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「サラが、無実……?」
国王の言ったことが信じられずマイケルは呆然とする。
「そ、そんなわけがありません!だってララが──」
「男爵家の娘の言葉と王宮直々の調査、どっちが信憑性があると?」
「……」
当然、王宮の調査結果の方が信憑性が高い。
マイケルは黙るしかなかった。
「最初報告を聞いた時、心優しいサラにそんなことが出来たのかと気になってな。調べさせたらサラは生徒会室から出ていないという結果が出た」
国王はため息をつく。
「つまりお前は、男爵ごときの言葉を真に受け、無実のサラを罵倒し、冤罪を着せたわけだ」
「そ、そんな……」
「サラはずっとお前のために生徒会の仕事を負担していた。本来する必要の無いはずのな。今までお前に尽くしてきた罪の無い人間をお前はあっさりと切り捨てた」
国王の冷ややかな声がマイケルに圧をかける。
マイケルは冷や汗をかき始めた。
「わ、私は……」
「言い訳するな」
マイケルが言い逃れをしようと口を開いた瞬間、国王は言葉を遮る。
サラの言葉を全く聞かずに冤罪を被せた因果応報だった。
「まさか知らなかったというつもりか?そんなことをするんじゃないぞ。私は何度も事実を自分で調べるように教育していただろう。それに今までサラの無実を調べる機会も方法もいくらでもあったのだからな」
「……」
「それを怠り、無実の人間の名誉を傷つけ、虐げたことが事実であり、それ以上は無い。──お前は最低の人間だ」
返す言葉もなかった。
まさかララの言っていることが全て嘘だとは思わなかった。
王子としての自分じゃない本当の自分の見てくれると思っていたララに騙されるなんておもいもしなかった。
マイケルは心の中でララに対しての恨み言を連ねる。
この説教が終わったら絶対にララを追い詰めてやる、と考えていたそのとき、国王から衝撃の言葉を言われた。
「マイケル……お前は廃嫡とし、男爵家の地位を与えた後辺境へと行ってもらう」
国王の言ったことが信じられずマイケルは呆然とする。
「そ、そんなわけがありません!だってララが──」
「男爵家の娘の言葉と王宮直々の調査、どっちが信憑性があると?」
「……」
当然、王宮の調査結果の方が信憑性が高い。
マイケルは黙るしかなかった。
「最初報告を聞いた時、心優しいサラにそんなことが出来たのかと気になってな。調べさせたらサラは生徒会室から出ていないという結果が出た」
国王はため息をつく。
「つまりお前は、男爵ごときの言葉を真に受け、無実のサラを罵倒し、冤罪を着せたわけだ」
「そ、そんな……」
「サラはずっとお前のために生徒会の仕事を負担していた。本来する必要の無いはずのな。今までお前に尽くしてきた罪の無い人間をお前はあっさりと切り捨てた」
国王の冷ややかな声がマイケルに圧をかける。
マイケルは冷や汗をかき始めた。
「わ、私は……」
「言い訳するな」
マイケルが言い逃れをしようと口を開いた瞬間、国王は言葉を遮る。
サラの言葉を全く聞かずに冤罪を被せた因果応報だった。
「まさか知らなかったというつもりか?そんなことをするんじゃないぞ。私は何度も事実を自分で調べるように教育していただろう。それに今までサラの無実を調べる機会も方法もいくらでもあったのだからな」
「……」
「それを怠り、無実の人間の名誉を傷つけ、虐げたことが事実であり、それ以上は無い。──お前は最低の人間だ」
返す言葉もなかった。
まさかララの言っていることが全て嘘だとは思わなかった。
王子としての自分じゃない本当の自分の見てくれると思っていたララに騙されるなんておもいもしなかった。
マイケルは心の中でララに対しての恨み言を連ねる。
この説教が終わったら絶対にララを追い詰めてやる、と考えていたそのとき、国王から衝撃の言葉を言われた。
「マイケル……お前は廃嫡とし、男爵家の地位を与えた後辺境へと行ってもらう」
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