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章1 異世界へ行くには、どうすればいいですか?

043 俺の炎、そしてオリジナルを喰らいやがれぇ!

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時間のかかるホイル調理は遠赤外線用の七輪にセット。

高火力なほうの七輪を準備しますよ。
一旦、炭をとりだし高足をセット。再び炭を乗っける。強火が必要な時に行う技である。
(わからない人は農家の人に聞きましょう)
動画撮影の準備も完了だ。 空気穴全開! イクゼオラァアアア!!!

「はやくっ!はやくっ!はやくっ!食べたい!」
ケッタイな歌が聞こえた。振り向くと浜辺で会った幼女がいますよ?
お箸持参なんですね、ちょっとまっててねー。
あれ?なんで幼女がここに?いつ入った?呼び鈴は確かに壊れてるけど、どうやってここまで来たの?イケオジもきてるのかな。
だがッ、今は時間がない調理に集中だ。

シンプルな味付け方法から調理を進めていく、素焼き、醤油で味付けしたものが出来ましたよ。スタンダードな調理方法だ、おいしい。愛されるだけはあるね。
続いて塩コショウで揉んでおいたやつ、駄目だなこれは…幼女も顔をしかめている。脂身が少ないので胡椒が生かされていない。

砂糖醤油、これはなかなかいけるんじゃないか?おいしい。
味噌、好き嫌いが分かれそう、魚の味がほとんど感じられない。分量を間違ったか?
その後、ハッピーパウダーを試すも良い結果は得られなかった。

飯盒のふたが外れるくらいまで温度がさがる頃だな、ホイル焼きと共に頂くとするか。
軍手を履き飯盒の蓋をコンコンして外す。
ふわりと香るごはんのかおり、お客さん用のおわんとルリ様の皿に盛っておく。

ぬぅ…ホイル物はバター以外、全滅…だな。アナゴの旨みが全く死んでしまっている。
アナゴである必要性が全くない、そのへんの安く売ってる名も知らぬ白身魚で充分だ。
卵とじは美味しかったのだが、これはカツどんのたれが美味しいのであって、ホイル焼きと同じくアナゴである必要がない。

レモン汁っすか?垂らそうとしたら幼女に凄い顔で睨まれましてね。
タマヒュンしました。未決行です。

御馳走様を言い。幼女が眠そうにしていたので横にならせておいた。

食器を片付けながら、幼女の事を考える。
一気に調理したのと、食べるのに忙しかったせいで名前も聞いてない、そもそもどうやってここに来たのか。
中庭に戻ってみると軒先で寝ていた幼女はいなくなっていた。
おやつ用の骨せんべいを焼いて渡したかったんだがなぁ。
帰ってしまったのなら仕方ない。せめて名前くらいは教えてほしかった。

いや?直ぐに帰ってくれてよかったのかも。
静岡は青少年健全育成への取り組みがハンパないから、いろいろ怖いんだよ。
幼女がオッサン一人の家に居るだけで捕まりそう。
お外にイケオジが待機してたのかもしれんけどな。

おうおうおう、ルリ様よぉ…番犬の仕事ほっぽって昼寝っすか?
オナカまで見せて駄犬丸出しッスね。リコールしてもいいですか?
よく見たら気絶してたよ、幼女に何されたんだ?

気を取り直して、撮影しておいた動画を確認しながら先ほど調理した結果をまとめておく。
アナゴは素焼きか醤油に限る。オリジナルは砂糖醤油とホイルバターだな。
あまり奇をてらうのもよくないだろうし、これでいくか。
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