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12話
しおりを挟む「同じことを……?」
「はい、そうです。彼らが自分の口で言ったことですので」
「具体的にはどのようなことを?」
「彼らにはまず冤罪を大勢の生徒の前でかけられ、名誉に傷を負わされましたので、彼らも私の冤罪をかけたことを公衆の面前で撤回し、謝罪していただきたいと思います」
しっかりと学園の生徒全員を集め、壇上に立って謝ってもらうつもりだ。
大勢の前で頭を下げ、冤罪をかけていたことを謝罪する、ということはプライドの高い三人にとっては余程屈辱だろう。
「しかし、同じことをするということは家紋の件はどうするのだ? アリス嬢が受けた暴力は?」
国王が質問してきた。
「家紋を踏みつける、というのは無理でしょう。ですので、別の行為で代替して頂きます」
「代替?」
「はい。廃嫡され、謝罪を終えた後、一ヶ月間学園に通い続けてもらいます」
今までの権力はすべて無くなり、罪人の烙印を押された彼ら三人が学園に通い続けるというのは地獄に等しいだろう。
今まで権力を嵩に威張ってきた相手や、恨みを買っていた相手からはこぞって報復を受ける。
私の発言にロバートたち三人は驚愕する。
「そんなの酷すぎる!」
「オレたちがどうなってもいいからって酷すぎるだろ!」
「そうです! いくらなんでも──」
「黙れい!」
国王は三人を一喝した。
「アリス嬢がそうしろというなら受け入れろ。それが貴様たちの行いの代償だ」
「そ、そんな……」
「もちろん、嫌と言おうが何と言おうが一ヶ月間強制的に学園に通い続けてもらう。これを三人に下す刑ということにしよう。アリス嬢、それでいいだろうか」
「はい、構いません」
私は頷く。
するとロバートたち三人は罰が嫌だったのか、急に私へ縋りついてきた。
「アリス! 頼む! 俺が悪かった!」
「もう少し刑を軽くしてください!」
「そうだよ! このままじゃオレたちはどんな目に合うか……!」
「それは知りません」
私は冷たく拒絶した。
しかしロバートは往生際悪く要求した。
「アリス! 今までのことは全て謝る! 婚約破棄して悪かった!」
そしていきなり婚約破棄について謝ってきた場違いなロバートに、私はため息をついてこう言った。
「『婚約破棄して申し訳ない』ですか? いえ、今更もう遅いです」
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