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21話
しおりを挟む許せない。
復讐してやる。
ロビンの頭の中はその言葉でみたされていた。
「そもそも、メアリーが僕の婚約者として釣り合ってなかったのが原因なんだ」
ロビンは爪を噛む。
「それに今日も少し大きな声を出しただけでルイスに助けを求めて、僕が悪者にされた」
実際はロビンは脅迫し、メアリーに乱暴しようとしているのだが、ロビンの記憶の中ではすり替わっている。
「それにメアリーは僕から居場所まで奪った。生徒会の仕事を奪ったんだ!」
生徒会の居場所が無くなったのはロビンが仕事をしなかったからだが、ロビンはその事実から目を逸らす。
「うん、そうだ。やっぱりメアリーが原因だ」
ロビンは何度も自分の言葉を反芻して頷く。
間違っていない、と何度も思い込む。
そして都合のいい妄想で自分の正当性を確かめると、今度はメアリーへの憎しみを燃え上がらせた。
「メアリー! 僕をこんな目に合わせた復讐をしてやる……!どんな犠牲を払ったとしてもその罪を償わせてやる!」
ロビンはそう決めると復讐のため、部屋から脱走しようと窓を開いた。
その時ロビンの目に床に転がる意識がないデイジーが目に入ったが、ロビンは興味を示すことは無かった。
そしてその晩、ロビンは姿を消した。
夕食を運びにきた使用人が部屋に入った時にようやく床に転がるデイジーと、開けたままの窓が発見された。
すぐに当主によりロビンの捜索命令が出されたが、すでに時刻は夜。
闇に紛れたロビンは見つかることはなく、朝を迎えた。
ロビンは王国内に潜伏している。
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