上 下
62 / 164
章2 おいでよよーかいの国

054 アタイさみしいの

しおりを挟む
浜辺に居ます。

『なんでそんなとこにいるの?』

いい質問だ、お答えしよう。幼怪スルガちゃんに妖怪化させられる前に何をやっていたのか思い出してほしい。

『カレー作ってたんじゃない?』

ちげぇ! 記事作成のためにウナギとアナゴ捕まえようとしてたんだよ!
乱入した幼怪スルガちゃんに御飯たかられて、しかたなくカレーを振舞っただけで目的は違う。断じて違ったのだ。

ハーフ妖怪化してしまった僕だけれど、生活するためには日本円が必要なわけですよ。
なので、罠の回収をしたいとおもい、こうして浜辺に居るわけです。

意識不明期間と、その後のなんやかんやで1週間経過しております。
そして困ったことがあります。
ハーフ妖怪化してしまった関係で、動物というかお魚さんに怖がられているのです。

現在、ルリ様は妖怪互助会の職員により、師匠のお家に帰宅されておりますね。
ルリ様は、今の俺を見たらどう思うんですかね。怖がるかな?それとも鼻で笑うのかな?
後者な気がしますね。

どうにかして妖怪力を封印したいんですけどどうしていいのかサッパリです。
幹部妖怪のかたと雑談交じりで妖怪レベルが上がると自然と制御できるようになるとのことでしたけど、俺はいま制御したいんですよね。

ニンゲン界でひとりは寂しいの。

強力なパワーを持ってしまったがために人里離れたところへ身を隠すヒーローならわかる。
しかしだね 「たいした能力もないのに独りぼっち」とかないわー。
妖怪コア持ってるだけのただの低級妖怪なんですよ!

一週間前にしかけておいた罠を回収しよう。
罠にかかってたら死んでるんじゃあるまいな。一週間も生きてるもんなのかな?
アナゴの方はすぐに死んじゃうわけではない罠なので大丈夫だけど。ウナギの方は…かわいそうなことをしたかもしれない。

あ、入ってる。生きてるのかな? 元気のないウナギが入っていたので可愛そうになり、にがしてやる。さあ、お逃げ。食欲の権化が来る前に。
アナゴの罠も引き上げて中に入っていたアナゴたちも逃がしてあげる。今なら何でも許せてしまいそう。

僕はいま菩薩のような顔をしているに違いない。


~~~ダイジョーの妄想 はじまり~~~

俺たちは年末が近づくと、常に論争していた。
つぎにくるプイキュワはどんなものだろう?
そろそろ来るんじゃないか? 世界は動くのではないか? 待ち焦がれたその時代が。

「どんな苦難にも負けない、わたしは希望を掘り続ける!キュワショベル!」
「わたしが平和の礎となろう!悪は成らず均す(ならす)!キュワドーザー!」
「どんなに重いものでも大丈夫だよっ、希望を運ぶキュワダンプ!」
「平和の地盤は任せておけ!盤石なる平坦!キュワローラー!」

「「「「悪を叩き潰し!未来は自分たちの手で作る!」」」」


俺たちはずっっっと待っていたんだ!
大型重機を巧みに操るプイキュワの時代を!コンストラクションプイキュワを!!!

~~~ダイジョーの妄想 おしまい~~~


妖怪になって無双できると思ったのに。
コンストラクションプイキュワ結成しようと思ったのに。
やはりドリル要素をいれていないのが駄目だったのか…キュワドリルってどうなのかな。

まさかの低級妖怪スタートとはなぁ。すごい憂鬱になってきた。


はぁ…アタイ、いま、とってもダウナーな気分なの。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王太子さま、側室さまがご懐妊です

家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。 愛する彼女を妃としたい王太子。 本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。 そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。 あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。 1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。 「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」 「…あなた誰?」 16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。 シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。 そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。 なろう様でも同時掲載しています。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

処理中です...