穀潰しの無能は家から出ていけ?いや、この家の収入は全て私が稼いでいるんですけど?


私の名前はサラ・ウィルキンソン。伯爵令嬢だ。
私には両親と二人の兄がいる。

家族四人の仲はとても良かった。
しかし四人とも、私のことを嫌っていた。

ある日のこと。

私はいつも通り部屋で用事をこなしていた。

すると突然、部屋の扉が開かれた。

そして家族四人がゾロゾロと部屋へ入ってくる。

「サラ、無能なお前を家から追放する」

「……は?」

私は何を言われたのか分からなかった。
何故私が追放されなければならないのだろう。

「お前のような穀潰しは家に置くだけでも気分が悪くなるからな。害虫駆除だ、さっさと出ていけ」

「……本当にいいんですね?」

 私はため息を吐きながら確認した。

「もちろん。お前なんかいても邪魔なだけだからな」

 ジェームズがその太った腹をさすりながら答える。

私はそこで、完全にこの家族を見捨てることにした。

「そうですか。それでは私は失礼します」

私は椅子から立ち上がり、颯爽と部屋から出ていった。
四人はあっさりとしたその様子に唖然としていた。

もしかして私が醜く「追い出さないで!」と懇願すると思ったのだろうか。

まさか。
そんなことをする訳がない。

なぜなら。

私はこの家の財産。
当主の座。
土地。
商会。

その全てを所有しているからだ。

「私を追い出すなら、覚悟しておいてくださいね?」
24h.ポイント 56pt
53
小説 14,889 位 / 190,711件 恋愛 6,938 位 / 57,532件

あなたにおすすめの小説

断罪されているのは私の妻なんですが?

すずまる
恋愛
 仕事の都合もあり王家のパーティーに遅れて会場入りすると何やら第一王子殿下が群衆の中の1人を指差し叫んでいた。 「貴様の様に地味なくせに身分とプライドだけは高い女は王太子である俺の婚約者に相応しくない!俺にはこのジャスミンの様に可憐で美しい女性こそが似合うのだ!しかも貴様はジャスミンの美貌に嫉妬して彼女を虐めていたと聞いている!貴様との婚約などこの場で破棄してくれるわ!」  ん?第一王子殿下に婚約者なんていたか?  そう思い指さされていた女性を見ると⋯⋯? *-=-*-=-*-=-*-=-* 本編は1話完結です‪(꒪ㅂ꒪)‬ …が、設定ゆるゆる過ぎたと反省したのでちょっと色付けを鋭意執筆中(; ̄∀ ̄)スミマセン

【完結】これからはあなたに何も望みません

春風由実
恋愛
理由も分からず母親から厭われてきたリーチェ。 でももうそれはリーチェにとって過去のことだった。 結婚して三年が過ぎ。 このまま母親のことを忘れ生きていくのだと思っていた矢先に、生家から手紙が届く。 リーチェは過去と向き合い、お別れをすることにした。 ※完結まで作成済み。11/22完結。 ※完結後におまけが数話あります。 ※沢山のご感想ありがとうございます。完結しましたのでゆっくりですがお返事しますね。

【完結】真実の愛だと称賛され、二人は別れられなくなりました

紫崎 藍華
恋愛
ヘレンは婚約者のティルソンから、面白みのない女だと言われて婚約解消を告げられた。 ティルソンは幼馴染のカトリーナが本命だったのだ。 ティルソンとカトリーナの愛は真実の愛だと貴族たちは賞賛した。 貴族たちにとって二人が真実の愛を貫くのか、それとも破滅へ向かうのか、面白ければどちらでも良かった。

殿下に婚約破棄されたわたくしに、新しい婚約者を教育してほしい? 良いですよ、全く頑張りませんけれど

kieiku
恋愛
つまり月給制で、アンジュ様が嫌だと言ったらその日はそれで終了。そういうことですよね。楽な仕事だわぁ。

あなたをかばって顔に傷を負ったら婚約破棄ですか、なおその後

アソビのココロ
恋愛
「その顔では抱けんのだ。わかるかシンシア」 侯爵令嬢シンシアは婚約者であるバーナビー王太子を暴漢から救ったが、その際顔に大ケガを負ってしまい、婚約破棄された。身軽になったシンシアは冒険者を志して辺境へ行く。そこに出会いがあった。

「おまえを愛している」と言い続けていたはずの夫を略奪された途端、バツイチ子持ちの新国王から「とりあえず結婚しようか?」と結婚請求された件

ぽんた
恋愛
「わからないかしら? フィリップは、もうわたしのもの。わたしが彼の妻になるの。つまり、あなたから彼をいただいたわけ。だから、あなたはもう必要なくなったの。王子妃でなくなったということよ」  その日、「おまえを愛している」と言い続けていた夫を略奪した略奪レディからそう宣言された。  そして、わたしは負け犬となったはずだった。  しかし、「とりあえず、おれと結婚しないか?」とバツイチの新国王にプロポーズされてしまった。 夫を略奪され、負け犬認定されて王宮から追い出されたたった数日の後に。 ああ、浮気者のクズな夫からやっと解放され、自由気ままな生活を送るつもりだったのに……。 今度は王妃に?  有能な夫だけでなく、尊い息子までついてきた。 ※ハッピーエンド。微ざまぁあり。タイトルそのままです。ゆるゆる設定はご容赦願います。

【完結】わたしの婚約者には愛する人がいる

春野オカリナ
恋愛
 母は私を「なんて彼ににているのかしら、髪と瞳の色が同じならまるで生き写しだわ」そう言って赤い長い爪で私の顔をなぞる仕種をしている。  父は私に「お前さえいなければ、私は自由でいられるのだ」そう言って詰る。  私は両親に愛されていない。生まれてきてはいけない存在なのだから。  だから、屋敷でも息をひそめる様に生きるしかなかった。  父は私が生まれると直ぐに家を出て、愛人と暮らしている。いや、彼の言い分だと愛人が本当の妻なのだと言っている。  母は父に恋人がいるのを知っていて、結婚したのだから…  父の愛人は平民だった。そして二人の間には私の一つ下の異母妹がいる。父は彼女を溺愛していた。  異母妹は平民の母親そっくりな顔立ちをしている。明るく天使の様な彼女に惹かれる男性は多い。私の婚約者もその一人だった。  母が死んで3か月後に彼らは、公爵家にやって来た。はっきり言って煩わしい事この上ない。  家族に愛されずに育った主人公が愛し愛される事に臆病で、地味な風貌に変装して、学園生活を送りながら成長していく物語です。  ※旧「先生、私を悪い女にしてください」の改訂版です。

皆の前で婚約者に婚約破棄されたのに双方の親が婚約破棄を許してくれなかった。そればかりか不治の病(本当は毒)の美談まで広められて。貴族って怖い

竹井ゴールド
恋愛
 侯爵令嬢は婿入り予定の公爵家3男の婚約者に男爵令嬢を虐げていた事を理由に王宮のパーティーの参加者の前で婚約破棄を宣言される。  だが、派閥の長でもある双方の親は政略である婚約の破棄など許さず、婚約を続行させた。  そればかりか醜聞を打ち消す為の嘘の美談まで用意されてしまう。  双方の親の覚悟に、侯爵令嬢も覚悟を決めたのだった。 【2022/7/27、出版申請、8/16、慰めメール】 【2024/9/17、24hポイント:1万400pt突破】 【2024/9/16、出版申請(2回目)】