですか。私に・ただ言えることは・アレは男の子と女の子の夢の結晶だと言う事です」
「……それはどんなんでしょう」
さてエルエルも存分に楽しんでいるようだし、こっちもフィナーレとしよう。
わかってはいたが、ゴブリンではこのわたしの相手には弱すぎる。
そう思っていた矢先、わたしのトンボシールドに突然バシンと何かが跳ね返って、空の向こうに尾を引いて飛んで行った。
「ん? なにかな?」
衝撃をわたしに伝えるとは、中々の威力。
わたしはそこでようやく手を止めて、正義の実行を邪魔だてする曲者を目で追った。
「ほほう……我が一撃を耐えるとは、なかなかやる様だな? 妖精」
恐らくは魔法の放たれた方向から聞こえる低い声。
すると残っていたゴブリン達が一斉に引いて、声の主のために道を開けた。
なるほどこいつらも、何者かの支配下にあるらしい。
ゴブリン達が道を開けた先にあったのは巨大な岩だった。
しかし岩に突然ヒビが入ると、爆砕する。
ガラガラと崩れる岩の向こうから、拳をこちらに向けていたのは……上半身裸で佇む、ムキムキの男だった。
金の髪に赤い目は恐ろしく鋭く、しかしこれだけ鍛え上げられているというのに顔色はすこぶる悪い。
そう――――――それはまるで死人のようだ。
テンションが変になって無ければ「変態だー!」とでも叫んでいただろうが、わたしは男に向かって、きゃるんとウインクする。
「あら? 今度はいったい何なのかしら☆」
「ふん……ゴブリン共がうるさいと思って来てみれば、面白い者が迷い込んできたものだ」
台詞から漂う余裕は、きっと強者の証だろう。
だけどどんな相手でもジャスティスは、ジャスティスでなければいけないのである。
「あなたがここで悪さをしていた化け物ね! 絶対正義の名のもとに貴方の悪事を粉砕させていただくわ!」
「言ってくれるわ妖精風情が……吸血鬼を知らぬわけでもあるまい?」
「知らん」
本当に知らん。
男はこめかみのあたりに血管を浮かべるが、そんな事よりメインディッシュまで用意してくれているとは素晴らしい。
わたしは新たに現れた骨のありそうな相手に狙いを定めて、心を滾らせる。
幹部登場という展開に、エルエルは手に汗握っていた。
「新展開です・やはり・ジャスティスは・持っていますね」
「……何をですか?」
ギャラリーもいい具合に温まっているようだった。
0
お気に入りに追加
2,036
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。