上 下
28 / 48

もふもふはあわあわ

しおりを挟む



「ユ、ユ、ユ、ユーリ?!」



いつものユーリみたいに吃ってしまった…。えっ?なっ?どうした?!何で腰にタオルだけ…?!えっ?まさか一緒に風呂に入るのか?俺と?!ユーリの姿に目が釘付けになる。





「相手が欲しかったのか?誰でも良かったのか?」






「はぁ?!」






「誰でもいいなら…俺でもいいだろう…」






おいおいおいおいおいおいおい!!!!!ぶざけるなよ!!誰でもいいだと?お前がいいんだよ!ユーリがいいんだよ!他の誰かなんていらねぇよ!!俺は好きでもない奴と何度もご飯に行ったり出かけたりするほど優しくない!!ムカつく!!ほんとにムカつく!!でもな…ユーリの気持ち、俺もわかるよ…。俺に好かれてるか自信がないんだろう?俺だってお前が俺の事を好きって確信したのさっきだし…。


不安なんだろ?でも、俺から好きとは言わない。だから、ユーリから好きと言えるように、俺が誘導してやるよ。なぁ、どんな気持ちで宿屋に付いてきた?どんな気持ちで服を脱いだ?どんな気持ちで……風呂場に来た……?ユーリの下がったしっぽが全てを語ってる。好きだよユーリ。




「へぇ~。ユーリが俺の相手してくれんの?」



「……あぁ」



「俺、誰でもいいって訳じゃないんだよ。一夜限り。それだけ。ユーリいいの?」




「……一夜限り?」




「そう。後腐れない奴としかしない。自分からも絶対に誘わない」




「嫌だ!一夜限りなんて嫌だ…」



おい!嫌だって…なんでここだけ素直かなー。はぁー……。




「俺も嫌」





「─ッ?!」





「俺も嫌。ユーリと一夜限りなんて俺も嫌。でもユーリとはヤリたい。言ったよな?俺は自分から誘った事はないって」



ユーリに近づき、首に腕をまわして誘う。これで伝わらなかったら終わりだな…。



「ッ?!?!」



急に頭を抑え込まれ息が出来ない…キスされてる?!
あまりの急展開に動揺が隠せない。ユーリの肩に手を置き離そうとするが全然ビクともしない。くっ苦しい…。ようやく解放され、肩で息をする。



「っは、ユーリきゅうにぃ……ッ?!」



言葉が遮られ、再度、口が塞がれる。ふぁ、息が……。口を開けた途端、ユーリのザラりとした長い舌が入り込んでくる。自分より幾分か長い舌が喉の奥を舐める。何これ……気持ちいぃ……。ぴちゃぴちゃと水の音が漏れ、どちらともわからない唾液が顎を伝う。お風呂場にいる為、濡れた音が響き、耳に一層の興奮を伝える。夢中でお互いに貪る。ユーリの興奮したモノが薄い布越しに俺の太ももに当たった。ちょっ、大きすぎだろっ?!凶器だろ?!少し興が冷め、話がしたくて太ももに当たっているモノを少し足で擦ってやる。案の定、ユーリの体がビクッと跳ね口が離れた。ユーリの口周りが濡れている。優しく指でなぞる。俺に言うことがあるだろ?そんな意志を込めてユーリに笑いかける。




「レイモンド…」






「……」






「レイモンド…」






「はぁー何だよ。言いたい事があるなら言え」






「レ、レイモンド。すっ、すっ」







はいはい。分かってるから落ち着け。






「すっ、すっ、すっ……はぁ────。」










「とっとと好きと言いやがれー!!!!!」






あっ、しまった。









「すっ、好きだ!!!!!だっ、だ大好きだー!!!!!」






その言葉を待ってたよ。







「俺も、ユーリ。大好きだ」





告白の時まで吃るなんてユーリらしいな。そんな所も可愛いよ。レイ様に朝帰りの言い訳なんてしようか?くっ、こんなに考えるのが楽しい言い訳は初めてだな。







「なぁ、続きしよ」







泡がユーリの体につくほど密着して囁く。楽しい夜はこれからだろう?俺を惚れさせた責任は重いぞ?






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ただ、愛しただけ…

きりか
恋愛
愛していただけ…。あの方のお傍に居たい…あの方の視界に入れたら…。三度の生を生きても、あの方のお傍に居られなかった。 そして、四度目の生では、やっと…。 なろう様でも公開しております。

(完結)戦死したはずの愛しい婚約者が妻子を連れて戻って来ました。

青空一夏
恋愛
私は侯爵家の嫡男と婚約していた。でもこれは私が望んだことではなく、彼の方からの猛アタックだった。それでも私は彼と一緒にいるうちに彼を深く愛するようになった。 彼は戦地に赴きそこで戦死の通知が届き・・・・・・ これは死んだはずの婚約者が妻子を連れて戻って来たというお話。記憶喪失もの。ざまぁ、異世界中世ヨーロッパ風、ところどころ現代的表現ありのゆるふわ設定物語です。 おそらく5話程度のショートショートになる予定です。→すみません、短編に変更。5話で終われなさそうです。

【完結】魔力至上主義の異世界に転生した魔力なしの俺は、依存系最強魔法使いに溺愛される

秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】 哀れな魔力なし転生少年が可愛くて手中に収めたい、魔法階級社会の頂点に君臨する霊体最強魔法使い(ズレてるが良識持ち) VS 加虐本能を持つ魔法使いに飼われるのが怖いので、さっさと自立したい人間不信魔力なし転生少年 \ファイ!/ ■作品傾向:両片思い&ハピエン確約のすれ違い(たまにイチャイチャ) ■性癖:異世界ファンタジー×身分差×魔法契約 力の差に怯えながらも、不器用ながらも優しい攻めに受けが絆されていく異世界BLです。 【詳しいあらすじ】 魔法至上主義の世界で、魔法が使えない転生少年オルディールに価値はない。 優秀な魔法使いである弟に売られかけたオルディールは逃げ出すも、そこは魔法の為に人の姿を捨てた者が徘徊する王国だった。 オルディールは偶然出会った最強魔法使いスヴィーレネスに救われるが、今度は彼に攫われた上に監禁されてしまう。 しかし彼は諦めておらず、スヴィーレネスの元で魔法を覚えて逃走することを決意していた。

うちの拾い子が私のために惚れ薬を飲んだらしい

トウ子
BL
冷血大公と呼ばれる私は、とある目的のために孤児を拾って厳しく育てていた。 一世一代の計画を目前に控えたある夜、様子のおかしい養い子が私の寝室を訪ねてきた。どうやら養い子は、私のために惚れ薬を飲んだらしい。「計画の成功のために、閣下の恋人としてどう振る舞えばよいのか、教えて下さいませ」と迫られ……愚かな私は、華奢な体を寝台に押し倒した。 Twitter企画【#惚れ薬自飲BL】参加作品の短編でした。 ムーンライトノベルズにも掲載。

木漏れ日の中で…

きりか
BL
春の桜のような花びらが舞う下で、 その花の美しさに見惚れて佇んでいたところ、 ここは、カラーの名の付く物語の中に転生したことに俺は気づいた。 その時、目の前を故郷の辺境領の雪のような美しい白銀の髪の持ち主が現れ恋をする。 しかし、その人は第二王子の婚約者。決して許されるものではなく…。 攻視点と受け視点が交互になります。 他サイトにあげたのを、書き直してこちらであげさしていただきました。 よろしくお願いします。

出会ってはいけなかった恋

しゃーりん
恋愛
男爵令嬢ローリエは、学園の図書館で一人の男と話すようになった。 毎日、ほんの半時間。その時間をいつしか楽しみにしていた。 お互いの素性は話さず、その時だけの友人のような関係。 だが、彼の婚約者から彼の素性を聞かされ、自分と会ってはいけなかった人だと知った。 彼の先祖は罪を受けず、ローリエの男爵家は罪を受け続けているから。 幸せな結婚を選ぶことのできないローリエと決められた道を選ぶしかない男のお話です。

離縁しようぜ旦那様

たなぱ
BL
『お前を愛することは無い』 羞恥を忍んで迎えた初夜に、旦那様となる相手が放った言葉に現実を放棄した どこのざまぁ小説の導入台詞だよ?旦那様…おれじゃなかったら泣いてるよきっと? これは、始まる冷遇新婚生活にため息しか出ないさっさと離縁したいおれと、何故か離縁したくない旦那様の不毛な戦いである

【完結】幼馴染が妹と番えますように

SKYTRICK
BL
校内で人気の美形幼馴染年上アルファ×自分に自信のない無表情オメガ ※一言でも感想嬉しいです!! オメガ性の夕生は子供の頃から幼馴染の丈に恋をしている。丈はのんびりした性格だが心には芯があり、いつだって優しかった。 だが丈は誰もが認める美貌の持ち主で、アルファだ。いつだって皆の中心にいる。俯いてばかりの夕生とはまるで違う。丈に似ているのは妹の愛海だ。彼女は夕生と同じオメガ性だが明るい性格で、容姿も一際綺麗な女の子だ。 それでも夕生は長年丈に片想いをしていた。 しかしある日、夕生は知ってしまう。丈には『好きな子』がいて、それが妹の愛海であることを。 ☆竹田のSSをXのベッターに上げてます ☆こちらは同人誌にします。詳細はXにて。

処理中です...