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【クレハンの涙】序章
19話
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「まだ、学んでいないようです」
少し決まり悪そうにそう言ったが、医師長は真剣な顔のまま頭を振った。
「いえ、実は学ぶ以前の話なのでございます。
医術、それに魔術、二つの技術を合わせたこの混合技術は国の宝と言っても過言ではありません。
殿下、この国のあるべき姿は学んでおいででしょう?」
「国は魔術により豊かに、医術により清く」
ランギルは幼い時からずっと聞かされてきた文句を口にした。
国の誇りである医術、魔術は全てを潤し、そして全てを凌駕させる力があると信じられていたのだ。
ランギルの言葉を聞き、満足そうに頷いた医師長は彼の耳元に顔を近づけて続ける。
「ええ。しかしそれは光の面でしかない」
「光の?」
「闇の面もある、と言う事です。医術を探求すれば、自ずと多種の病に詳しくなります。
それと同じ様に魔術を探求すれば、自ずと……」
「の、呪いに……」
医師長は無言で深く頷く。
「混合呪とは……禁呪。
そのほとんどが表に出る事無く封印された闇の技術です。しかし……」
「……医師長殿。それはつまり、混合呪を使用した人物がいるとおっしゃりたいのですか?」
「そう、考えております」
少し決まり悪そうにそう言ったが、医師長は真剣な顔のまま頭を振った。
「いえ、実は学ぶ以前の話なのでございます。
医術、それに魔術、二つの技術を合わせたこの混合技術は国の宝と言っても過言ではありません。
殿下、この国のあるべき姿は学んでおいででしょう?」
「国は魔術により豊かに、医術により清く」
ランギルは幼い時からずっと聞かされてきた文句を口にした。
国の誇りである医術、魔術は全てを潤し、そして全てを凌駕させる力があると信じられていたのだ。
ランギルの言葉を聞き、満足そうに頷いた医師長は彼の耳元に顔を近づけて続ける。
「ええ。しかしそれは光の面でしかない」
「光の?」
「闇の面もある、と言う事です。医術を探求すれば、自ずと多種の病に詳しくなります。
それと同じ様に魔術を探求すれば、自ずと……」
「の、呪いに……」
医師長は無言で深く頷く。
「混合呪とは……禁呪。
そのほとんどが表に出る事無く封印された闇の技術です。しかし……」
「……医師長殿。それはつまり、混合呪を使用した人物がいるとおっしゃりたいのですか?」
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