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章6 切り開くもの

腐女子と、お城の探検

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真新しいドアーを開き部屋の外へ出る。

城に備え付けのボロいドアーは前回来た時に破壊してしまったので、新しく作ったのだ。

「ひぃ・・・」

部屋から出た途端、突然パイセンが腰を抜かした。

何か居たのかな? 妖怪センスで探知していたが反応ないんだけど。

俺は、妖怪ビームガンEXをメモリ1で構えつつ、再センスしてみる。

やはり何も居ないように思うんだけど。


パイセンは、俺が刻みつけた妖怪互助会の紋章を見ていた。

「ああ、妖怪互助会の紋章か。慣れてないと怖いみたいですよね」

紋章みただけで腰抜かすとかバクショーモンですよ。


「これだから、引き籠りのBL腐女子は…この清々しさと禍々しさが渾然一体となった芸術がわからんとは、ニンゲンとは残念な生き物ですなぁ」

「ダイジョーくんも人間でしょ!」

「妖怪ですが、なにか?」

「城の壁面をBL絵で埋め尽くしてやるぅううう」

「止めてください!わりとマジで! それと、そのスプレー缶どっから出した!」

こいつ!もうすぐ30なのに… 


イノシシジャーキーを与えつつ宥める。

さすが自信作のイノシシジャーキー、ニンゲンにも効果があったようだ。

「なにこれ、オイチィ!」

「探索は少しだけですよ、1時間したらもどりますからね」

「もっとチョーダイ! あと、おビール!おビールを飲ませてはいただけないでせうか?」

「あげません!」

ビールは妖怪ポシェット内に持ってきてはいるが、まだ冷やしてないし。

マ・ダールトの氷結地獄は瞬間冷却すぎてビール缶が耐えきれず爆発するだろう。

「お土産にあげるから、今は我慢です」

「ちぇーっ」

もう!なんなの!みたいなプンスコした雰囲気ふいんき(なぜか変換できた)を醸し出しつつ、探索を続行。


前回マップ作成したとおりに進んでいく。

あの柱の近辺、怪しいんだよな、隠し部屋とかありそう。

ってオイコラ、まてーい!

「どりゃああッ!」

ジョームサシのような美しいニンジャキック!(ザ・スーパー忍2版)

マジカ!蹴破りやがった!半回転ひねりも入っていたな。

目を離せませんですわ!(悪い意味しかなくってよ!)

ガラガラと崩れる壁。瓦礫に埋もれるパイセン。

馬鹿なんですね!馬鹿なんですね!!馬鹿なんですね!!!

あっ生きてるわ。さすがサファリハット!

サファリハットがなければ死んでいた。


妖怪ビームガンを構え、注意して部屋の中を覗いてみる。

え…まじで?あれって宝箱じゃあ。


「一攫千金キタコレ!!!」

大興奮で突撃を仕掛けるパイセンを必死に押さえつける!

ウィズでの宝箱は棺桶直行が多いんだよ!

フロア1ですら罠が仕掛けられている。

ゲーム:竜のお使いとかいうナマッチョロイやつとは違うんですよ!


特に城にあるやつとか罠が仕掛けてあるに決まってるでしょ!


罠を見破る呪文を唱えてみる。

「カルッファ」

こいつは、未使用だった呪文だな確か僧侶系のLv.2

詠唱完了から1分、結果がわかった。

毒矢が仕掛けてあるじゃねーか…


「パイセン、その宝箱には毒矢の罠がありますよ。コロッと死んでもいいならどうぞ」

「罠の解除が出来たりは?」

寄木細工よせぎざいくなら開れますよ」

「ダメじゃん!」

「箱破壊していいなら、いけるか?」

部屋から出て、長距離から妖怪ビームガンで宝箱の上蓋部分を狙ってみる。


「シュピーーーッ」

懐かしの電子音を響かせてビームが発射される。

無音でもいいはずだけれど、これはセルゲイさんがわざわざ付けた発射音なのだ!

「シュコン!」

毒矢が誰も居ない方向へ飛んでいった。

「知らずに開たら死んでましたよねぇ、わかりましたよねパイセン?」

「あい」

念の為にもう一回、罠を見破る呪文を唱えて安全を確認し、宝箱を開いてみる。

「金貨?、金貨だよね!」

マジカヨ大当たりじゃねーか!

全部で1Kgくらいの金貨が入っていた。

色からして16金は確実だろう。

「え~っといま交換レートっていくらだっけ、18金で5,100~5,200くらいだったか、12金でも半分くらいのレートだったはず」

「5100x1000だと5,100,000JPN  ふぁっ!?半額でもスンゴイよ!」

「どうしよ、頂いていく…よね?」

不安そうに聞くパイセン。

「モチロンでございますことよ!」

「今夜はスキヤキだぁ!松阪牛いっちゃいましょう!」

問題は換金なんだけどねぇ、妖怪互助会でなら出来そうだな。

俺!妖怪互助会のモグッ支部長だし! 怪しまれない!多分大丈夫!

宝箱ごと妖怪ポシェットへ収納しておく。


「OK!肉イッちゃいましょう!」

えーっと、妖怪互助会本部の紋章旗へ飛んで、互助会で換金して、肉買って、野菜買って、どこで食うんだ?

それよりも24時間営業の食道楽スルガで肉イッちゃったほうがいいのでは?

互助会には、提案していた寄宿舎も用意されているはずだし!

寄宿舎で寝て、起きてから肉パーティでいいだろう、もう夜遅いし。


「残念なヤマネ画廊センセイに、残念なお知らせがあります。只今AM4:40を回っており、わたくしそろそろ寝たいので肉は明日です。さらに次元移動で地球への帰還先は、パイセンの家ではなく静岡県の駿河城近くとなっております」

「シズオカァ?なんでそんなイナカに!?」

「テメェ!いまなんつった?もっぺんいってみぃ! 置き去りにすんぞ!」
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