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想いの自覚

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誤解を解こうと口を開くとタイミング悪く、廊下の奥から人の話し声が聞こえた。

大切な話なのに、部屋の外で話していたら当然人が通るよな。
ゼロは舌打ちをして俺の腕を掴んで部屋の中に入った。
これで周りの人を気にせず話し合いが出来ると思っていたが、ゼロによってそれは叶わなかった。

ドアの鍵を閉めて、俺をドアに押し付けて口を開くとすぐに唇を会わせてきた。
なにかを言おうとすると舌と舌が触れて、吸われて腰を震わせる。
今はお帰りのキスよりちゃんとゼロと話したいのにゼロが遮ってくる。

荒々しいキスで、ゼロの怒りが伝わってくる。

くちゅくちゅと音が耳に響いてきてゼロの膝が俺の足の間に入ってくる。
ズボン越しにゴリゴリと擦られて、今はそんな場合じゃないのに息が上がっていく。

ズボンの中はどうなっているんだろう、とても不快だ。
片手は俺の腕を掴んで、もう片方で胸をこねたり引っ張ったり触られてシャツ越しでも分かるようにピンッと小さな突起物は存在を露にしていた。

恥ずかしくて顔を赤くさせて、ゼロから目線を逸らそうとするがそれを許さないと言わんばかりに前に向けられる。
視線が絡み合い、全てが暴かれるような…そんな気分になる。

「……アイツにも見せたのか?」

「え、兄様…?」

「俺のエルだったのに、こんな事ならもっと早くに俺が奪っておけば良かった」

ゼロの言ってる意味が分からない、何の話をしているんだ。
ゼロの苦しげな顔を見つめて、俺の心も切なくなった。

ゼロに抱き抱えられて、腰が砕けて動けなかった俺は抵抗すら出来なかった。
抵抗する気もなかった…このままのゼロを放置なんて俺には出来ない。

そのまま寝室まで運ばれた、許してくれた…これから寝るだけだ。
ゼロのまだ怒っている顔を見たらそう思えるわけがない。

俺はリアカさんとは何もないよと必死に訴えたが、ゼロは俺の話を聞いてくれなかった。
俺がどんなにゼロが大切か…ゼロは分かっていない。

「エルの体に聞くから何も言うな」とそう言われて、俺の声がゼロに届かないんだと悲しくなった。

これから何をされるのか、俺には分からなかった。

寝室のベッドの上に下ろされてそのまま覆い被さってきた。
今のゼロはいつもと違う知らない別人のようで怖かった。

いつもの触れ合いと何処か違うような雰囲気を感じた。

腰に触れられて形を確かめるように撫でられて、ズボンと下着を脱がされた。

下半身が何も身につけていない格好で、いきなりで目を丸くして驚いた。
あのぬるぬるしたものを下半身に垂らされて、全体に塗るように撫でられた。
こんな状態でもあの気持ちよさを思い出してしまい、期待で熱く火照ってくる。

無意識に尻の奥がひくひくと期待に満ちていた。

「エッチな事に期待する淫乱になったんだ?」

「…あっ、ぅ…ちがっ…」

「何処までされた?」

俺はその言葉でやっとゼロの言葉の意味を理解した。
リアカさんにゼロみたいな事をされてると思っているんだ。
こんな事されてないし、俺はリアカさんにされたいなんて一度も思った事はない。

それは誰でも一緒だ、こんな事…ゼロにしかされたくないよ。
俺は必死に「リアカさんとは何もないよ!」とゼロに言った。

でもゼロは納得していない様子でため息を吐かれた。

「……さぁ、俺はエルじゃないからどうだったか分からない」

「ゼロっ」

「だからさ、確かめさせてよ…本当に誰も受け入れていないか」

受け入れる?何を?ピリピリとした中でそれを聞く勇気は俺にはなかった。
ゼロの指が尻の奥に触れて、こんな時だが期待に震えている。

ゼロとの触れ合いで初めてではないだろうか、こんなに恐怖したのは…

ゆっくりと中に入って行く指は、冷たい声とは裏腹に俺の体を大事に扱っていて今のゼロの本当の感情は何処にあるのか分からなくなる。

ぐちゅぐちゅと擦られて、短い喘ぎ声を出していたら唇を塞がれた。
口内もぐちゃぐちゃに犯されているようでギュッとゼロの指を締め付けてしまう。

「ふっ、んっ…ぁふっ」

「エル、俺のエル…」

うわ言のように何度も呟き、ぐりぐりと裏筋を撫でられて腰をびくびくと震わせた。 
もうすぐイきそうなのが中の反応で分かったのか、指の動きがより激しくなった。

俺のいいところを知っている動きで、涙が流れるほど気持ちいい。

ゼロにしがみついて、腰を浮かせて絶頂の波に身を任せた。
今日は早くイってしまった、ゼロに与えられる刺激に慣れてしまったという事だろうか。

いつもならここで風呂に入って、疲れを取るのだが今日は違った。

ゼロは俺の両足を持ち上げて足の間に体を割り込ませた。

「…ぜ、ゼロ…もう終わりじゃ」

「自分だけ気持ちよくなるなんて酷いな」

ゼロはカチャカチャと自分のベルトを引き抜いて前をくつろげた。
こういう行為でゼロが服を脱ぐのは初めてだった。
ゼロに手を伸ばして、いつもなら手を繋いでくれていた。
しかしゼロはペロッと指をいやらしく舐めるだけで、それでも気持ちよくてピクンと震える。
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