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騎士団長の息子
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「あら………ゼラルド様、ごきげんよう。」
このお方はゼラルド・ルーセット様。王宮騎士団の団長……の息子だ。悪い方では無いのだけど……ちょっと脳筋ぎみというか……
「昨日は忙しくて直接祝えなかったからな。すまない。」
あぁ、そういえばプレゼントと手紙が来てたわね。読んだかしら……
「いえいえ、素敵な贈り物をありがとうございます。」
「いや、喜んで貰えたなら嬉しい。では後ほど。」
「はい、また後で。」
ぜラルド様は同じクラスなのであと数十分もすればまた会う。それに隣の席なのだから今じゃなくても後にすれば良いのに……
この方に絡まれる度にもご令嬢に睨まれる。
わたくしのせいでは無いというのに……
◇◇◇◇◇
授業が始まる前から疲れてしまったので、わたくしはこっそりと休憩するため、あまり人の来ないガゼボのようなところに来た。
はぁ………毎日毎日疲れるわね…
わたくしが早く婚約者を決めないのが悪いのですけれど……やっぱり……
いえ、もう未練は捨てないと。早く忘れなくては。
自分の頬を軽くパンッと叩く。前世なんて曖昧な記憶なんて、今世には関係ないわ。そうよね?
「ここで何やってるんだ?」
「っ!ラインハルト様!いえ、少し疲れたので休憩していただけですわ。ここをお使いになられますか?すぐに退きますわ。」
何でこんなところに。早く退かなくては。
「待って!」
パシッと腕を掴まれる。
「顔色が悪い。………そんなに僕との婚約は嫌かな?」
「いえ、そんなことは……」
「昨日まではあんなに元気だったのに?別にいいんだよ。君が僕のことを何も思っていないのは知っているから。でも、僕は君を諦められない。」
真剣な瞳で見つめられる。
でも、私はやっぱりこの方に恋愛感情を持てない。
「………はい。」
「ゼラルド…だけじゃ無いか。他にも求婚は沢山来ているのだろう?その中から僕だけ話を聞いてくれる気になったのなら、今はそれで良いよ。」
「……はい。」
「…じゃあ、またね。行こうか。クロ。」
彼の従者のクロ…本名かはわからないが、その方とともに去っていく。
第3王子殿下……この方も優しいお方ではあるけれど、少し強引なところがちょっと苦手だ。
こんな話をしていたらもうこんな時間だわ。
そろそろ教室に行きましょうか。
このお方はゼラルド・ルーセット様。王宮騎士団の団長……の息子だ。悪い方では無いのだけど……ちょっと脳筋ぎみというか……
「昨日は忙しくて直接祝えなかったからな。すまない。」
あぁ、そういえばプレゼントと手紙が来てたわね。読んだかしら……
「いえいえ、素敵な贈り物をありがとうございます。」
「いや、喜んで貰えたなら嬉しい。では後ほど。」
「はい、また後で。」
ぜラルド様は同じクラスなのであと数十分もすればまた会う。それに隣の席なのだから今じゃなくても後にすれば良いのに……
この方に絡まれる度にもご令嬢に睨まれる。
わたくしのせいでは無いというのに……
◇◇◇◇◇
授業が始まる前から疲れてしまったので、わたくしはこっそりと休憩するため、あまり人の来ないガゼボのようなところに来た。
はぁ………毎日毎日疲れるわね…
わたくしが早く婚約者を決めないのが悪いのですけれど……やっぱり……
いえ、もう未練は捨てないと。早く忘れなくては。
自分の頬を軽くパンッと叩く。前世なんて曖昧な記憶なんて、今世には関係ないわ。そうよね?
「ここで何やってるんだ?」
「っ!ラインハルト様!いえ、少し疲れたので休憩していただけですわ。ここをお使いになられますか?すぐに退きますわ。」
何でこんなところに。早く退かなくては。
「待って!」
パシッと腕を掴まれる。
「顔色が悪い。………そんなに僕との婚約は嫌かな?」
「いえ、そんなことは……」
「昨日まではあんなに元気だったのに?別にいいんだよ。君が僕のことを何も思っていないのは知っているから。でも、僕は君を諦められない。」
真剣な瞳で見つめられる。
でも、私はやっぱりこの方に恋愛感情を持てない。
「………はい。」
「ゼラルド…だけじゃ無いか。他にも求婚は沢山来ているのだろう?その中から僕だけ話を聞いてくれる気になったのなら、今はそれで良いよ。」
「……はい。」
「…じゃあ、またね。行こうか。クロ。」
彼の従者のクロ…本名かはわからないが、その方とともに去っていく。
第3王子殿下……この方も優しいお方ではあるけれど、少し強引なところがちょっと苦手だ。
こんな話をしていたらもうこんな時間だわ。
そろそろ教室に行きましょうか。
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