13 / 17
13
しおりを挟む
「な、なんということだ……! これはとんでもない事になったぞ……!」
「ど、どうしましょうギルド長?!」
さっきまで三十億という大金にも動じず、冷静だった二人は、私が精霊巫女だということを聞いて突然慌て始めた。
「あの、精霊巫女ってそんなに凄いんですか……?」
「当たり前だ!」
ギルド長が怒鳴った。
しかしギルド長はすぐにハッとして平静を取り戻す。
「ああ、すまない……。少し取り乱してしまった。んんっ、ちゃんと説明しよう。……精霊巫女は言うなれば、生ける神話級の魔法だ」
「し、神話級?!」
今度は私が叫んだ。
それも当然、神話級なんて、伝説級や古代級よりもさらに上、それこそ神話の時代にしかいないような存在だ。
それが、私……?!
「君も分かっている通り、精霊巫女が使う魔法は全て規格外だ。初級魔法は上級魔法に。上級魔法が使えれば古代級魔法になる。伝説級が使えれば、分かるな?」
私は身震いした。
つまり、伝説級が使えれば、神話級の魔法すら使えてしまうということになる。
「精霊巫女が凄いのはそれだけじゃない。その規格外の魔法を少ない魔力で出してくる部分だ。まぁ、伝説級以上を使おうとすれば相応の才能が求められるが」
少ない魔力で規格外の魔法を放つ存在。
生ける神話級の魔法と言われるのも納得だ。
「さっきから聞きたかったんだが、君の精霊はどこにいるのかね?」
「え……? その子ですけど」
ギルド長の質問に私は首を傾げた。
さっきからいるじゃないか。
「え……?」
ギルド長は何かおかしな事を聞いたような反応をした。
私、何か変なことを言っただろうか?
「聞き間違いかと思うんだが、この子供が精霊だと言ったのか……?」
「はい、そうですけど? 何かおかしいでしょうか?」
「「えぇぇぇぇぇぇっ?!」」
二人がさっきとは非にならないほどの声をあげた。
「な、名前は?! 名前を聞いてもいいかね?!」
ギルド長はルーチェに詰め寄ると、必死の形相で質問した。
「ルーチェ」
ルーチェが素っ気なく答える。
ギルド長とルニエさんが白目を剥いて倒れた。
「ちょっ、どうしたんですか?!」
「なにもどうも、ルーチェという名前は〈光〉そのもの! 精霊の中でも頂点に君臨する〈四大精霊〉にしか名乗ることが許されない名前だぞ!」
「えぇぇぇぇぇぇっ?!」
「ど、どうしましょうギルド長?!」
さっきまで三十億という大金にも動じず、冷静だった二人は、私が精霊巫女だということを聞いて突然慌て始めた。
「あの、精霊巫女ってそんなに凄いんですか……?」
「当たり前だ!」
ギルド長が怒鳴った。
しかしギルド長はすぐにハッとして平静を取り戻す。
「ああ、すまない……。少し取り乱してしまった。んんっ、ちゃんと説明しよう。……精霊巫女は言うなれば、生ける神話級の魔法だ」
「し、神話級?!」
今度は私が叫んだ。
それも当然、神話級なんて、伝説級や古代級よりもさらに上、それこそ神話の時代にしかいないような存在だ。
それが、私……?!
「君も分かっている通り、精霊巫女が使う魔法は全て規格外だ。初級魔法は上級魔法に。上級魔法が使えれば古代級魔法になる。伝説級が使えれば、分かるな?」
私は身震いした。
つまり、伝説級が使えれば、神話級の魔法すら使えてしまうということになる。
「精霊巫女が凄いのはそれだけじゃない。その規格外の魔法を少ない魔力で出してくる部分だ。まぁ、伝説級以上を使おうとすれば相応の才能が求められるが」
少ない魔力で規格外の魔法を放つ存在。
生ける神話級の魔法と言われるのも納得だ。
「さっきから聞きたかったんだが、君の精霊はどこにいるのかね?」
「え……? その子ですけど」
ギルド長の質問に私は首を傾げた。
さっきからいるじゃないか。
「え……?」
ギルド長は何かおかしな事を聞いたような反応をした。
私、何か変なことを言っただろうか?
「聞き間違いかと思うんだが、この子供が精霊だと言ったのか……?」
「はい、そうですけど? 何かおかしいでしょうか?」
「「えぇぇぇぇぇぇっ?!」」
二人がさっきとは非にならないほどの声をあげた。
「な、名前は?! 名前を聞いてもいいかね?!」
ギルド長はルーチェに詰め寄ると、必死の形相で質問した。
「ルーチェ」
ルーチェが素っ気なく答える。
ギルド長とルニエさんが白目を剥いて倒れた。
「ちょっ、どうしたんですか?!」
「なにもどうも、ルーチェという名前は〈光〉そのもの! 精霊の中でも頂点に君臨する〈四大精霊〉にしか名乗ることが許されない名前だぞ!」
「えぇぇぇぇぇぇっ?!」
1
お気に入りに追加
2,840
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
パーティー会場で婚約破棄するなんて、物語の中だけだと思います
みこと
ファンタジー
「マルティーナ!貴様はルシア・エレーロ男爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄そして、ルシアとの婚約をここに宣言する!!」
ここ、魔術学院の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、ベルナルド・アルガンデ。ここ、アルガンデ王国の王太子だ。
何故かふわふわピンク髪の女性がベルナルド王太子にぶら下がって、大きな胸を押し付けている。
私、マルティーナはフローレス侯爵家の次女。残念ながらこのベルナルド王太子の婚約者である。
パーティー会場で婚約破棄って、物語の中だけだと思っていたらこのザマです。
設定はゆるいです。色々とご容赦お願い致しますm(*_ _)m
一族に捨てられたので、何とか頑張ってみる。
ユニー
ファンタジー
魔法至上主義の貴族選民思想を持っている一族から、魔法の素質が無いと言う理由だけで過酷な環境に名前ごと捨てられた俺はあの一族の事を感情的に憤怒する余裕もなく、生きていくだけで手一杯になった!知識チート&主人公SUGEEEE!です。
□長編になると思う多分□年齢は加算されるが、見た目は幼いまま成長しません。□暴力・残虐表現が多数発生する可能性が有るのでR15を付けました□シリアルなのかコメディなのか若干カオスです。□感想を頂くと嬉しいです。□小説家になろうに投稿しています。
http://ncode.syosetu.com/n8863cn/
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる