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エピローグ

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俺が国王になるにあたって、大きな問題は特にはなかった。
いや、正確に言えばあったのだが、排除されたと言うべきか。
ランドールが動いて、俺に敵対する勢力の悉くを潰していったのだ。
しっかりと秘密裏に。
その手際は鮮やかなものだった。

俺の治世に対する国民の不安だが、これは先王が無能すぎたため、どうやっても良くなってしまうことにより解消された。
よほど先王の横暴に辟易していたのだろう。

現在は、大体のことを俺やランドールが処理しているが、俺が死んだ後にも引き継げるようにシステムを構築しなくてはならない。
ランドールはまだしも、俺には寿命があるからな。
俺が生きてる間に引継ぎをして、滞りなく進められるか確認をしなくてはならない。
国が存続しなければ意味はない。

とりあえずは1代目の引継ぎはキィラにと考えている。
《数学者》はそういったことにかなり有用だ。
性格的にもまぁ、大丈夫なのではないだろうか。
考え方はしっかりしてるしな。


「シルエラさん! そこは私の席です! どいてください!」
「小娘がユウト様の隣に座るなど500年早いわ! 《時渡タイムリープ》してから出直しなさい!」

無理があるだろ。
シルエラとキィラの間では俺の正妻争いが激化しているようだ。
直接俺に話が来ているわけではないのだが、どうやらそんな感じらしいとランドールから報告を受けている。
よってこの2人は俺の隣の席に座るということでさえこうやって小競り合いを起こすわけだ。
ちなみにそりゃ俺の席には両隣あるわけで。
2人座れるのではないかということなのだが、俺の右側にはランドールが鎮座している。

曰く、

「ユウト様の右腕は譲れませんね」

とのこと。
右側に座っているから右腕になるというわけではないのではないか。

まぁ、そんなわけで片側しか空いていないのである。


「ユウト様! どちらが隣に座った方がよろしいですか!」
「私だよね! ね!」

圧が凄い。

「正直、どっちでもいいんだが……」
「「ダメ!」です!」

うーん。

「パパ、2人ともなんで喧嘩してるの?」

そんなことはお構いなく、プリュムは俺の膝の上を定位置にしている。
本来なら2人はプリュムにも怒るだろうけど、本来の姿を考えると強く出れないようだ。

「……なんでだろうねー」

世の中には、言葉にしないほうがいいこともあるだろう。

そんな会話の間にも2人は隣でワーギャーやっている。
楽しそうでなにより。


そんなこんな、国政と言っても、特に固くなるようなことはなく、楽しくやっている。
村の皆も城下に招き入れて、復興に協力してもらっている。
プリンセが氷漬けにしてしまったのでその解凍作業も残っている。

前途多難ではあるが、これからも楽しくやっていけるのだろう。

「ユウトってば!」
「どっちがいいんですか!」

おっと、少し考え事をしてしまっていたようだ。
また現実に戻るとしようか。

「そうだな……。2人で勝負でもして決めたらどうだ?」
「それいいですね!」
「なにで勝負するの?」
「そこは2人で話し合ってくれよ」

まぁ、こんな日常も悪くはない。
精々俺が生きて、その後数代くらいはこのような生活を皆が送れるように頑張るとしようか。
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