クレハンの涙

藤枝ゆみ太

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【クレハンの涙】第一章

71話

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「ち、ちょっとーっ!あんまり意地悪しないでよっ!お、教えるからっ」

 慌てたラビの様子を見て、お肉ちゃんは底意地の悪い顔で笑っている。

「くうぅぅぅっ…………ラビリィフェイフェグタンッ!」

「……ほぅ。それは、何とも素晴らしい名前だな」

「て、え?」

 お肉ちゃんは、小さな声で素晴らしいと繰り返している。

 絶対からかわれると思っていただけに、彼の意外な反応に思わずラビのほうが面食らってしまった。

「あんたねぇ、どこをどうつついたらそんな感想が出て来るのよ。どうせ馬鹿にしてんでしょっ」

「『ライブリー=フェイルータン』と言う、私の好きな言葉に似ている。『誇りある道標みちしるべ』と言う意味だ」

「そ、そうなんだ。でも、私の名前はそんな立派な意味の言葉とは全く違うものだと思うよ。あっ!私の事は、ラビって呼んでよね。皆からもそう呼ばれてるの。フルネームはNGだから」

「ラビ。…………あれ?それ、どこかで……」

「あーあ、やっぱり最悪。この名前……」

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