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SS:やっぱりこうなる
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「凪。欲しいものはないか? 俺さぁ、給料から月三万円を財形貯蓄しているらしんだ。社長に結婚すると言ったら、いつでも下ろせるって教えてくれた。今まで殆ど金を使っていないから、給料が振り込まれる口座にも二百万円以上貯まっているし。家具でも服でも宝石でも、好きなものを言ってくれ」
肩を寄せ合ってベンチに座っている凪に、章はそう訊いてみた。いつもは何もいらないと言う凪だが、誕生日ぐらいは贅沢品を欲しがるかもしれないと章は期待していた。
「子どもができるとね、お金がとてもかかるらしいの。そのお金は貯めておきましょう」
凪は小さく首を振った。豪華なマンションの部屋に住んで、広いキッチンと自分の部屋が自由に使うことができる。そして、真面目で優しくて、絶対に浮気をしない旦那さまがいて、こんな優しいことを訊いてくれる。贅沢過ぎて怖いぐらいだと凪は思っていた。その上何かをねだるなど、凪は強欲過ぎだと感じている。
「大丈夫だって。四月からかなり給料は上がるし、配偶者手当もつく。財形貯蓄を増やしても手取りは確実に増えるから」
勤労高校生ということで、七時間しか働いていない章の給料は手取りで十六万円程だ。そこから三万円を財形貯蓄に回して、十三万円ほどの給料が預金口座に振り込まれる。
実はマイコンボードの開発を行っていて、広い研究室までもらっているフェローという役職に就いている章なので、本来の給料はもっと高額なのだが、彼には使いみちがないため、現金は他の工場勤務者と同じ計算で受け取り、残りは株券でもらうことになっていた。だから、安心して給料明細を凪に見せることができている。
「でも、本当に満ち足りた生活だもの。素敵な家具や電気製品、調理器具も全て揃っているし。章にもらっている月十万円のお金は、三万円ぐらい残るのよ」
家賃や公共料金、それに通信費も払っていないので、二人の生活費は食費と雑費と衣服代ぐらいで済む。
雑貨は章の休日にドラッグストアの特売品を買い溜めし、服は衣料量販店で買っている。スタイルのいい凪に、男女兼用のシンプルな服はよく似合っていた。
今は凪の社会保険料を払わなくてはいけないので、それは凪の退職金から支払っていた。それも結婚すれば凪は扶養家族となり不要となる。
二人は外食にも行かないし、映画は家にある立派なホームシアターで観ている。新作は無理だが、映像閲覧サイトの見放題を契約しているので、いつでも映画が観られるのだ。
広いベランダは三十畳ほどもあり、ガーデンガテーブルが置かれていて、暖かくなってくれば外で食事をすることも可能だった。大きなサンルームもあり、サマーベッドを持ち出して寝転んで本を読むこともできる。
風呂はとても広くて、ちょっとしたペンション並である。
今の生活は十分に贅沢だと凪は感じていた。
「本当に欲しいものはないのか。せっかくの誕生日なのに」
章は再度問うた。凪が慎ましやかに暮らしているのは知っている。章もその生活に満足していた。しかし、誕生日ぐらいわがままを言ってもらいたい。凪に贅沢させるぐらいの甲斐性はあると章は思っていた。
「私が一番欲しいものは章よ」
章がいるだけで全てが満たされると、凪は思っている。
「寒くなってきたから帰るか? 家に着いたら俺をプレゼントしてやるから」
章は凪の鞄を持って立ち上がった。
「えっと、帰ってからセックスするという意味? それなら明日も仕事だし。そういうつもりじゃなかったの」
「平気だって。俺の全てを堪能しろ」
章の引き締まった体は本当に色気があると凪は思う。与えられる快楽に耐える顔も、耐えきれず吐精に至る息遣いも、章の全てが魅力的だ。
立ち上がった章の手首から凪は手かせを外した。手かせは章と触れ合うための大切なアイテムなので、凪は抱きしめるようにして車の方に歩いていく。
マンションに帰り着くと、時刻は八時半ほどになっていた。八階の部屋から見る夜景もかなり綺麗だ。
「ねえ、一緒にお風呂へ入らない。私が洗ってあげるから」
凪は章を風呂に誘った。広い風呂場には大きな窓があり、やはり夜景が見える。近隣でも一番高いビルの最上階なので、覗かれる心配もない。
こうして、少しずつ二人の時間を増やしていきたいと凪は思った。
「手かせをしてくれるか?」
章は犯罪者のように両手首を合わせて前に出す。
「章は私を傷つけたりしないから、大丈夫よ」
魔法の言葉を口にしながら、凪はゆっくりと章に近づいていった。
「座って」
全裸の章を壁にもたれかかるように座らせた凪は、章の手首を拘束している手かせの鎖を低い方のシャワーフックにかけた。浴室暖房がきいているので、背や尻が冷たいことはない。
両手を頭上で拘束され、無防備に裸をさらしている章は、とても美しいと凪は思った。雌が求める最上の雄というのはこんな男のことだろう。
凪がシャワーをかけると、若く引き締まった章の体を湯が筋になって流れていく。期待と羞恥で上気している章。その様子に凪も濡れていく。
スポンジにボディソープをつけ泡立てた凪は、そっと章の体を洗った。首筋から発達した胸筋、そして、綺麗に割れた腹筋。凪は撫でるようにスポンジを章の体に這わせていく。
「章はとても綺麗ね」
「凪の方が綺麗に決まっている」
章は凪の裸体を眺めていた。それは章から見れば神々しいほどの美しさだ。凪があれほど自己評価が低いのが章には信じられない。
女と触れ合うには無理だからと諦めていたセックスは、章が想像していた以上の快楽であった。それは相手が凪だったからかもしれない。
その与えられる最高の快楽に想いを馳せ、章の男根は既に硬く大きくなっていた。
肩を寄せ合ってベンチに座っている凪に、章はそう訊いてみた。いつもは何もいらないと言う凪だが、誕生日ぐらいは贅沢品を欲しがるかもしれないと章は期待していた。
「子どもができるとね、お金がとてもかかるらしいの。そのお金は貯めておきましょう」
凪は小さく首を振った。豪華なマンションの部屋に住んで、広いキッチンと自分の部屋が自由に使うことができる。そして、真面目で優しくて、絶対に浮気をしない旦那さまがいて、こんな優しいことを訊いてくれる。贅沢過ぎて怖いぐらいだと凪は思っていた。その上何かをねだるなど、凪は強欲過ぎだと感じている。
「大丈夫だって。四月からかなり給料は上がるし、配偶者手当もつく。財形貯蓄を増やしても手取りは確実に増えるから」
勤労高校生ということで、七時間しか働いていない章の給料は手取りで十六万円程だ。そこから三万円を財形貯蓄に回して、十三万円ほどの給料が預金口座に振り込まれる。
実はマイコンボードの開発を行っていて、広い研究室までもらっているフェローという役職に就いている章なので、本来の給料はもっと高額なのだが、彼には使いみちがないため、現金は他の工場勤務者と同じ計算で受け取り、残りは株券でもらうことになっていた。だから、安心して給料明細を凪に見せることができている。
「でも、本当に満ち足りた生活だもの。素敵な家具や電気製品、調理器具も全て揃っているし。章にもらっている月十万円のお金は、三万円ぐらい残るのよ」
家賃や公共料金、それに通信費も払っていないので、二人の生活費は食費と雑費と衣服代ぐらいで済む。
雑貨は章の休日にドラッグストアの特売品を買い溜めし、服は衣料量販店で買っている。スタイルのいい凪に、男女兼用のシンプルな服はよく似合っていた。
今は凪の社会保険料を払わなくてはいけないので、それは凪の退職金から支払っていた。それも結婚すれば凪は扶養家族となり不要となる。
二人は外食にも行かないし、映画は家にある立派なホームシアターで観ている。新作は無理だが、映像閲覧サイトの見放題を契約しているので、いつでも映画が観られるのだ。
広いベランダは三十畳ほどもあり、ガーデンガテーブルが置かれていて、暖かくなってくれば外で食事をすることも可能だった。大きなサンルームもあり、サマーベッドを持ち出して寝転んで本を読むこともできる。
風呂はとても広くて、ちょっとしたペンション並である。
今の生活は十分に贅沢だと凪は感じていた。
「本当に欲しいものはないのか。せっかくの誕生日なのに」
章は再度問うた。凪が慎ましやかに暮らしているのは知っている。章もその生活に満足していた。しかし、誕生日ぐらいわがままを言ってもらいたい。凪に贅沢させるぐらいの甲斐性はあると章は思っていた。
「私が一番欲しいものは章よ」
章がいるだけで全てが満たされると、凪は思っている。
「寒くなってきたから帰るか? 家に着いたら俺をプレゼントしてやるから」
章は凪の鞄を持って立ち上がった。
「えっと、帰ってからセックスするという意味? それなら明日も仕事だし。そういうつもりじゃなかったの」
「平気だって。俺の全てを堪能しろ」
章の引き締まった体は本当に色気があると凪は思う。与えられる快楽に耐える顔も、耐えきれず吐精に至る息遣いも、章の全てが魅力的だ。
立ち上がった章の手首から凪は手かせを外した。手かせは章と触れ合うための大切なアイテムなので、凪は抱きしめるようにして車の方に歩いていく。
マンションに帰り着くと、時刻は八時半ほどになっていた。八階の部屋から見る夜景もかなり綺麗だ。
「ねえ、一緒にお風呂へ入らない。私が洗ってあげるから」
凪は章を風呂に誘った。広い風呂場には大きな窓があり、やはり夜景が見える。近隣でも一番高いビルの最上階なので、覗かれる心配もない。
こうして、少しずつ二人の時間を増やしていきたいと凪は思った。
「手かせをしてくれるか?」
章は犯罪者のように両手首を合わせて前に出す。
「章は私を傷つけたりしないから、大丈夫よ」
魔法の言葉を口にしながら、凪はゆっくりと章に近づいていった。
「座って」
全裸の章を壁にもたれかかるように座らせた凪は、章の手首を拘束している手かせの鎖を低い方のシャワーフックにかけた。浴室暖房がきいているので、背や尻が冷たいことはない。
両手を頭上で拘束され、無防備に裸をさらしている章は、とても美しいと凪は思った。雌が求める最上の雄というのはこんな男のことだろう。
凪がシャワーをかけると、若く引き締まった章の体を湯が筋になって流れていく。期待と羞恥で上気している章。その様子に凪も濡れていく。
スポンジにボディソープをつけ泡立てた凪は、そっと章の体を洗った。首筋から発達した胸筋、そして、綺麗に割れた腹筋。凪は撫でるようにスポンジを章の体に這わせていく。
「章はとても綺麗ね」
「凪の方が綺麗に決まっている」
章は凪の裸体を眺めていた。それは章から見れば神々しいほどの美しさだ。凪があれほど自己評価が低いのが章には信じられない。
女と触れ合うには無理だからと諦めていたセックスは、章が想像していた以上の快楽であった。それは相手が凪だったからかもしれない。
その与えられる最高の快楽に想いを馳せ、章の男根は既に硬く大きくなっていた。
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