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13話
しおりを挟む「……相手は。誰を正妻にするつもりだったんだい?」
ルイスは恐る恐るロビンへ質問する。
するとロビンはよく聞いてくれたと言わんばかりに誇らしげに胸を張って答えた。
「勿論、私の愛するデイジーです」
「デイジー……? 聞いたことない名前だが」
「彼女は平民です。ですが、そんなことは関係ありません。なぜなら、私たちは本当に愛し合っているので」
「………………」
もはやルイスは言葉が出てこない様子だった。
当然だ。浮気をした挙句、婚約者を妾にして平民を正妻に据える、と言うことがどれだけ愚かなことなのか、普通は知っている。
「本当に君はそれが正しいと思っているのかい?」
「はい! もちろんです!」
「そうか……」
ルイスはため息をついた。
完全にロビンを見捨てることにしたらしい。
「ロビン、君は人として最低だ。いいや敢えて汚い言葉で言うなら──クズだ」
「…………は?」
ロビンは唖然としていた。
まさかルイスに罵倒されるとは思わなかったのだろう。
「な、それはどういうことですか?」
「妾にすると言うこと自体、そもそも失礼に当たる行為だということは理解しているかい?」
「で、ですが真実の愛が……」
「真実の愛が何だ? 今まで歩んできた婚約者をあっさりと切り捨て、妾にするなんて裏切り行為は正当化されるのか?」
「それは……」
「婚約破棄されて当然の行為だ。それなのに、あまつさえ君はメアリーを今貶め、売女と罵った
「……」
「もう一度言おう。君は人間のクズだ」
「そ、そんな……」
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