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第11話 私は別にかまわんが///

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 ティナと共にオブライエンを始末し、適当に森の魔物に食わせる。
 状況が落ち着いたところで、ライゼを起こして事の顛末を説明した。
 自分の命が狙われたことに、最初は動揺を隠せなかったライゼだったが、俺が軽く抱きしめると次第に落ち着きを取り戻していった。
 さすがは姫というだけあって、肝の座り方はそんじょそこらの少女とは違うようだ。
 そしてライゼは、俺の目を見つめて、真剣な顔つきで言った。

「やはりあなたはすごい……。お願いです。一緒に来て世界を救ってください!」
「だから、それは無理だって言ってるだろ」

 世界を救うだのなんだのには興味がないのだが……。
 それに、この森を出るなんてのも、考えもしなかったな。
 でもライゼの安否は俺も気になるところだ。
 オブライエンのこともあるし、なんだか心配になってきた。
 このまま追い返すわけにもいかないしな。

「先ほどのとおり、私は命を狙われています。それに、私たちだけで神殿にいくことも、城に戻ることもできません。神殿にいったとしても、魔王を倒せるわけでもありませんし……。ですが、あなたなら……!」

 美人にそんな顔で頼られると、俺も無下にはできない。さっきはああ言ったが、やっぱりライゼが心配だ。
 これまで俺は、もう死んだも同然の気分で生きていた。
 アイリがいなくなって、人生になんの活路も見いだせずにいた。
 そこにこの二人が現れて、今俺に世界を救えと言ってきている。
 俺はライゼとティナのおかげで、また生きてもいいかって思えたんだ。
 その点は、むしろ俺のほうが感謝だな。
 やっぱりツラのいい女が近くにいないと、俺はどうもダメらしい。
 アイリに捨てられたのからはまだ立ち直れないが、せめてこの二人に癒してもらおう。
 おっぱいのためなら、世界くらい救ってもいいか。
 枯渇しかけてたCPも貯められるしな。
 よし。

「うーん、じゃあ。二人が俺のお嫁さんになってよ」

 俺が真剣な顔つきでそう言うと、二人は固まってしまった。
 しばらくして、ティナが顔を真っ赤にしてあたふたしながら応えた。

「バカなことをいうな! わ、私は別にかまわんが……相手は姫だぞ」

 あ、いいんだ……?
 しかし、ティナのあの胸を好きにできるとなると、やる気が出るな。
 ダメ元で言ってみたが、結構あっさりオーケーもらえたな。
 男勝りな女騎士のティナだが、その堅い胸のプレートの下には、そこそこのでっぱりが隠れているとみた。
 で、肝心のライゼはどうなんだ?
 と、俺はライゼの顔に目を向ける。
 ついでにおっぱいにも目を向ける。

「構いません。それで世界が救えるなら、私なんて……。それに、レルギア様でしたら……いえ、なんでも///」

 よっしゃあああああ!!!!
 これでライゼの大きなお餅は俺のものだぜええええ!!!!
 喜びは心の中だけにとどめ、俺はあくまで紳士的に対応する。

「よし、じゃあ協力するよ。それで、具体的にはなにをすればいいんだ?」
「って、話をきいていなかったのか? 魔王からこの世界を救うため、力を貸してほしいのだ。レルギア殿ほどの大賢者であれば、きっと魔王軍ともまともに渡り合える……! それと、姫を神殿に送り届けたあと、城まで送ってもらえるとうれしい」

 ようは、世界は魔王軍とやらに襲われていて、それをなんとかするために、聖女であるライゼが神殿にいかなきゃならないって話だったっけ。
 神殿にライゼが行くとどうなるのかまではわからないけど……。
 俺が魔王軍をぶっ倒す感じでもいいってことか。
 なんとなくだが、状況は理解した。

「ふーん、まあでも。魔王も別に、世界をどうこうする気はないと思うぞ?」

 俺は自分の素朴な意見を口にした。
 俺には、どうにも話がかみ合っていない気がしていた。

「は? なにを言ってるのだ。レルギア殿は……」

 ティナが怪訝な顔で返す。

「だって、俺魔王と知り合いだけど、そんなことする奴じゃねえぞ?」
「は…………?」


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