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女装で変装.
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翌日の夜、俺は再びドレスと格闘していた。
ゼロがいたら着る事は出来るが、まだ女の子になるのは抵抗がある。
試着は家の中でしたから誰かに見られる事はなかった。
でも、外で着るとなるとかなりハードルが高い。
でも、俺が外に出る方法はこれしかないから仕方ない。
わがままも言ってられないんだ。
俺は男だ、腹をくくれ!
袖に腕を通して、ドレスを着てファスナーに手を伸ばす。
やっぱり、届かないからゼロが帰ってくるまで待つ。
「ただいま、エル」
「…っ!」
「分かった、背中を向けて」
簡単な事なら、俺が紙に字を書かなくてもゼロが分かってくれる。
ファスナーを閉めて、金髪のカツラを手に取った。
櫛で慣らしながら俺の髪に馴染ませている。
前髪を髪留めで止められていて、メイク道具を手に取って俺の頬に触れる。
ゼロは「大丈夫、薄くするから」と言っていた。
目蓋を閉じると、くすぐったいもので頬を触られる。
しばらくしたら、目を開けていいと言われて目を開けた。
「エル、綺麗だ…これなら暗闇で見られても誰もエルだと思わないよ」
髪留めを外されて、前髪を直されて手鏡を見せてくれた。
覗き込むと、そこには全く知らない人が映り込んでいた。
頬に触れると、鏡の中の人も同じ行動をする。
もしかして、これ…俺?確かに女性に見える。
これなら俺だってバレないかもしれない、喋れないからボロも出ないだろうし。
「じゃあエル、行こうか」
ゼロの言葉に頷いて、手を差し伸ばされてエスコートされる。
俺の腰に手を添えられていて、屋敷を後にした。
目的の場所まで行く前にゼロの情報を聞く。
あの爆発はやっぱり義賊の仕業のようだ。、
なんで義賊か分かったのかというと、あの植物の千切れた茎を見つけたみたいだ。
植物が爆発したのか、被害はなかったが街のあちこちに種が置いてあるかもしれない。
それを街の人の体内に入って花を咲かせてしまったら被害が拡大する。
そうなったら、いよいよ義賊に魔法使いが支配される未来が近付いてしまう。
俺はノアに会いたいが、ゼロは種を義賊から全て奪う事を考えている。
「とりあえず今は結界で誰も入れないようにしている、騎士は皆帰らせたから大丈夫だ」
ゼロの言葉に頷く。
結界はゼロが張ったからゼロは入れるのだろう。
そしてゼロに触れている俺も入れる。
事件現場の周辺は誰も入れないようにしても、そこに行くまで油断出来ない。
街には騎士がいるし、俺を探している騎士も当然いる。
心臓が飛び出そうなほど、緊張する。
「……」
「……」
「ゼロ様、お疲れ様です!」
ゼロを呼び止める声が聞こえた。
ドキリと心臓が止まりそうなほど驚いた。
ゼロは怪しまれないように、声を掛けた人に向かって振り返った。
そこにいたのは名前も知らない騎士で、ゼロを見て目を輝かしていた。
ゼロがいたら着る事は出来るが、まだ女の子になるのは抵抗がある。
試着は家の中でしたから誰かに見られる事はなかった。
でも、外で着るとなるとかなりハードルが高い。
でも、俺が外に出る方法はこれしかないから仕方ない。
わがままも言ってられないんだ。
俺は男だ、腹をくくれ!
袖に腕を通して、ドレスを着てファスナーに手を伸ばす。
やっぱり、届かないからゼロが帰ってくるまで待つ。
「ただいま、エル」
「…っ!」
「分かった、背中を向けて」
簡単な事なら、俺が紙に字を書かなくてもゼロが分かってくれる。
ファスナーを閉めて、金髪のカツラを手に取った。
櫛で慣らしながら俺の髪に馴染ませている。
前髪を髪留めで止められていて、メイク道具を手に取って俺の頬に触れる。
ゼロは「大丈夫、薄くするから」と言っていた。
目蓋を閉じると、くすぐったいもので頬を触られる。
しばらくしたら、目を開けていいと言われて目を開けた。
「エル、綺麗だ…これなら暗闇で見られても誰もエルだと思わないよ」
髪留めを外されて、前髪を直されて手鏡を見せてくれた。
覗き込むと、そこには全く知らない人が映り込んでいた。
頬に触れると、鏡の中の人も同じ行動をする。
もしかして、これ…俺?確かに女性に見える。
これなら俺だってバレないかもしれない、喋れないからボロも出ないだろうし。
「じゃあエル、行こうか」
ゼロの言葉に頷いて、手を差し伸ばされてエスコートされる。
俺の腰に手を添えられていて、屋敷を後にした。
目的の場所まで行く前にゼロの情報を聞く。
あの爆発はやっぱり義賊の仕業のようだ。、
なんで義賊か分かったのかというと、あの植物の千切れた茎を見つけたみたいだ。
植物が爆発したのか、被害はなかったが街のあちこちに種が置いてあるかもしれない。
それを街の人の体内に入って花を咲かせてしまったら被害が拡大する。
そうなったら、いよいよ義賊に魔法使いが支配される未来が近付いてしまう。
俺はノアに会いたいが、ゼロは種を義賊から全て奪う事を考えている。
「とりあえず今は結界で誰も入れないようにしている、騎士は皆帰らせたから大丈夫だ」
ゼロの言葉に頷く。
結界はゼロが張ったからゼロは入れるのだろう。
そしてゼロに触れている俺も入れる。
事件現場の周辺は誰も入れないようにしても、そこに行くまで油断出来ない。
街には騎士がいるし、俺を探している騎士も当然いる。
心臓が飛び出そうなほど、緊張する。
「……」
「……」
「ゼロ様、お疲れ様です!」
ゼロを呼び止める声が聞こえた。
ドキリと心臓が止まりそうなほど驚いた。
ゼロは怪しまれないように、声を掛けた人に向かって振り返った。
そこにいたのは名前も知らない騎士で、ゼロを見て目を輝かしていた。
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