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章2 おいでよよーかいの国

052 なんかようかい?

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「おいおいおい、ダイジョー!急に目覚めて姫を口説き始めたと思ったら、エラディケイトをブッパとかクレイジーだな」スルガが言い放つ。
「幸い、熟練度が足りなくて範囲が狭いのが救いだが、この辺り一帯吹き飛ぶんじゃないか?田鼈ラーよ、呪文発動の失効はできそうか?」困ったようにスルガが隣に立つ田鼈ラーに問う。

「いえ、残念ながら、わたしでは不可能です。初めての呪文詠唱とはいえ、非常に強力に見えます。人間が放ったとは思えないくらいに」少し悔しそうに田鼈ラーが返した。
「仕方がないな」スルガは大口を開けた。するとダイジョーが呪文を放ったと思われる辺りの空間が歪みスガルの口の中へと吸い込まれていった。

「むぅ確かにこれは威力が大きいな。人間とは思えない」
「スルガ様、彼はもしや、姫の力で人間から妖怪に進化したのかもしれません。姫がかなりの力を込めて治癒の力を使ったようですので」
「そうなのか姫よ?」
姫と呼ばれた女性はうなずいた。
どうやらダイジョーは人間ではなくなったようだ。
スルガは思った。妖怪互助会に所属して貰う必要があるようだな、と。


妖怪互助会:
本惑星に住まう妖怪達の協力関係。
福利厚生完備、数億年前からのワールドワイドな協力関係である。基本的に妖怪の発生した地域(縄張り)にのみ破壊行動は許可される。他種族への政治的干渉はご法度である。
互助会の規約を破るものが現れた場合、有無を言わさず大妖怪(その地域の元締め。いわゆるエリアボス)が派遣され滅ぼされる。
互助会へ届け出もせずに妖怪大戦争など起こそうものなら即座にスルガに丸呑みにするため、ここ数千年は発生していない。逆に届け出を行った闘争は推奨されている。
妖怪キング:スルガは「力こそが正義である」という言葉と勇敢な者たちの戦いが大好きなのだ。観戦に赴くほどに。

ニンゲンどもに神様として崇められているものも、実は妖怪である。妖怪はヒト族に化けて生活しているものが殆どである。
世界にまたがる組織である妖怪互助会の頂点。それは駿河の国を総本山される地域に生息する妖怪キング:スルガ。およびスルガを支配者と崇める互助会幹部たちの事である。

尚、本惑星の支配者であるスルガは神の存在を許さない。
神が芽を出そうとすると問答無用で絞め殺し、まる飲みしてしまう。
それは惑星再生時から今日まで延々と行われている。残念ながら異世界の神を絞め殺すことは出来ないでいる。なぜか妖怪は他次元への跳躍が出来ないためだ。



気絶から復活し、介抱してくれたオパーイ姫ちゃんや妖怪互助会の皆さんと「あみ焼弁当」をいただく。
静岡の弁当と言えばコレだろう。もうひとつのシャモのほうも好きだけどね。(ちなみにシャモは魚のほうではなく、喧嘩鳥のほうだよ)
ベッドの中で食事というのは新鮮な感覚だな。大事にされていると感じる。

ここは妖怪互助会の介護室。妖怪って本当にいたのか。
人型にトランスフォームしていた妖怪たちが、本来の姿に戻る瞬間を見せられたりすると、信じるしかないだろう?
化けタヌキやら、見たことのない妖怪のパフォーマンスに大層驚いたが、介抱してもらったこともあり、皆さんに礼をいっておいた。

弁当タイムを楽しみながら、幼怪スルガや互助会の皆さんから、いろいろ教えてもらった。
それはトンでもなくブッ飛んだ話であった。

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