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アツモリ、竜殺し(ドラゴンスレイヤー)と会う
第102話 うまーーーーーーーーーーーーーーーーい!
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「ごゆっくりお召し上がりくださーい」
そう言って女の子はニコッと、まあ営業スマイルだとは思うけど微笑みながらテーブルを後にしたけど、敦盛たちにとっては女の子がどーのこーのよりも目の前の料理に夢中だ。
敦盛の目の前のお皿に乗せられた、アツアツの天婦羅から湯気が立ち上り、しかも強烈な柚子塩の香りがする!殆ど見飽きたようなコンソメスープとは違う出汁が効いた豚汁には豚肉に加えて里芋と人参、それに上には新鮮な緑色の葱が乗っている。刺身の盛り合わせに乗っているのは海老と鮪と鯛で、大根のツマの横にはさり気なく山葵が添えられている。しかもドルチェガッバーナ王国では定番の紅茶ではなく緑茶が湯呑み茶碗に入っている!
それに・・・プクッと膨らんだ黄身が新鮮さを証明している生卵に真っ白ご飯!!これが夢にまで見た『たまごかけご飯』かと思うとワクワクする!!!
「・・・では、早速食べましょう!!」
そうルシーダは言うと右手をトレーに伸ばしたが・・・その時、ルシーダはスプーンとフォーク以外に細長い木の棒が2本、置いてある事に気付いた。
「・・・あれっ?マリナさあん、この棒を知ってる?」
そう言ってルシーダは2本の棒を左右の手に1本づつ持ったけど、それはココアも同じで両手で1本ずつ持って首を傾げている。だけも敦盛も満里奈もそれを見てニコニコしている。
「あー、それは『箸』だよ」
「「 ハシ? 」」
「そう、箸」
「ふーん、で、何に使うの?」
「元々は神のお供えする物を並べる時に使っていた道具なんだけど、これを使って食べるのさ」
「「 嘘でしょー!! 」」
ルシーダとココアは思わず絶叫してしまったけど、敦盛は右手に、満里奈は左手に箸をもって、それを使って天婦羅を『ヒョイ』とばかりに摘まんだから、ルシーダもココアも目が点になっているほどだ。
「・・・無理して箸を使わなくてもいいぜ。その証拠にスプーンやフォークもついてるし」
「そうよー。他のテーブルのお客さんだって箸を使ってる人はいないから、別にルシーダちゃんやココアちゃんが箸を使えないのを不思議に思う人はいないよー」
敦盛も満里奈もそう言ってニコニコしてるけど、たしかに箸を手に取っているのは敦盛と満里奈だけで、他のお客さんは誰も箸に触れようとしないだの。それに気付いてルシーダもココアも『ホッ』とばかりに胸を撫で下ろした。
そんなルシーダに向かって満里奈は「はい」とばかりに醤油が入った小皿をサッと前に出した。
「・・・ルシーダちゃん、たまごをグルグルとかき混ぜて」
「かき混ぜる?」
「そう、グルグルとね。その後に醤油と一緒にグルグルとかき混ぜてからご飯の上にダバッと乗せる」
「へえー」
「ただ、この醤油、思ってる以上に塩辛いから、あまり使い過ぎると地獄を見るわよー」
「マジ?」
「ご飯にかけると塩辛いのが分かりにくくなるから、ついつい使い過ぎてしまうけど、コツは『ちょっと薄いかな』程度です」
「丁寧な解説、ありがとうございます!」
ルシーダは興奮したような表情でフォークでたまごをかき混ぜ始め、それを見ていたココアもルシーダの真似をしてかき混ぜ始めた。ルシーダとココアはフォークでかき混ぜているけど敦盛と満里奈は箸だ。そのまま4人は少しずつ醤油を足していき、互いに自分の舌にペロッと乗せて「まあ、このくらいかなあ」と呟いた後、自分で自分のご飯の上にたまごをぶかっけた。
でも、ここで敦盛も満里奈も箸を戻した。ルシーダもココアも何事かと思って2人を交互に見てるけど、敦盛も満里奈もニコニコ顔のままだ。
「・・・では、ここで食事前の挨拶をしましょう!」
「そうしましょう!」
ルシーダもココアも敦盛と満里奈が言ってる意味が全然分からない。だからルシーダは満里奈のセーラー服の袖を引っ張って意味を聞いたのだが・・・
「・・・うっそー、マリナさんの国では、そんな変わった挨拶をしてから食べるのー?」
「そうだよー」
「でもさあ、折角だから私もやってみようかなあ」
「でしょ?この際だから、4人でやろうよ!」
「わたしもやってみたーい!!」
「では、やりましょう!」
そう満里奈が言うと、ルシーダもココアも、それに敦盛もニコッととして互いの顔を見わせた後、両手を合わせた。
「「「「いただきまーす」」」」
敦盛たち4人は一斉にご飯の茶碗を手に取ると敦盛と満里奈は箸を、ルシーダとココアはスプーンを手に取って、他の物には目もくれずに口にかき込んだ。その様子を見ていた周囲の人たちが笑っていたけど、4人そんな事を気にする素振りもなく、あっという間に食べきった!
「「「「うまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」」」」
そう言って女の子はニコッと、まあ営業スマイルだとは思うけど微笑みながらテーブルを後にしたけど、敦盛たちにとっては女の子がどーのこーのよりも目の前の料理に夢中だ。
敦盛の目の前のお皿に乗せられた、アツアツの天婦羅から湯気が立ち上り、しかも強烈な柚子塩の香りがする!殆ど見飽きたようなコンソメスープとは違う出汁が効いた豚汁には豚肉に加えて里芋と人参、それに上には新鮮な緑色の葱が乗っている。刺身の盛り合わせに乗っているのは海老と鮪と鯛で、大根のツマの横にはさり気なく山葵が添えられている。しかもドルチェガッバーナ王国では定番の紅茶ではなく緑茶が湯呑み茶碗に入っている!
それに・・・プクッと膨らんだ黄身が新鮮さを証明している生卵に真っ白ご飯!!これが夢にまで見た『たまごかけご飯』かと思うとワクワクする!!!
「・・・では、早速食べましょう!!」
そうルシーダは言うと右手をトレーに伸ばしたが・・・その時、ルシーダはスプーンとフォーク以外に細長い木の棒が2本、置いてある事に気付いた。
「・・・あれっ?マリナさあん、この棒を知ってる?」
そう言ってルシーダは2本の棒を左右の手に1本づつ持ったけど、それはココアも同じで両手で1本ずつ持って首を傾げている。だけも敦盛も満里奈もそれを見てニコニコしている。
「あー、それは『箸』だよ」
「「 ハシ? 」」
「そう、箸」
「ふーん、で、何に使うの?」
「元々は神のお供えする物を並べる時に使っていた道具なんだけど、これを使って食べるのさ」
「「 嘘でしょー!! 」」
ルシーダとココアは思わず絶叫してしまったけど、敦盛は右手に、満里奈は左手に箸をもって、それを使って天婦羅を『ヒョイ』とばかりに摘まんだから、ルシーダもココアも目が点になっているほどだ。
「・・・無理して箸を使わなくてもいいぜ。その証拠にスプーンやフォークもついてるし」
「そうよー。他のテーブルのお客さんだって箸を使ってる人はいないから、別にルシーダちゃんやココアちゃんが箸を使えないのを不思議に思う人はいないよー」
敦盛も満里奈もそう言ってニコニコしてるけど、たしかに箸を手に取っているのは敦盛と満里奈だけで、他のお客さんは誰も箸に触れようとしないだの。それに気付いてルシーダもココアも『ホッ』とばかりに胸を撫で下ろした。
そんなルシーダに向かって満里奈は「はい」とばかりに醤油が入った小皿をサッと前に出した。
「・・・ルシーダちゃん、たまごをグルグルとかき混ぜて」
「かき混ぜる?」
「そう、グルグルとね。その後に醤油と一緒にグルグルとかき混ぜてからご飯の上にダバッと乗せる」
「へえー」
「ただ、この醤油、思ってる以上に塩辛いから、あまり使い過ぎると地獄を見るわよー」
「マジ?」
「ご飯にかけると塩辛いのが分かりにくくなるから、ついつい使い過ぎてしまうけど、コツは『ちょっと薄いかな』程度です」
「丁寧な解説、ありがとうございます!」
ルシーダは興奮したような表情でフォークでたまごをかき混ぜ始め、それを見ていたココアもルシーダの真似をしてかき混ぜ始めた。ルシーダとココアはフォークでかき混ぜているけど敦盛と満里奈は箸だ。そのまま4人は少しずつ醤油を足していき、互いに自分の舌にペロッと乗せて「まあ、このくらいかなあ」と呟いた後、自分で自分のご飯の上にたまごをぶかっけた。
でも、ここで敦盛も満里奈も箸を戻した。ルシーダもココアも何事かと思って2人を交互に見てるけど、敦盛も満里奈もニコニコ顔のままだ。
「・・・では、ここで食事前の挨拶をしましょう!」
「そうしましょう!」
ルシーダもココアも敦盛と満里奈が言ってる意味が全然分からない。だからルシーダは満里奈のセーラー服の袖を引っ張って意味を聞いたのだが・・・
「・・・うっそー、マリナさんの国では、そんな変わった挨拶をしてから食べるのー?」
「そうだよー」
「でもさあ、折角だから私もやってみようかなあ」
「でしょ?この際だから、4人でやろうよ!」
「わたしもやってみたーい!!」
「では、やりましょう!」
そう満里奈が言うと、ルシーダもココアも、それに敦盛もニコッととして互いの顔を見わせた後、両手を合わせた。
「「「「いただきまーす」」」」
敦盛たち4人は一斉にご飯の茶碗を手に取ると敦盛と満里奈は箸を、ルシーダとココアはスプーンを手に取って、他の物には目もくれずに口にかき込んだ。その様子を見ていた周囲の人たちが笑っていたけど、4人そんな事を気にする素振りもなく、あっという間に食べきった!
「「「「うまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」」」」
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