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第78回 姉妹の再会
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大型転移陣(ビッグゲート)を守備していた兵士たちが消息を立つ。
この報はすぐに魔王カルーラとアーシュラ、そしてハジメ達に知らされた。
すぐに捜索隊が編成されたが、それよりも早く事態は深刻化する。
「た、大変です! 大型転移陣(ビッグゲート)周辺の町や村が、突如現れたリッチの襲撃を受け多数の死者が出ております」
「なんだと!?」
驚愕するカルーラ、だが真の凶報はここからだった。
「そ、それとこれはまだ未確認の報告なのですが、菊の花をあしらった着物を着たアーシュラ様がリッチを指揮していたと……」
その報告を聞いた瞬間、アーシュラさんはその場で崩れ落ちる。
「おいアーシュラ、どうした?」
半ば呆然としているアーシュラさんの身体を揺するカルーラ、滅多に見れない光景だ。
しばらく動けなかったアーシュラさんの口から、ようやく一言だけ発せられた。
「……きく」
(きく?)
そういえば、前にアーシュラさんが言っていた。
この世界に召喚された際に、システィナの手によって殺された妹がいたと。
その名前は、たしか菊江。
ハジメの頭の中で、1つの答えが導き出される前に先に動いた男がいた。
妻アーシュラを抱き上げると、転移魔法の構築を始めた魔王カルーラだ。
「あなた?」
虚ろな目で夫を見つめる妻に、カルーラは優しく声をかける。
「行こう、システィナの思惑が何であれ君にとってかけがえの無い存在なのだろう? 会うと不幸になるかもしれないが、このまま会わずに居るときっと後悔する。 今は君1人だけじゃない、大丈夫だ。 私と頼りない娘に息子の3人、それとハジメ殿達も協力してくれる筈だ」
言われるまでもなくそのつもりだ。
しかし今回システィナはどんな悪辣な手段を仕掛けてきたのだろうか?
そんな疑問を抱きながら、ハジメはカルーラ夫妻と一緒に現場の村へ急行した。
「これは!?」
「……酷い」
眼前の村は火に包まれ、村の中はリッチで溢れ返っていた。
しかしほとんどのリッチは下級リッチで、上位のリッチはシスティナの手で直接作り変えられた兵士達だけらしい。
だがこれまでに襲われた村や町の住人達がほぼ絶望的だと分かった事で、これ以上の被害を出さない為に全てのリッチを掃討する作戦が決まった。
「小細工は無しだ、リッチを見つけ次第片っ端から焼き尽くす。 捕らえようなんて考えるな、すぐに灰にするんだ」
「ハジメ、リッチは食べないのですか?」
「食べない」
セシリアの問いかけに、ハジメは即答する。
「彼らは犠牲者であって、喰うべき相手じゃない。 喰って能力を手に入れる事は、俺にとっては彼らの生を弄んだシスティナと同類に成り下がるのと同じだ」
そう、確かに喰えば強くなれる。
結果的にはその方が、彼らの敵を討てる確率は高まるだろう。
しかし目的の為に犠牲者を利用する真似は、ハジメには出来ない。
それをした時、人の姿をしたモンスターと変わらなくなる気がした。
ミシェル達の協力もあり、リッチの掃討は半日近くで無事終えた。
倒したリッチの数は全部で2000体前後、今回の事件で襲撃を受けた村や町の住人とビッグゲートの守備兵の数と一致する。
ハジメの中でシスティナに対する殺意がさらに膨れ上がった、その時!
「きく、きく、居るのは分かっているわ! 私はここよ、姿を見せなさい」
村中に響き渡る声で叫ぶアーシュラ、すると生後間もない赤子を抱いたペインが木の影から姿を現した。
全身に剣で斬られた痕があり、服は血塗れで報告にあった菊の花は最早見えない。
その赤子をあやしながら、ペインは誰も居ない場所を見ながら呟いた。
「あなたの両親や親類は全員死んでしまったわ、あなたはこのまま死ぬしかない。 私が親の許まで送ってあげる」
「待って、何をするつもりなの菊江。 やめて、やめてちょうだい!」
懇願するアーシュラさんの目の前でペインは赤子の額に口付けした。
その直後に赤子は痙攣し始め、すぐに息絶えた。
「天で親子水入らずに過ごしなさい、あとでそこにいる女が土下座しに行くから…」
ハジメ達に振り返りながら、笑みを浮かべるペイン。
口元は歪み、見ただけで寒気すら感じる。
しかしその顔は、紛れも無くアーシュラさんと瓜二つだった。
「……生きていたのね、きく」
アーシュラさんが静かに呼びかける、けれども怒りを抑えているのは明らかだ。
「いいえ、私はあの時たしかに死んだわ。 でもね、お母様の手で蘇ったの」
「お母様って誰?」
「もちろん、システィナお母様に決まっているじゃない」
アーシュラは思わず瞑目した、あの女神は人を苦しめる為に殺した人間まで利用したのだ。
「私が眠りにつく事すら許されない間、随分と楽しく生きてきたみたいね姉さん。 魔王とのあいだに2人も子供を作った上に、さらにもう1人作ろうだなんてそんな事私が絶対に許さない!」
憎しみの炎でその身を焼きながら、ペインはその思いをアーシュラにぶつける。
その言葉の1つ1つが、アーシュラの心に深い傷を与えた。
(そうよ私はきくの敵を討つと誓いながら、カルーラに甘えて現実から目を逸らしてきた。 だから、これは当然の報いだわ)
妹の憎しみを全て受け入れようと、アーシュラは覚悟を決めた。
だがその2人の間に、ハジメが割り込んだ。
「悪い、邪魔させてもらう。 アーシュラさんの妹の、菊江さんで良いのかな? 夫で魔王のカルーラさんと出会えたからこそ、彼女は今まで心を保つことが出来た。 そうでなければ、とっくの昔に心が壊れて狂っていた筈だ」
「むしろ、その方が私の気も晴れたでしょうね。 満足したら、そこを退きなさい。 さもなければ、あなたにも私の痛みを味わわせるわよ」
「生憎とこの程度で満足出来る人間じゃないんだ、俺は。 俺は君とアーシュラさんの2人が仲直りして初めて、満足出来るのさ」
殺気を露わにしたペインがハジメの額に口付けする、しかし与える筈の痛みが自身に跳ね返ってきた!
「……これは!?」
「俺の身体は、システィナの加護を得た者の攻撃を反射する。 だから君が俺に痛みを与えようとするとその痛みが跳ね返る。 これ以上続けるのは、無意味だ。 もう終わりにして、ゆっくり話し合わないか?」
「今更手遅れよ、多くの人の命を私は奪った。 その罪は己の死で償うしかないわ、だけど姉さんも道連れにしなければ気が済まないの!」
アーシュラに襲い掛かろうとするペインを抑えるハジメ。
振り払おうと何度もハジメの額に口付けを繰り返し、その度に痛みが増幅されていくペインを見ながらハジメは奇策を思いついた。
(この菊江って人が与える事が出来るのは、痛みだけなのだろうか? もしそれ以外の感覚も与えられるとしたら……憎しみを上回る感情を持たせられるかもしれない)
突然ハジメはペインを抱きかかえると、振り返りながらアーシュラ達に頼み込む。
「ちょっと試したい事が出来たから、少しこの場を離れる。 ミリンダ、俺がしようとしている事に気付いても絶対にアーシュラさんには言わないでくれよ」
そう言い残すと呆気に取られているアーシュラさん達を残して、焼け残った家の1つに上がり込む。
嫌な予感を感じたペインが身をよじって逃げようとするが、それを押さえつけながらハジメは耳元で呟いた。
「フェロモン散布、夏の夜の夢、分裂6体」
ペインに女の天敵の牙が襲い掛かった……。
この報はすぐに魔王カルーラとアーシュラ、そしてハジメ達に知らされた。
すぐに捜索隊が編成されたが、それよりも早く事態は深刻化する。
「た、大変です! 大型転移陣(ビッグゲート)周辺の町や村が、突如現れたリッチの襲撃を受け多数の死者が出ております」
「なんだと!?」
驚愕するカルーラ、だが真の凶報はここからだった。
「そ、それとこれはまだ未確認の報告なのですが、菊の花をあしらった着物を着たアーシュラ様がリッチを指揮していたと……」
その報告を聞いた瞬間、アーシュラさんはその場で崩れ落ちる。
「おいアーシュラ、どうした?」
半ば呆然としているアーシュラさんの身体を揺するカルーラ、滅多に見れない光景だ。
しばらく動けなかったアーシュラさんの口から、ようやく一言だけ発せられた。
「……きく」
(きく?)
そういえば、前にアーシュラさんが言っていた。
この世界に召喚された際に、システィナの手によって殺された妹がいたと。
その名前は、たしか菊江。
ハジメの頭の中で、1つの答えが導き出される前に先に動いた男がいた。
妻アーシュラを抱き上げると、転移魔法の構築を始めた魔王カルーラだ。
「あなた?」
虚ろな目で夫を見つめる妻に、カルーラは優しく声をかける。
「行こう、システィナの思惑が何であれ君にとってかけがえの無い存在なのだろう? 会うと不幸になるかもしれないが、このまま会わずに居るときっと後悔する。 今は君1人だけじゃない、大丈夫だ。 私と頼りない娘に息子の3人、それとハジメ殿達も協力してくれる筈だ」
言われるまでもなくそのつもりだ。
しかし今回システィナはどんな悪辣な手段を仕掛けてきたのだろうか?
そんな疑問を抱きながら、ハジメはカルーラ夫妻と一緒に現場の村へ急行した。
「これは!?」
「……酷い」
眼前の村は火に包まれ、村の中はリッチで溢れ返っていた。
しかしほとんどのリッチは下級リッチで、上位のリッチはシスティナの手で直接作り変えられた兵士達だけらしい。
だがこれまでに襲われた村や町の住人達がほぼ絶望的だと分かった事で、これ以上の被害を出さない為に全てのリッチを掃討する作戦が決まった。
「小細工は無しだ、リッチを見つけ次第片っ端から焼き尽くす。 捕らえようなんて考えるな、すぐに灰にするんだ」
「ハジメ、リッチは食べないのですか?」
「食べない」
セシリアの問いかけに、ハジメは即答する。
「彼らは犠牲者であって、喰うべき相手じゃない。 喰って能力を手に入れる事は、俺にとっては彼らの生を弄んだシスティナと同類に成り下がるのと同じだ」
そう、確かに喰えば強くなれる。
結果的にはその方が、彼らの敵を討てる確率は高まるだろう。
しかし目的の為に犠牲者を利用する真似は、ハジメには出来ない。
それをした時、人の姿をしたモンスターと変わらなくなる気がした。
ミシェル達の協力もあり、リッチの掃討は半日近くで無事終えた。
倒したリッチの数は全部で2000体前後、今回の事件で襲撃を受けた村や町の住人とビッグゲートの守備兵の数と一致する。
ハジメの中でシスティナに対する殺意がさらに膨れ上がった、その時!
「きく、きく、居るのは分かっているわ! 私はここよ、姿を見せなさい」
村中に響き渡る声で叫ぶアーシュラ、すると生後間もない赤子を抱いたペインが木の影から姿を現した。
全身に剣で斬られた痕があり、服は血塗れで報告にあった菊の花は最早見えない。
その赤子をあやしながら、ペインは誰も居ない場所を見ながら呟いた。
「あなたの両親や親類は全員死んでしまったわ、あなたはこのまま死ぬしかない。 私が親の許まで送ってあげる」
「待って、何をするつもりなの菊江。 やめて、やめてちょうだい!」
懇願するアーシュラさんの目の前でペインは赤子の額に口付けした。
その直後に赤子は痙攣し始め、すぐに息絶えた。
「天で親子水入らずに過ごしなさい、あとでそこにいる女が土下座しに行くから…」
ハジメ達に振り返りながら、笑みを浮かべるペイン。
口元は歪み、見ただけで寒気すら感じる。
しかしその顔は、紛れも無くアーシュラさんと瓜二つだった。
「……生きていたのね、きく」
アーシュラさんが静かに呼びかける、けれども怒りを抑えているのは明らかだ。
「いいえ、私はあの時たしかに死んだわ。 でもね、お母様の手で蘇ったの」
「お母様って誰?」
「もちろん、システィナお母様に決まっているじゃない」
アーシュラは思わず瞑目した、あの女神は人を苦しめる為に殺した人間まで利用したのだ。
「私が眠りにつく事すら許されない間、随分と楽しく生きてきたみたいね姉さん。 魔王とのあいだに2人も子供を作った上に、さらにもう1人作ろうだなんてそんな事私が絶対に許さない!」
憎しみの炎でその身を焼きながら、ペインはその思いをアーシュラにぶつける。
その言葉の1つ1つが、アーシュラの心に深い傷を与えた。
(そうよ私はきくの敵を討つと誓いながら、カルーラに甘えて現実から目を逸らしてきた。 だから、これは当然の報いだわ)
妹の憎しみを全て受け入れようと、アーシュラは覚悟を決めた。
だがその2人の間に、ハジメが割り込んだ。
「悪い、邪魔させてもらう。 アーシュラさんの妹の、菊江さんで良いのかな? 夫で魔王のカルーラさんと出会えたからこそ、彼女は今まで心を保つことが出来た。 そうでなければ、とっくの昔に心が壊れて狂っていた筈だ」
「むしろ、その方が私の気も晴れたでしょうね。 満足したら、そこを退きなさい。 さもなければ、あなたにも私の痛みを味わわせるわよ」
「生憎とこの程度で満足出来る人間じゃないんだ、俺は。 俺は君とアーシュラさんの2人が仲直りして初めて、満足出来るのさ」
殺気を露わにしたペインがハジメの額に口付けする、しかし与える筈の痛みが自身に跳ね返ってきた!
「……これは!?」
「俺の身体は、システィナの加護を得た者の攻撃を反射する。 だから君が俺に痛みを与えようとするとその痛みが跳ね返る。 これ以上続けるのは、無意味だ。 もう終わりにして、ゆっくり話し合わないか?」
「今更手遅れよ、多くの人の命を私は奪った。 その罪は己の死で償うしかないわ、だけど姉さんも道連れにしなければ気が済まないの!」
アーシュラに襲い掛かろうとするペインを抑えるハジメ。
振り払おうと何度もハジメの額に口付けを繰り返し、その度に痛みが増幅されていくペインを見ながらハジメは奇策を思いついた。
(この菊江って人が与える事が出来るのは、痛みだけなのだろうか? もしそれ以外の感覚も与えられるとしたら……憎しみを上回る感情を持たせられるかもしれない)
突然ハジメはペインを抱きかかえると、振り返りながらアーシュラ達に頼み込む。
「ちょっと試したい事が出来たから、少しこの場を離れる。 ミリンダ、俺がしようとしている事に気付いても絶対にアーシュラさんには言わないでくれよ」
そう言い残すと呆気に取られているアーシュラさん達を残して、焼け残った家の1つに上がり込む。
嫌な予感を感じたペインが身をよじって逃げようとするが、それを押さえつけながらハジメは耳元で呟いた。
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