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鬼ごっこ
そばに
しおりを挟む「お婆さん、ありがとうございます」
ユウキはお婆さんに頭を下げた
「おや、まだお礼をするのは早いよ」
頭を下げる私たちをよそに
お婆さんは話を続ける
「そこの若い子、その手をお出し」
ユウキは消えかけている手を
お婆さんに差し出す
お婆さんは魔法使いの様に
手に持っていたあのモップを
ユウキの手に振りかけた
すると、手が光ったかと思えば
消えかけていたユウキの手が元に戻った
「手がっ!!!」
「完全に戻したわけではないよ
いいかい?消えてしまう前にちゃんと成仏しなさい。
そして、この魂のかけら、あの男の子に感謝しなさい」
私はもう一度ユウキの手を確かめた
消えかけていたはずのユウキの手が
ちゃんとここに存在していた
「あの、交換条件とかは...私と交わしたみたいな」
「ああ、それはねえこの子からは既に貰っているから良いんだよ」
お婆さんは真っ赤な口を
ニヤッとさせ笑みを浮かべた
ユウキは必死に思い出そうとしているが
覚えが無いみたい
どうやら、お婆さん良い歳だなら
誰かと人違いでもしているのかな、
なんて思っていると私の心を見透かしたかのように
「お前さんからのモップ
楽しみにしているよ」
お婆さんはそう言って
図書室から出て行った
「え?モップ???」
ユウキは不思議そうに言った
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