オバケに恋した花子さん

はじまり

逃げて

しばらくすると
鏡の向こうから
チャイムの音が聞こえてきた


「本当にここって..学校だったんだ」

「この鏡の世界なら色んな場所へ行けるよ」

「たとえば？」

「音楽室とか？」

「えーーーーやだ。なんか怖い」

「あはは、俺が死んだ病院の病室とか」

「......。」

「ごめん、今の忘れて」

「いや、聞く。聞かせて？ユウキの事」

「話しても良い事ないぜ」

「知りたい。ユウキの事。この世界の事。ねぇ、いつからここにいるの？」


「どうだろう...もう半年になるかな」

ユウキは困った顔をしたけど
私に話をしてくれた

両親の事、病気の事、初恋の話や学校での出来事を

優しく笑って私に話してくれた