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アツモリ、竜殺し(ドラゴンスレイヤー)とデスマッチをやる
第118話 どうして姉妹なのに・・・
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そう、魔法というのは力の加減が難しいから、武器を使った試合のように『相手が武器を失ったら』とか『相手の体に武器が触れたら』という決着が出来ないのだ。
魔法使い同士の試合の決着方法は「相手が降伏する」「相手の攻撃力を失わせる」なのだが、攻撃力を失わせる=相手を殺す、に置き換えても合法なのだ!戦士系同士の場合、相手が死んでしまった場合は過剰攻撃でルール違反になり、攻撃を仕掛けた側が蘇生に必要な寄進額を支払う義務を負うが、魔法使い同士の試合の場合は適用されない。合法ではあるがタブーだから、死なない程度に力をセーブするけど死んでしまったら仕方ない、というのが魔法使い同士の試合なのだ。
ただし、魔法使い同士の試合には独特のルールがあり、魔法力を回復させる道具や飲み薬の使用は認められていないが、相手の体力や魔法力を奪う呪文の使用は合法だ。ルール違反ではないが、精霊使いの風の精霊の『沈黙』、魔術師の『結界』『反射』、神聖魔法の『結界』の使用はタブーであり、格闘による決着もルール上はOKだが基本的にはタブーだ。ただ、試合の流れで魔法使い同士が格闘戦をやることが年に数例あるのも事実だが、その場合は格闘戦のルールが適用されるし、魔法力が殆ど尽きた魔法使い同士が格闘戦で決着をつけた試合は、支部で1年に1例あるかどうかというのも事実だ。それ位に魔魔法使い同士の試合は互いの魔法によって決着がついているのだ。
武器はあらかじめ装備している物に限られるから、『魔法の巾着袋』から別の武器を取り出した時点で反則負けとなる。もっとも、魔法使いは戦士系と違って剣を振り回す事はないから、装備している武器といってもせいぜい細剣か小型の鎚鉾、短剣だし、魔術師が使う杖は魔法の発動体だから攻撃に使う事は有り得ないし、護身用のナイフを試合で使う事は無い。ただ、事前に装備しているのであれば、弓矢や投擲武器はもちろん、短剣で攻撃しても合法なのが魔法使い同士の試合の恐ろしいところなのだ。
要するに「殺されるなら、その前に殺せ」という正当防衛の理屈が通るのだ。本当に殺してしまった場合でも、戦士系同士の試合のように過剰攻撃が適用されないのも魔法使い同士の試合の恐ろしいところだ。
何故このようなルールなのかといえば、古代魔法王国時代の魔術師同士の決闘のルールが、現代でも魔法使い同士の試合のルールの元になっているからに他ならない。
補足だが、宗教上の理由でバレンティノ教とアンテプリマ教を信仰する聖職者は、冒険者ギルドに登録している者といえども試合をやれないが、アルマーニ教など、他の5つの神を信仰する聖職者は試合をやっても問題ない。僧兵は教団専属の兵なので冒険者ギルドにはいないが、僧兵出身の冒険者は格闘家あるいは棒術使いとして登録されているから、試合をやる、やらないは個人の判断に任されている。聖職者に対する賭けは、神を賭けの対象にするのと同じだから究極のタブーである。
青銅クラスの魔法使いにとって、白金クラスと試合をするという事はデスマッチをやらされるのに等しいのだ。『実力差があり過ぎると分かっていて試合をするのは禁止する』というギルドの規則に抵触しかねず、レクサス支部長が「ルール違反スレスレ」と言ったのはその為なのだ。
魔法で相手を仕留めるのが魔法使い同士の試合であり、強力な呪文が頻繁に使われる銀以上では死亡率が半端なく高いのが、魔法使い同士の戦いだ。死亡させてしまった相手を蘇生させる、させないは試合開始前に互いに確認しあう事になっているが、今回の場合・・・
「・・・どうして私がお前を憎んでるか、分かってるの?」
「・・・分かっている・・・つもりだ」
「お前のせいで、この私まで疑いの目を向けられた。母はお前の母であったが故に魔術師協会の理事を解任された!ロードスター家はその事で相当な痛手を受けたのを分かっているのか!!答えろ!!!」
「スマン・・・」
「それ以上の答えはないのか!!」
「スマン・・・」
相変わらずミアータは憎悪の塊ような目でエミーナに絶叫しているが、エミーナの方はまるで『蛇に睨まれた蛙』のように委縮している。思わず敦盛は「はーー」とため息をついて、隣にいたユーノスに
「・・・なあ、ユーノスさん」
「ん?」
「エミーナとミアータさん、姉妹なんだろ?」
「そうだ。父親は違うけど」
「どうして姉妹なのに、あそこまで喧嘩腰なんだ?というより、妹の方が姉を馬鹿にしてるように思えるけど・・・」
「アツモリよお、まさかとは思うけど、ミアータが魔術の名門ロードスター家の令嬢だから、貴族が市民を見下しているのと同じに思ってないかあ?」
「違うのか?」
「全然違う。ミアータにはエミーナを憎悪するだけの理由があるのさ」
魔法使い同士の試合の決着方法は「相手が降伏する」「相手の攻撃力を失わせる」なのだが、攻撃力を失わせる=相手を殺す、に置き換えても合法なのだ!戦士系同士の場合、相手が死んでしまった場合は過剰攻撃でルール違反になり、攻撃を仕掛けた側が蘇生に必要な寄進額を支払う義務を負うが、魔法使い同士の試合の場合は適用されない。合法ではあるがタブーだから、死なない程度に力をセーブするけど死んでしまったら仕方ない、というのが魔法使い同士の試合なのだ。
ただし、魔法使い同士の試合には独特のルールがあり、魔法力を回復させる道具や飲み薬の使用は認められていないが、相手の体力や魔法力を奪う呪文の使用は合法だ。ルール違反ではないが、精霊使いの風の精霊の『沈黙』、魔術師の『結界』『反射』、神聖魔法の『結界』の使用はタブーであり、格闘による決着もルール上はOKだが基本的にはタブーだ。ただ、試合の流れで魔法使い同士が格闘戦をやることが年に数例あるのも事実だが、その場合は格闘戦のルールが適用されるし、魔法力が殆ど尽きた魔法使い同士が格闘戦で決着をつけた試合は、支部で1年に1例あるかどうかというのも事実だ。それ位に魔魔法使い同士の試合は互いの魔法によって決着がついているのだ。
武器はあらかじめ装備している物に限られるから、『魔法の巾着袋』から別の武器を取り出した時点で反則負けとなる。もっとも、魔法使いは戦士系と違って剣を振り回す事はないから、装備している武器といってもせいぜい細剣か小型の鎚鉾、短剣だし、魔術師が使う杖は魔法の発動体だから攻撃に使う事は有り得ないし、護身用のナイフを試合で使う事は無い。ただ、事前に装備しているのであれば、弓矢や投擲武器はもちろん、短剣で攻撃しても合法なのが魔法使い同士の試合の恐ろしいところなのだ。
要するに「殺されるなら、その前に殺せ」という正当防衛の理屈が通るのだ。本当に殺してしまった場合でも、戦士系同士の試合のように過剰攻撃が適用されないのも魔法使い同士の試合の恐ろしいところだ。
何故このようなルールなのかといえば、古代魔法王国時代の魔術師同士の決闘のルールが、現代でも魔法使い同士の試合のルールの元になっているからに他ならない。
補足だが、宗教上の理由でバレンティノ教とアンテプリマ教を信仰する聖職者は、冒険者ギルドに登録している者といえども試合をやれないが、アルマーニ教など、他の5つの神を信仰する聖職者は試合をやっても問題ない。僧兵は教団専属の兵なので冒険者ギルドにはいないが、僧兵出身の冒険者は格闘家あるいは棒術使いとして登録されているから、試合をやる、やらないは個人の判断に任されている。聖職者に対する賭けは、神を賭けの対象にするのと同じだから究極のタブーである。
青銅クラスの魔法使いにとって、白金クラスと試合をするという事はデスマッチをやらされるのに等しいのだ。『実力差があり過ぎると分かっていて試合をするのは禁止する』というギルドの規則に抵触しかねず、レクサス支部長が「ルール違反スレスレ」と言ったのはその為なのだ。
魔法で相手を仕留めるのが魔法使い同士の試合であり、強力な呪文が頻繁に使われる銀以上では死亡率が半端なく高いのが、魔法使い同士の戦いだ。死亡させてしまった相手を蘇生させる、させないは試合開始前に互いに確認しあう事になっているが、今回の場合・・・
「・・・どうして私がお前を憎んでるか、分かってるの?」
「・・・分かっている・・・つもりだ」
「お前のせいで、この私まで疑いの目を向けられた。母はお前の母であったが故に魔術師協会の理事を解任された!ロードスター家はその事で相当な痛手を受けたのを分かっているのか!!答えろ!!!」
「スマン・・・」
「それ以上の答えはないのか!!」
「スマン・・・」
相変わらずミアータは憎悪の塊ような目でエミーナに絶叫しているが、エミーナの方はまるで『蛇に睨まれた蛙』のように委縮している。思わず敦盛は「はーー」とため息をついて、隣にいたユーノスに
「・・・なあ、ユーノスさん」
「ん?」
「エミーナとミアータさん、姉妹なんだろ?」
「そうだ。父親は違うけど」
「どうして姉妹なのに、あそこまで喧嘩腰なんだ?というより、妹の方が姉を馬鹿にしてるように思えるけど・・・」
「アツモリよお、まさかとは思うけど、ミアータが魔術の名門ロードスター家の令嬢だから、貴族が市民を見下しているのと同じに思ってないかあ?」
「違うのか?」
「全然違う。ミアータにはエミーナを憎悪するだけの理由があるのさ」
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