魔術師見習い、ニッポンの侍の末裔を召喚する（？）

行間１ 予言の章 第１節

第3話 バレンティノ経典より

　バレンティノ経典より抜粋

　バレンティノ経典　人間の章　第１節

　かつて、正義の至高神と闇の暗黒神は双子のきょうだいでした。
　神は地上界を作り、暗黒神は魔界を作りました。神と暗黒神は、どちらの作った世界が優れているかで喧嘩になり、結果的に暗黒神は自分の作った世界に住む事になりました。
　神は自らの心の中に善と悪を持っている事を認めました。人間は神が作った物なのです。だから人間は善と悪の両方の心をもっているのです。１つの魂なのに善と悪の心があるのは当たり前の事なのです。わたしたちは自分の心の中の悪を認めつつ、善の心で人に奉仕する必要があるのです。

　バレンティノ経典　人間の章　第３節

　人間は神によって作られました。
　神が作りし人間は神を超える事が出来ません。神を超えるという事は神の存在を否定する事になるからです。
　ですが、人間は変わります。なぜなら、変わらないということは緩慢な滅びの道を歩むと神が考えたからです。人間に考える力があるのはそのためです。ですが、魂は変わりません。なぜなら魂は神が与えるからです。
　人間は人間以外の物になる事はできません。なぜなら、神は母なる大地から人間を作ったからです。
　ですが、母なる大地から生まれた人間が人間以外の物になれた時、人間は神を超えた事になります。人間の常識では考えられない事が出来るようになります。

　バレンティノ経典　人間の章　第５節

　１つの肉体に１つの魂。これは常識です。１つの肉体に２つの魂。これはあり得ない事なのです。ですが、これを持つ人間が現れた時、人間は神を超えた事になります。人間の常識では考えられない事が出来るようになります。

　バレンティノ経典　世界の章　第４節

　ある時、神はとても疲れていたので居眠りをしてしまいました。気が付くと、地上界は半分になっていました。うっかり寝ぼけて、自分の足で地上界を割ってしまったからです。
　でも、残りの半分がどこへ行ったのか全然分かりません。
　神は残りの半分を一生懸命探しました。でも、どんなに探しても見つかりませんでした。だから、人間の数も半分になってしまいました。

　バレンティノ経典　予言の章　第１節。

　世界が滅亡の危機に陥った時、神が割った半分の地上界の扉が開きます。神が失いし人間の末裔、光り輝く者として終末の世界に降臨します。
　神は、世界の進むべき道をこの者に委ねます。