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もふもふお遊戯《番外編》

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「クロノ…」


優しく囁きそっと顔に手を伸ばす。ぺしゃんと伏せられた耳が場違いだが何とも可愛らしい。今までに無いほどの愛おしさが込み上げてきた。クロノたんは俺の全てだよ。


「クロノ、申し訳ごさいません。私は王妃として…王族として失格です。たとえ従者を盾にされていたとしても抗うべき所を…身を許しました」


「レイッ…!!それはッ…!!」


「聞いてくだい!!レイモンドは私の身内も同然です。今回の様な事が…万が一、もう一度起こったとしても…私は同じ様に身を差し出すでしょう。クロノ…。それでも…私はあなたの、あなたの一番で在りたい。離れたくない。愚か者は私の方なのです…傲慢なのも…」


最後の方は少し声が震えてしまった…。でも、クロノたんから目を逸らすことなく思いの丈を打ち明ける事が出来た。自然と近づいてくるクロノたんの素晴らしいご尊顔に俺は再び瞼を閉じた。密着する素肌にクロノたんの煩いぐらいの鼓動が伝わってくる。言葉に出さなくても大丈夫。俺には分かるよ。なんたって俺の愛しいもふもふちゃんだもん!!



「クロノ…」


先程からお尻に当たり主張しているモノに手を沿わせて、ゆっくりと扱く。俺だって既に半勃ちなんだ。いつもは自分からは積極的に動く事はないが…俺だって男の子だもん!!この状況で興奮しないって方が無理でしょ!!だって久しぶりのもふもふに埋もれてるんだよ?!想いも確かめ合えたし、今日は俺がリードさせて頂きます!!


徐々に手を早めクロノたんを限界へと近づける。うっ、と呻くような喘ぎが漏れ、気を良くした俺は更に大胆な行動に出た。所謂、兜合わせなるものを実行したのだ。これが気持ち良すぎて腰まで揺れてしまう。ぴちゃぴちゃとお湯が跳ねる。


「ふっ、こんなにも大胆なレイが見れるとは…」


俺を見下ろす目は獲物を前にした猛獣そのものだ。
しまった…ついつい気持ち良すぎて夢中になり過ぎた…。これじゃ快楽に弱い淫乱と思われたかもしれない…。頭ではダメだと思うのに、気持ちよくて腰が止まらない。


「クロノ…厭らしい私は嫌ですか…?」


恐る恐る問いかけると、返事は直ぐに返ってきた。大歓迎だ、と耳元に低い声で囁かれ全身がゾクゾクし軽くイッてしまった…。なんてエロい…けしからん!!大好きです!!


クロノたんは止まっていた俺の手を包み込み、俺と自分のモノを一緒に扱き出した。口内をクロノたんの舌で侵され、空いた手は俺の中をめちゃくちゃに掻き回す。上に、前に、後ろと…もう全てをドロドロに溶かされ、何度お湯の中を汚した事だろう。リードするはずが、完璧に主導権握られちゃったよ!!


「クロノ…早く…早く中に欲しい…」


グルッと喉を鳴らし俺の首元を軽く甘噛みしてくる。獣の本能なんだろうな。興奮がすると噛んじゃうってのは…。指が抜かれ代わりに熱いものがあてがわれる。クロノたんは傷つけない様に、ゆっくりと優しく挿入してくれた。きっと直ぐにでも奥に入れたかっただろうに…。


ゼダ様に何をされたのか聞かない優しさ、俺が行為で怯えないようにいつも以上に時間を掛けて前戯してくれた優しさ、クロノたんは俺の身体だけじゃなく、心も心配してくれている。


クロノたんと俺の愛に温度差なんかない。過剰なぐらいの愛情表現も素直に嬉しい。俺ももっと伝えていこう!!クロノたんが不安にならないように!!


「クロノ…今日は激しくして欲しいです…」


そして俺はこのセリフを告げた事を後悔するのだった…。






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