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謁見の間③
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………………。
王様はお心が広い。
侍従たちは明らかに俺の不遜な態度に気付いて慌てていたが、王様はゆっくりと玉座に腰かけた。
そして大臣たちも席に着いたので、俺も座った。
ふぅ、命拾い。
オーケルマンも事前に言ってくれよ!
王様をジロジロ見るなって!!
大臣たちは次々と議題を持ちかける。
徴税額の減少がどうのこうの、使節団の選出をどうのこうの……。
国を挙げて話し合う時、どの国も似たような内容になるんだろうな。
それより目についたのは死にかけの爺さん、もとい、王様だ。
虚ろな目で遠くをぼーっと見つめている。
話聞いてんのか?
王様は大臣たちの提案に対し、
「そのように」
「却下」
の2つしか言わない。
しかもオーケルマンが合図を出している。
王様の決定は、オーケルマンの意向に沿っている。
王様はまるでオーケルマンの操り人形だ!
そりゃあ、自分は宰相だ何だと権力を誇示するわけだ。
オーケルマンが立ち上がった。
「えー、最後に一つよろしいですかな? ソール騎士団の予算についてですが、最近は専ら平和な世の中と言えるでしょう。このままでは王国は、民の血税を使って不要な組織に散財することになってしまいますぞ。
今や、ソール騎士団は無用の長物。そこでどうでしょう。騎士団は解散させ、下級騎士と待遇を同じするのは」
へぇ~意外と仕事はしてるんだな。
皆の税金は上手に使ってもらいたいもんだ。
……俺は払ってないけどな。
オーケルマンは王様に合図を贈る。
もちろん「そのように」と言わせるつもりだ。
長い王宮会議で船を漕いでいた王様の反応は鈍い。
分かるよ、俺も校長先生の話は無駄に長いと思ってたから!!
王様は首ががくんとなったところで目が覚め、オーケルマンを見た。
状況を掴めないまま、口を「お」の形にした瞬間――。
鎧で武装した集団が、堂々と赤絨毯を踏んで玉座へと向かって歩いている。
「おい!! 無礼者!! 王様の御前だぞ!!」
待ちに待った返事を遮られてフガフガと息を荒くするオーケルマン。
その制止を無視して、集団は玉座の前にたどり着いた。
王様はお心が広い。
侍従たちは明らかに俺の不遜な態度に気付いて慌てていたが、王様はゆっくりと玉座に腰かけた。
そして大臣たちも席に着いたので、俺も座った。
ふぅ、命拾い。
オーケルマンも事前に言ってくれよ!
王様をジロジロ見るなって!!
大臣たちは次々と議題を持ちかける。
徴税額の減少がどうのこうの、使節団の選出をどうのこうの……。
国を挙げて話し合う時、どの国も似たような内容になるんだろうな。
それより目についたのは死にかけの爺さん、もとい、王様だ。
虚ろな目で遠くをぼーっと見つめている。
話聞いてんのか?
王様は大臣たちの提案に対し、
「そのように」
「却下」
の2つしか言わない。
しかもオーケルマンが合図を出している。
王様の決定は、オーケルマンの意向に沿っている。
王様はまるでオーケルマンの操り人形だ!
そりゃあ、自分は宰相だ何だと権力を誇示するわけだ。
オーケルマンが立ち上がった。
「えー、最後に一つよろしいですかな? ソール騎士団の予算についてですが、最近は専ら平和な世の中と言えるでしょう。このままでは王国は、民の血税を使って不要な組織に散財することになってしまいますぞ。
今や、ソール騎士団は無用の長物。そこでどうでしょう。騎士団は解散させ、下級騎士と待遇を同じするのは」
へぇ~意外と仕事はしてるんだな。
皆の税金は上手に使ってもらいたいもんだ。
……俺は払ってないけどな。
オーケルマンは王様に合図を贈る。
もちろん「そのように」と言わせるつもりだ。
長い王宮会議で船を漕いでいた王様の反応は鈍い。
分かるよ、俺も校長先生の話は無駄に長いと思ってたから!!
王様は首ががくんとなったところで目が覚め、オーケルマンを見た。
状況を掴めないまま、口を「お」の形にした瞬間――。
鎧で武装した集団が、堂々と赤絨毯を踏んで玉座へと向かって歩いている。
「おい!! 無礼者!! 王様の御前だぞ!!」
待ちに待った返事を遮られてフガフガと息を荒くするオーケルマン。
その制止を無視して、集団は玉座の前にたどり着いた。
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