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3話
しおりを挟むクロードとローランは汚い笑い声を上げた。
しかし、その笑顔は次の瞬間崩れ去る。
「いたぞっ!」
パーティー会場の扉を開けて、百人ほどの衛兵が入ってきた。
そしてクロードとローランを取り押さえるを
「な、何だ!」
「これは一体どういうことだ!」
クロードとローランは目に見えて焦り始める。
自分の状況が分かっていないようだった。
私を冤罪に陥れようとしたクロードの取り巻きたちも同時に取り押さえられていく。
取り押さえられたクロードは衛兵へと怒鳴り散らす。
「これはどういうことだ! 俺を誰だか分かっているのか! こんな扱いをするなんて、どんな目にあうか──」
「クロード王子! あなたを国家転覆罪で捕らえます!」
「はぁ!?」
クロードは覚えのない冤罪に狼狽えているようだった。
「そんなもの知らないぞ! 冤罪だ!」
「でしたらこの証拠はどういうことですか!」
そう言って別の衛兵がクロードへとのあるものを突きつけた。
それは手紙の数々だった。
「ここには、クロード王子とローラン様、そしてここに幾人か貴族が結託し、国王様を暗殺しようとしている計画が記されてありました!」
「知らないとは言わせませんよ!」
「し、知らない! 冤罪だ!」
「言い訳は見苦しいですよ」
私は立ち上がり、取り押さえられているクロードの近くへと寄った。
「貴様! ふざけるな! 何のつもりだ! 早く俺の冤罪を晴らすように証言しろ!」
「無理です。だって──私が、クロード王子の計画を国王様に報告したんですから」
「なっ……!」
「冤罪には冤罪を。これも因果応報ですね。あなたのしようとしたことは全てお見通しだったのですよ」
「お前っ……! ふざけるなぁっ!!!」
クロードは衛兵の拘束を振りほどき、私へ掴みかかろうとしたが、衛兵に力を込めて殴られると大人しくなった。
「ええと、たしか国家転覆罪は拷問の後、死刑でしたよね?」
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