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6話

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 あれから一ヶ月が経った。
 私たちは順調に学生生活を送っていた。
 特にレノ王子とは友人としてとても仲良くさせてもらっていた。
 最近は待ち合わせをして一緒に登校するようになった。
 レノ王子は安全上の観点から寮暮らしではなく、王都に家を作って生活しているらしい。
 それも私の家のすぐ近くだ。
 最初にそれを知った時はかなり驚いた。

 ともかく、こうしたこともあって、毎朝一緒に登校することが出来るのだった。

 レノ王子とは毎日一緒にいるが気が合うので、全く嫌なことが無い。
 相性が良いと言うが、これがそういうことなのだろう。

 噂好きの生徒たちが私たちのことを「お似合いのカップル」だと言っているが、私は満更でもない気分だった。

 こうして私たちは学園生活を楽しく送っていた。

 ただ、一つ悩みごとがあった。

 マーク王子がずっと私の後をついて来るのだ。
 いつどこにでも、私の後方でずっと私のことを監視してくる。
 特に何かしてくることもないが、気持ちは悪い。

 私は屋敷の外に出る。
 そこにはすでにレノ王子が立っていた。
 別にそこで待たなくていい、と何回も言っているのだが、「女性を迎えに上がるのは私の国ではマナーだ」と言って聞かないので、今では何も言っていない。

 私はレノ王子に向かって挨拶をした。

「おはようございます」
「おはよう、シャーロット。今日も綺麗だ」
「あ、ありがとうございます……」

 レノ王子は息をするように私を褒めてきた。
 これもレノ王子からすれば「女性を褒めるのはマナー」だそうで毎日褒めてくれる。
 しかし一ヶ月経った今でも私はまだ慣れず、照れてしまうのだった。

 そして他愛の無い話をしながら私たちは学園へと向かう。
 そして学園につくと生徒たちが小さく騒ぎ始める。

「来たわ!」
「ああ、レノ王子、今日も素敵……!」
「シャーロット様もとてもお綺麗だわ……!」
「お似合いの二人ね……」

 そんな声がそこら中から聞こえてくる。

「て、照れますね……」
「あはは、これは困った……」

 私達は二人で見つめ合ってはにかみ合う。

 その時、その空気を遮るように声が響いた。

「おい!」

 声の方向を振り向く。
 私が振り返ったその先。
 そこには怒りを滲ませたマーク王子が私を睨んで立っているのだった。
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